偐万葉・お蔵百人一首篇(その2)
~大和はまほろば氏の俳句に寄せて~
大和はまほろば氏のブログの俳
句に小倉百人一首の下2句を改変してくっ付けて戯れ歌にするという遊びに嵌っていて、本日で24首となりましたので、その2としてブログにアップします。
(注)
赤字
が大和さんの俳句、黒字が偐定家の下付け2句。
幻の 庁舎に響く 霧笛かな
橋のつもりも 不可となりぬる (陽成院難航)
筑波嶺の 峰よりおつる みなの川
恋ぞつもりて 淵となりぬる (陽成院)
鳧
の声 運んで来たる 青田風
ころもほすてふ 雨もやみたり (持統洗濯機)
春すぎて 夏きにけらし 白妙の
ころもほすてふ 天の香具山 (持統天皇)
親子鹿 公園の草 滴るゝ
(三条通り突き当り)
心にも あらでうき世に ながらへば
こひしかるべき 夜半の月かな (三条院)
タワービル 間をよぎる 通り雨
けふここら辺の 傘の売れるや ( 伊勢の傘屋 )
いにしへの 奈良の都の 八重桜
けふ九重に にほひぬるかな (伊勢大輔)
夏蝶の 一休みする 森の闇
まだ職もなし 明日も探すだけ (小式部内職)
大江山 いく野の道の とほければ
まだふみもみず 天の橋立 (小式部内侍)
老夫婦 語ることなき 田植かな
言はでこの苗 直ぐしてよとや (伊勢の田植え)
難波潟 みじかき葦の ふしの間も
あはでこの世を すぐしてよとや (伊勢)
山みちの 笹百合揺れる 伊賀の風
吹けそよひどき もの忘れする (蕉風亭大弐三位)
ありま山 猪名の笹原 風ふけば
いでそよ人を わすれやはする (大弐三位)
山みちの 笹百合揺れる 伊賀の風
いままた旅の あてもなき道 (柴又式部)
あらざらむ この世のほかの 思ひ出に
いまひとたびの あふこともがな (和泉式部)
三輪山に 百合を摘み取る 乙女かな
いまひとたびの みゆきまたなむ (偐貞信公)
三輪山に 百合を摘み取る 乙女かな
今ひと束の 百合根なんぼや (ゆり値ひた下がり姫)
小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば
いまひとたびの みゆきまたなむ (貞信公)
百合の花 力の限り 咲きにけり
赤白ばかり 薄き色なし (白黒つけたがる壬生忠岑)
ありあけの つれなくみえし わかれより
あかつきばかり うきものはなし (壬生忠岑)
二番茶の 畑を飛び交ふ つばくらめ
芦屋で饅頭 飽きるほど喰ひ (小豆大納言経信)
夕されば 門田の稲葉 おとづれて
葦のまろやに 秋風ぞふく (大納言経信)
茶の村を グリーンウェーブと 名付けけり
よをうじやまと ひとはいふとも (茶筅法師)
わが庵は 都のたつみ しかぞすむ
世をうぢ山と 人はいふなり (喜撰法師)
永田町 二匹の鳩の 声荒し
麻生の船の つなでかなしも (鎌倉左大臣、鳩場のカモメ)
世の中は つねにもがもな なぎさこぐ
あまの小舟の つなでかなしも (鎌倉右大臣)
凌霄
に 雨はまだかと 尋ねけり
梅雨と見し余の 今はくやしき (気象予報官藤原清輔)
ながらへば またこのごろや しのばれむ
うしとみし世ぞ いまはこひしき (藤原清輔朝臣)
夕立に ぬれて笑ひたる 石仏
腹立つ筈の ずぶ濡れの袖
(さすが大僧正慈円)
おほけなく うき世の民に おほふかな
わがたつ杣に すみぞめの袖 (前大僧正慈円)
人の来ぬ 畑の海芋 華やぎて
むべ里芋も カラーといふらむ (芋屋の康秀)
ふくからに 秋の草木の しをるれば
むべ山風を 嵐といふらむ (文屋康秀)
石仏に 浄土へ向かふ 道尋ね
わが心がけ 変へもせぬまま (転地天皇)
秋の田の かりほのいほの とまをあらみ
わがころもでは 露にぬれつつ (天智天皇)
白樫の 森を飛び出す 梅雨の蝶
なけなしの金 持ち出でつるかな (素性不明法師)
いまこむと いひしばかりに 長月の
ありあけの月を まちいでつるかな (素性法師)
サリー着た 人とすれちがふ 夏の午後
からくれなゐと これもいふなり (なるように業平)
木漏れ日の 道でサリーと すれちがふ
からすれちがひ 佐保の川なり (行き違ひ業平)
ちはやぶる 神代もきかず 竜田川
からくれなゐに 水くくるとは (在原業平朝臣)
筵から 種の零れる 梅雨晴間
あらはれわたる 日々の悪行 (悪代官定頼)
朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに
あらはれわたる 瀬瀬の網代木 (権中納言定頼)
延命の 酒を賜る 竹供養
をとめの浴衣 しばし眺めむ (僧正変昭)
天つ風 雲のかよひ路 ふきとぢよ
をとめの姿 しばしとどめむ (僧正遍昭)
竹供養 かぐや姫まで 来てをりぬ
昼は消えつつ 地酒こそ呑む (大中臣の嗅ぐや呑み姫)
みかき守 衛士のたく火の 夜はもえ
昼はきえつつ ものをこそおもへ (大中臣能宣朝臣)
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