親仁の意見-50男の素朴な想い

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February 21, 2006
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カテゴリ: カテゴリ未分類
実は明日から東京へ出張で、週末まで実家にいる可能性があるため、今夜で本シリーズを出来るだけ書き進めようと思います。先ずは、今回の適性検査における定量的な把握から参りましょう。尚、手間の問題で、統計データからは「九段」を省略しました。

3.2006年一般枠適性検査の状況

学校名 男女別 募集数 応募者 書類通過 受検者 棄権者 合格者 入学者(2/10) 繰上者
白鴎
70 360 360 334 26 70 66 0
74 541 541 521 20 74 73 5
小石川
77 961 828 747 81 77 73 0
79 946 819 777 42 79 75 8
桜修館
80 641 506 488 18 80 77 性別不明
80 903 530 515 15 80 69 14
両国
60 608 480 459 21 60 54 性別不明
60 687 480 470 10 60 52 14


(1)応募状況
「白鴎」と「桜修館」の男子を除き倍率は10~12倍であり、女子は三校とも11.5倍付近に集中しました。男子は「桜修館」・「両国」・「小石川」で、8倍・10倍・12倍という具合に等間隔で並びました。やはり、「小石川」が一番人気だったようです。

(2)書類審査
白鴎は昨年の「足切り」が多数だったことから、全員通過としました。男子は上限に達していませんでしたが、女子は上限(400名)を超えたので、本来は141名が不合格でした。

一方、一番厳しい「足切り」は「桜修館」の女子でした。4割強のお子さんが不合格となり、某掲示板では喧々諤々の議論が巻き起こりました。募集要項では、「小学校からの『報告書』を点数化して選抜する」ということでしたが、「オール3」のお子さんでも通らなかった例が結構あり、選抜基準への不満が出ていたようです。真偽の程は分かりませんが、「報告書」の中での生活態度や、「志願理由書」の記載内容が明暗を分けた可能性が考えられます。

これは飽くまでも僕の個人的考えですが、来年からは書類選考が緩和されるのではないでしょうか。その理由は、(a)学校側もどの程度応募者が集まるか予測が難しく、数を絞らざるを得なかった。私学の実績からも、競争倍率は毎年殆ど変わらないため、今年のデータが有力な目安になり得る。(b)学校間で書類選考通過率に差が大きく、女子の場合「桜修館」と「小石川」では30%もの開きがある。こういう場合は、緩やかな方向に統一されるのが常である。(c)今年は実質的に初年度であり、受検者側も手探り状態だったので、駄目元で受けた例もあったと思われるが、現実は厳しいため受検者はむしろ減ることも考えられる。従って、(a)とも関連するが、今年以上に受検者が増えることは考え難く、全員通過させても適性検査は可能であり、受検者側の不満も解消出来る。

因みに、「小石川」の今年の適性検査の受検者は1524名であり、「桜修館」の応募者1544名と大差ないのです。場所がなければ、近隣で事前に確保することは十分可能です。


各校の「棄権者数」と「棄権率(%)」は、白鴎:男(26, 7.2%) 女(20, 3.7%)、小石川:男(81, 9.8%) 女(42, 5.1%)、桜修館:男(18, 3.6%) 女(15, 2.8%)、両国:男(21, 4.4%) 女(10, 2.1%) という結果になりました。人数と割合において「小石川」の男子が断然多いですね。後述しますが、棄権者数が他校並みであれば、合格者の顔ぶれが多少変わったかも知れません。

また、数は少ないものの、書類審査が非常に厳しかった「桜修館」の女子でも棄権者がおり、釈然としないものがあります。とはいえ、これも「個人の自由」ですから、非難することは出来ませんが。

(4)合格発表と入学辞退者・辞退率
入学辞退者を勘案して、各校とも1割程度の水増し合格を予想する向きもありましたが、合格発表は募集定員ピッタリでした。ここから入学辞退者を差し引いたのが、表中の「入学者(2/10)」であり、上記同様に各校の「入学辞退者」と「辞退率」は、白鴎:男(4, 5.7%) 女(1, 1.4%)、小石川:男(4, 5.2%) 女(4, 5.1%)、桜修館:男(3, 3.8%) 女(11, 13.8%)、両国:男(6, 10.0%) 女(8, 13.3%) という結果になりました。

「桜修館」と「両国」の女子が辞退率13%台であり、「両国」は男子も10%と高率でした。まあ、入学辞退の場合は繰上げ合格者が出るので救われますが、これだけの高倍率だった訳ですから、心情的には蹴って欲しくないですね。

また、「小石川」の場合は意外と辞退者が少なかったですが、思うに棄権者は国立中学との併願が多く、同日入試の筑駒、筑波大付属、学芸大付属等を受験したのではないでしょうか。彼・彼女等が国立に受かったかどうか分かりませんが、結果として辞退者が少ないという結果に繋がったような気がします。

(5)繰上げ合格者

当該人数は、各校の「入学辞退者数の男女合計」とイコールですが、内訳は吃驚かも知れません。というのは、「白鴎」と「小石川」の繰上げ合格者は全員女性なのです。そして、「桜修館」と「両国」は男女の内訳を発表していないのですが、全員女性という可能性が考えられるのです。両校共に繰上げ合格者が14名おりますが、全員女性では学校側も困惑してしまったのかも知れません。 昨年の「白鴎」の例 にもありますが、都立の場合、ボーダーラインは女性の方が高いらしく、成り行きでは何処でも女性上位となり、「男子の肩身が狭い都立中高一貫校」という伝統が生れそうです。雌雄を決する必要がありそうです。





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Last updated  February 21, 2006 11:02:30 PM
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Re:都立中高一貫校入試(検査)の総括-その3(02/21)  
ゆな さん
こんばんは。
親子共、受検はすでに過去のものになってしまいましたが
渚のバラードさんの総括を読むにつけ、反省点が
浮き彫りになり、あーあうちはやはりやったつもりに
なっただけ・・と後悔もあります。
某塾の御○○クラスにいましたが、まわりでは3日の受検に
都立の選択はなく、ざんねんながら?話題にものぼらずのようでした。実際Yの合判は偏差値が低いものでしたが
実際に合格された方は、現在の偏差値より、将来の
伸びる力で選ばれた方々のような気がします。
三番目の子供に娘がおります。
この子が受験するころは、さらに選択肢がふえます。今回の反省、私も気が重いつつ総括しなければ
いけない場面になったのですね。

(February 23, 2006 11:24:04 PM)

総括ありがとうございます  
まこ さん
こんばんは。
総括すべて拝見いたしました。
全く、お見事なまとめで 大変参考になります。

我が家は息子が最も人気の高い都立中を希望しておりますので、バラードさんの総括を参考に 今後の方針を考えていきたいと思います。

といっても、都立中が望む子どもは あくまでも
「自ら学べる子」だと思いますので、本人主導で
持っていきたいものです。

息子には早速、今年度の適性検査問題を解かせて
これから どのように勉強していったらよいか
考えさせているところです。

その間に 私はあれこれ家庭学習用の教材や
場合によっては利用することになる塾情報を検索しております。

バラードさんもおっしゃっていましたが、便利な時代になったものですね。

またバラードさんのブログはちょこちょこ覗かせていただきます。 公立中学校情報も楽しみにしております。
(February 24, 2006 01:28:54 AM)

お疲れ様でした。  
モモぷう  さん
総括お疲れ様でした。渚様でもこれだけの分析と執筆は大変な手間と労力を要する物と察します。有り難うございました。「雌雄を決する」には少し笑ってしまいましたがこれも渚様のユーモア溢れる人柄の表れなのでしょう。

渚様は公立組の心強いお仲間だと勝手に思っていますので、これからもよろしくお願いいたします。 (February 25, 2006 07:20:12 AM)

Re:都立中高一貫校入試(検査)の総括-その3(02/21)  
ゆな さん
こんばんは。
書き忘れたことが一点。書類選考の件です。
来年は緩和されるのではとのご意見。私も渚の
バラードさんのおっしゃってる事に説得力も
ありますし、そうあって欲しいと思います。
ただ、今回の小石川の書類選考の人数の件は、いろいろなところから
批判されていると聞きました。
確かに、1600名の記述の採点は、採点者を増やせば解決するものではなく
かえって採点者によるバラつきが懸念されます。
よく私立の記述中心校の採点に、模範解答は存在
するのか・・が知りたいと質問があります。
基本的には、採点の最中に教師同士で議論?しながらだそうです。
また、通過者が多い小石川の一人がち?となった事
に都も、横一線を望んでいたため、
今回のみの人数らしい・・・
どちらにしても、来年度要綱の発表を早くして
受検生と保護者に、手探りではない対策がとれる
入試にして欲しいと切に願ってます。 (February 26, 2006 07:53:31 PM)

ゆなさんへの御返事(02/26)  
ゆなさんへ
-----
御返事が遅くなりました。二つ纏めてお答えしますね。

>実際に合格された方は、現在の偏差値より、将来の伸びる力で選ばれた方々のような気がします。

僕もそう思います。重箱の隅を突くような試験は意味が無く、思考力・論理力・表現力が最終的に問われますから。

書類選考の件は何とも言えませんが、個人的にはチャンスを与える方向で解決して欲しいと思います。来年度の方針が見物ですね。
(February 26, 2006 11:07:25 PM)

Re:総括ありがとうございます(02/21)  
まこさんへ
-----
情報収集は大事です。こちらは専門サイトではないので、継続的にこのテーマのフォローは出来ませんが、折に触れて書くつもりです。

塾の件ですが、これも今後のシリーズで書く予定ですが、全くの自宅学習は基本的に不利であり、最低限公開模試は必要でしょう。そして、夏期講習や冬期講習くらいは受講した方が宜しいと思われます。問題に慣れ、時間内にどれだけ解答出来るか、肌で感じることが重要ですから。またのお越しをお待ちしています。 (February 26, 2006 11:12:37 PM)

Re:お疲れ様でした。(02/21)  
モモぷうさんへ
-----
>総括お疲れ様でした。渚様でもこれだけの分析と執筆は大変な手間と労力を要する物と察します。有り難うございました。

そうなんです。もっと簡単に書こうと思うんですが、書き始めると納得の行くまで書いてしまうんです。現状分析等は仕事でやってますので、その一環のような感じです。

>「雌雄を決する」には少し笑ってしまいましたがこれも渚様のユーモア溢れる人柄の表れなのでしょう。

ユーモアを解して下さる「モモぷうさん」に感謝します。「ぐりぐり♪さん」の掲示板では、白鴎の在学生のお母様から、「クラスは男子15名、女子25名でバランスは決して良くないですが、どちらも『尻に敷く』ようなことはありません(笑)」というレスがありました。

>渚様は公立組の心強いお仲間だと勝手に思っていますので、これからもよろしくお願いいたします。

僕の方こそ、あなたは心強い「同士」ですから、頼りにしております。今後とも宜しくお願いします。 (February 26, 2006 11:19:47 PM)

Re:都立中高一貫校入試(検査)の総括-その3(02/21)  
buchiyamato  さん
以前、ブログとホームページを紹介していただいた進学塾講師のbuchiyamatoと申します。
本日、都立中高一貫校に関する記事を書きましたので報告させていただきます。
もしよろしければお立ち寄り下さい!
http://www.purple.dti.ne.jp/jukensoudan/newpage148.html
(本日は白鴎、小石川、あとはH20年から中高一貫校になる武蔵・北多摩について書きました) (November 30, 2006 02:29:24 PM)

buchiyamatoさんへの御返事(11/30)  
buchiyamatoさん
-----
お久し振りです。H19年度の受検はどうなるでしょうか。今年の実績に基づいて、各進学塾も凌ぎを削っているのではないでしょうか。再度各校の分析はする気になれませんので、来年は貴兄のレポートを楽しみにしております。 (December 1, 2006 12:29:23 AM)

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