2018年11月01日
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カテゴリ: 猫ホスピス
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1月21日に愛護センターで保護され、

二ヶ月弱ずっと檻の中に居た老猫。



センター職員さん達も二ヶ月間、

人に馴れてくれるようにと、

頑張って下さってたようで、

保護当初の激しさは、

徐々になくなってきましたが・・・



人間を拒絶する心は強く、
心を開く事はありませんでした。



そして・・・



​衰弱は進んでいくばかり…との事でした。​




この仔には、もう看取りしか残されていない…



この子らしい最期を迎えさせよう!

3月末、レスキューを決意しました。

​命名「ミト」


ウーウーシャーシャー威嚇はありましたが、

決して咬んだり爪を立てる事はありませんでした。



なんとか、人を好きになって欲しいと、

なんとか、信頼関係を築けたらと、

スタッフは懸命に「ミト」と向き合おうとしましたが…



体を硬直させ怯えるばかり。

ミトは、懸命に 自己暗示 をかけている事に

気付きました。

​「…この体は私ではない…私ではない…」​



それは・・・



恐怖心、痛み、悲しみ、苦しみから、

​自分の心身を守るために自然に働く業、​

間違いなくそれは、「防衛本能」でした。​








ミトは、口の中がボロボロで

口の中が腫れ上がっていました。

歯茎の中に、悪い歯が埋まっている状態で、

切開しての抜歯…

とても大きな手術になりましたが…



抜歯して時間が経過しても、

ミトの痛みはなかなか取れない様子でした。

なぜ?悪い歯を全部取ったのに、

​なんで痛みが続くの…?​



ただでさえ、人間が嫌いなミトに、

通院治療が、どんなに苦痛でどんなに怖かったか…

それでも私達は、痛みを取る事を優先させました。

治療をレーザー治療へと変更しました。

​痛みさえなくなれば、もう無理はさせないからね…​

​ミトとそう約束しながら…。​



​この時すでに手遅れだったことを、​

​知る由もなく…。​





「猫ホスピス部屋」で、

仮眠を取っていた明け方、物音で目が覚めました。

​ミトが、激しい痙攣を起こしていたのです!​



​痙攣は、60分程続きました。​

​​ なぜ痙攣が?

​​ ミトの身体の中で、
​​一体何が起こってると?​​​




ミトのかかりつけ病院は、休診日でした。

先生に、個人メールでミトの痙攣の動画を送ったら、

直ぐにご連絡を頂きました。

「遠慮しないでミトちゃん連れて来て!
私は保護家さんの力になろうって
決心固まってるんだから!
自分に出来る事をやりたいだけだから!」

先生の優しさと、強い信念に、

魂が震えました。



ミトは、もう時間の問題でした。

細菌が脳に回ってしまったのです。

このまま入院させて、血管からの点滴を続けるか、

今日は点滴を抜いて、翌朝点滴を再開するか…

二つの選択しかありませんでしたが、

今夜は連れて帰ろうと判断しました。





苦しんでいるミト。

いつもミトを気にかけてたスタッフは、

思わずミトを抱きしめましたが…



ミトを下におろすよう、スタッフに告げました。

ミトが望んでいるのは、

人の温もりではなかったんです。

​​ 「1人にして欲しい…」
​それが、ミトが望む最期の迎え方でした。​



夜が明けるまで、ミトを見守りました。

苦しまない最期を、願いました。



グルグル歩き回り落ち着かないミト…。

​もう意識はなかったと思います。​

​細菌が脳に回り、違う意味で、​

​ミトはミトでなくなってしまったのです。​

私は、ミトを見守る事しか出来ませんでしたが…



「ねぇ、ミト…?」

話しかける度に、耳だけを傾けるミト。

朦朧とした意識の中でもしっかりと…。

それは・・・

​ミトが望んでいた距離感に、
やっと気付けた瞬間でした。​




​ミトにとって「声」は「体」だったのです。​

​「声」との触れ合い・・・​

それは、ミトにとって、
体の触れ合いと同じ意味するものだったのです!



なんで今頃になって気付く?

なんで今まで気付けなかった?

いいえ、

なんでミトを知ろうとしなかった?

・・・悔しい。

ミトに申し訳ない!





夜が明け、病院送迎ボランティアさんが

ミトのお迎えに来てくれました。

夕方まで病院で、血管点滴の予定でしたが…



​「病院に到着してすぐに…息を引き取りました」​

そう先生から連絡が入りました…。



やっぱりミトは、

私の前で逝く事を避けたんだな…

そう感じました。

​​ ミト、本当にごめんなさい…。


ミトは、いつも一人ぼっちでした。

そんなミトの側に、黙って寄り添っていたのが、



ニコも、恐怖心や苛立ちを抱えながら、

やっと人間に心を開いた子でした。

きっと、ニコは分かっていたんだと思います。

​ミトが抱えている心の痛み、苦しみを…。​



自分がカムに支えられてきた事を、

今度は自分が、支える側になっていたんだと、

この二人を見てると、

そう感じずにいられませんでした。



そんな支えてくれたニコを追うように、

ニコが亡くなってちょうど二ヶ月後、

ニコが旅立った同じ時間帯に、ミトは旅立ちました。



​ミトの枕元に、ニコの遺骨を添い寝させました。​

私は、ミトの心を開かせることを諦めていました。

レスキューしたときには、もう先が短い事が分かっていました。

だったら、自分の好きなように生きて欲しいと…。



そんなミトに、最期まで寄り添ってくれた

誰かがいた、ニコが居てくれた…

ミトにとって、唯一の心の支えだったのかもしれません。

最後の最期に、ミトが望んでいた

コミュニケーションに、

もっと早く気付いてあげてれば…

​ミト、本当にごめんなさい。​




​​



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最終更新日  2018年11月01日 23時51分09秒
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