( 承前 )
五智居田
を 過ぎて名立も 越えぬれば
しぐれて
能生
は ひと影もなき (偐家持)
さて、自転車は能生へと入りました。海沿いに出て暫く走ると5番目のトンネル「百川トンネル」である。トンネルを抜けると右手前方に風力発電の風車と白い船が見えて来る。能生海洋公園である。船は越山丸とある。船自体が博物館になっていて、見学できるようなのであるが、人影もなく、入場(乗船?)できるのかどうかもよく分らない。
誰も居ないなあ。
曽良曰く「そらそうや。こんな雨まじりの強風の日、それも
ウィークデイに、自転車で走るヒマ人の酔狂者は、
ヤカモチはんぐらいなもんでっせ。」
(能生海洋公園・越山丸)
(同上)
(能生海洋公園・風力発電の風車)
誰も居ないと思いましたが、公園の一角には海を眺めている少女が居ました(笑)。
(「何が見える?」「何も見えへん。」)
公園を後にして自転車道に戻る。
6番目、7番目のトンネルが続く。
(小泊トンネル)
(白山トンネル)
白山トンネルを抜けると茅葺の風情ある建物が目を引き付ける。白山神社である。
(白山神社・正面が拝殿、右が御旅所)
(白山神社。拝殿と御旅所)
道路を挟んで神社の向い側に茅葺きの「曲がり屋」がある。歴史民俗資料館である。土日祝日のみ公開にて戸を閉ざしている。傍らで水車だけが、ゴトン、ゴトンと回っていた。
(歴史民俗資料館)
(水車)
風車に続いて水車ですが、後は「火の車」ですかな?これは家に帰るとあるので、見る必要がない(笑)。
境内で暫く休んで、出発。川を渡り、再び国道に並ぶようにして海沿いの道となる。前方の雲が明るくなって、海面も明るさを増している。
(この川でも鮭が遡上している。)
(再び海沿いを行く。風がまた強く吹く。)
山側に目をやると、黄色に輝くもみつ葉が・・。
(もみぢ葉匂ふ・・)
鬼無崎橋という名の橋にさしかかると、下を流れる川に鮭がいて、どうも産卵をしているようでもある。こんな河口近くでも小さな川なら浅瀬もあるので産卵をするのですな。写真を何枚か獲りましたがうまく写っていませんので、アップできません。残念。
(鬼無崎橋の架かる小川。直ぐ先が海である。)
(同川、鬼無崎橋 <きぶさきばし>
から見る上流)
雲間から太陽が覗き、明るくなると海はこのようにたちまち青くなる。
(日本海は暗いばかりではないのだ。)
しかし、自転車道も終りに近づきました。
(休憩所。このような休憩所が途中何か所かありました。)
(最後の直線。この先で自転車道は終点となる。)
(糸魚川側入口。つまり、終点です。)
自転車道から出て来ると国道8号。国道に出て歩道を走る。直ぐに早川を渡る。渡ってしばらく行くとひとつ手前の駅「梶屋敷駅」の表示があったが、糸魚川駅まで走ることにする。駅までは5km位だろうか。再び雨が降り出すがもう雨具は付けない。日も暮れかかりライトを点灯する。国道が右にカーブする処で脇道に入る。
相馬御風宅の前を過ぎ突き当ると駅前の通りである。その角に小さな公園があり、奴奈川姫像があるので、ちょっと御挨拶。やっと、万葉歌に関係するものに出会えました(笑)。
奴名川
の 底なる玉 求めて
得
拾
ひて 得し玉かも あたらしき 君が 老ゆらく惜しも (万葉集巻13-3247)
(注)1.奴名川(沼名川、奴奈川)は、姫川、その支流の小滝川、
姫川の西にある田海川、青海川など諸説がある。
2.「あたらしき」は、惜しい、の意。「あたら若き命を」などと言
う時の「あたら」と同じ言葉ですな。
3. 奴名川の「ぬ」(瓊)は、玉、翡翠(ヒスイ)のことである。
古事記には、八千矛神(大国主命)が越の国にやって来て、奴奈川姫に求婚し、結ばれるという話が出て来るが、これについて述べると字数が足らなくなるので省略。本日はここまでとします。
糸魚川での散策は後日のアップとし、銀輪散歩はこれで完結といたします。最後までお付き合い下さり有難うございました。
飛鳥川銀輪散歩(下) 2024.11.11 コメント(4)
飛鳥川銀輪散歩(上) 2024.11.10 コメント(2)
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