奈良銀輪散歩シリーズ第一弾です。本日は近鉄奈良駅から新薬師寺・白毫寺などを巡って平城京公園というコースです。
(鷺池と浮見堂)
(比売神社) (神像石)
十市皇女は額田王と大海人皇子(天武天皇)の娘であり、天智天皇の子、大友皇子(弘文天皇)の妃となるが、壬申の乱で父親と夫が敵対し、夫である大友皇子が敗死することになるという悲劇の女性である。新薬師寺の門前の一角にある比売神社は彼女を祀っているが、この地にあった比売塚が彼女の墓であるとする説に基づくもので、1981年に建立された新しい神社である。
十市皇女
、 比売神社
河上
の ゆつ
岩群
に 草むさず
常にもがもな
常処女
にて (巻1-22)
猟高
の 高円山を 高みかも
出で来る月の 遅く照るらむ (巻6-981 大伴坂上郎女)
<猟高(高円山西麓鹿野園付近)の高円山が高いせいでしょうか、出て来る月が遅く照るようです。>
(鏡神社)
鏡神社には藤原広嗣が祀られている。広嗣は藤原宇合の長子であるが、太宰府に左遷された後、藤原広嗣の乱を起こし、捕縛され斬首される。このような人物が祀られているというのは、彼の怨霊を鎮めるためのものであったのだろう。彼の歌も万葉に登場する。女性に贈った歌であるが、歌は女性の返歌の方が一枚上であるように思われる。
この花の 一辧
のうちに
百種
の
言
ぞ
隠
れる おほろかにすな (巻8ー1456)
この花の
一辧
のうちは
百種
の
言
持ちかねて 折らえけらずや (巻8ー1457)
<広嗣 「この花の一枝のうちには沢山の言葉がつまっているのだよ。おろそかにしなさんな。」>
<娘子 「この花の一枝のうちには沢山のお言葉がつまっているのですね。それで、その重みにたえきれず、折られてしまったのでしょうか。」>
(新薬師寺) < 新薬師寺のホームページ
>
(白毫寺碑と万葉歌碑)
<おみなえしや秋萩を踏みしだき、牡鹿が露を散らしつつ鳴くのであろう、高円の野よ。>
(白毫寺山門)
(白毫寺本堂)
白毫寺は志貴皇子の山荘があった場所だと言われている。志貴皇子の墓(御陵)は高円山の裏側、田原の里にあるが、ここ白毫寺には志貴皇子の薨去を傷んで笠金村が作った歌の歌碑がある。揮毫は犬養孝先生である。
高円の 野辺の秋萩 いたづらに
咲きか散るらむ 見る人無しに (巻2-231 笠金村)
(犬養万葉歌碑)
(茨) < 関西花の寺第十八番 白毫寺
>
白毫寺の南西に護国神社の森がある。森の木陰に暫し憩う。境内にこれまた簡易な万葉歌碑があちこちに・・。遷都1300年に向けてか、このような碑が急増しているようだ。
(護国神社の森)
(護国神社の万葉歌碑)
(能登川と岩井川の合流点)
(率川神社)
(率川神社万葉歌碑)
葉根かづら 今する妹を うら若み
いざ
率川
の 音の
清
けさ (巻7-1112)
<はねかづらを今つけているおとめがうら若く初々しいので、いざいざと誘う、その率川(いざかわ)の瀬音のすがすがしいことよ。>
飛鳥川銀輪散歩(下) 2024.11.11 コメント(4)
飛鳥川銀輪散歩(上) 2024.11.10 コメント(2)
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