偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2012.04.10
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カテゴリ: 智麻呂絵画展

第98回智麻呂絵画展

 本日は智麻呂絵画展であります。今回も作品点数は7点と少なめですが、先のお花見会に寄せた絵などもありますので、早目の開催と致しました。どうぞごゆるりとご覧下さいませ。
<参考>他の智麻呂絵画展は下記から。
     ​ ​第1回展~第100回展
     ​ 第101回展~第200回展
     ​ 第201回展~ ​​

楊 (楊)

 上のネコヤナギと下から2番目のミモザは小万知さんがお持ち下さったものです。
 猫柳は「楊」、枝垂れ柳が「柳」と中国では区別されるが、万葉でもネコヤナギは「川楊・河楊・川夜奈支」として柳とは一応区別されている。もっとも、万葉では植物についての品種名というような厳密さはないのであるから、水辺、川辺に生えている柳類の総称という風にも考えられるから、川辺に生えている柳も含まれると言うべきであるのかも知れませんが・・。
 しかし、川辺に生えているからと言ってその柳を、「川柳」と書いてしまうと「せんりゅう」となって、「ヤナギ」ですらなくなりますから、要注意ですな(笑)。この575の方の川柳は江戸時代の俳人・柄井 (からい) 川柳から来ているもので、ヤナギともネコヤナギとも無関係なのである。勿論、ウナギネコとも無関係である(笑)。

桜 (桜)

さくらさくら さくさくら ちるさくら (種田山頭火)

さくらさくら みるさくら かくさくら くふさくら のむさくら (偐桜餅)

蛙 (蛙)

水のうまさを 蛙鳴く (種田山頭火)

水のぬくさを 蛙鳴く (水田山湯火)

酒のうまさを 泣く泣く帰る (北新道草持)

 上二つの絵は、祥麻呂さんが持って居られた本から、先回のお花見読書会に寄せて描いて下さったものです。
 <訂正注記:本日(4月12日)智麻呂邸を訪問したら、偐山頭火氏も来て居られ
      て、上の本について、祥麻呂さんが持って居られたというのは、彼がその本を
  手に持っていたのを小生が目にしたというだけであって、その本の所有者は偐
  山頭火氏であったことが判明いたしましたので、此処に訂正追記致して置きま
  す。偐山頭火氏は「祥麻呂さんも同じ本を持っていたのか」と、このブログの
  記事を見て思われたそうで
ありますが、まあ、若草読書会の面々はまことにお
  おらかなものであります。>

スイセン (水仙A)

  水仙はアヤメやアジサイなどと並んで智麻呂氏のお好きな花のひとつにて、この絵画展にも度々に登場して居りますが、今回もなかなかの出来栄えにて、眺めているだけで何やら癒される気がいたします。

水仙 (水仙B)

俯いて そっと咲くから 水仙花 (筆蕪蕉)

水仙花 中には見上げてる 奴も居る (筆蕪蕉) 

 筆不精の筆蕪蕉さん、名を忘れられてしまってもいけませぬゆゑ、久々の登場であります。

ミモザ (ミモザ)

 このミモザの絵。恒郎女さんは「一生懸命、力を入れて描いたのだけれど、もひとつです。」と相変わらず手厳しいご感想(笑)。智麻呂氏の絵がみるみる上達して行ったのは、この愛妻の手厳しい意見があってのことかも知れませんですね。勿論、お気に召した出来栄えの絵に対しては、絶賛・賞賛、褒めることをお忘れでないのであるから、智麻呂氏も頑張らざるを得ないのでありますな(笑)。
 極力、写実を旨とする智麻呂氏の絵にとって、ミモザとかレンギョウとかユキヤナギとかの花はモチーフとしては、強敵であり、長時間の格闘を必要とするのでありますが、常に恒郎女さんのお目に叶うとは限らず、絵画の道も亦なかなかに厳しいものであることを、これらの花は教えてくれるのでもあります(笑)。

オオキバナカタバミ (オオキバナカタバミ)

長過ぎる 名は歌に不利 オオキバナ
       カタバミ咲きぬ それだけのこと (偐家持)

 本日、智麻呂邸を訪問し、雑用を済ませる傍ら、新作4点をゲットし、今回の絵画展となりましたが、智麻呂邸には色取り取りの花があって、春爛漫です。これからも色々な花の絵を描いていただけるものと思います。皆さまもどうぞお楽しみに(笑)。






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最終更新日  2019.06.14 10:18:04
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Re:第98回智麻呂絵画展(04/10)  
小万知 さん
智麻呂様の画材にと持参した猫柳とミモザ、どちらも小さい粒の寄り集まりで、左手のみで描かれるのは本当に描きにくいことだったろうと申し訳なく思っております。
恒郎女様の評価はともかく、作品に誠実さがにじみ出て、見事に再現されていますよ。
先日の読書会では実にタイムリーな山頭火の句を絵の中に配され、大好評でしたね。
筆蕪蕉さんも出不精になられたかと思っておりましたが、久しぶりにお出まし下さり良かったです(笑) (2012.04.11 21:48:06)

小万知さんへ  
けん家持  さん
ご来場、コメント有難うございます。
 ネコヤナギとミモザ、どちらも確かに描くのは大変でしょうが、智麻呂さんの創作意欲を掻き立てたことは確かでしょうから、「申し訳なく」思って戴く必要は毫もありませんですな(笑)。
 山頭火の句を配された絵はまさにタイムリー・ヒットでしたね。智麻呂さんもなかなか味なことをされるものと感じ入った次第であります。
 筆蕪蕉も出不精。不精髭の仏頂面で俳諧を忘れ徘徊するばかりでありましたが、今回無理に引っ張り出しました。しかし、「バイク」にうつつをぬかしていた所為か「ハイク」になっていませんな(笑)。
(2012.04.11 22:06:20)

こと、偐山頭火  
河内温泉大学名誉教授 さん
加えて「おおらか山頭火」です。
なかなか、同じ本を持っている人に巡り会うことはないことだと思っていました。私の持参した本でしたか。

たまたま訪問していましたら「イチゴ大福」が来られたので福を頂きました。いや、正確にはイチゴ大福を持参された偐家持氏です。本日は誠にラッキーでした。 (2012.04.12 23:50:24)

Re:こと、偐山頭火(04/10)  
けん家持  さん
河内温泉大学名誉教授さんへ
はい、「おおらか山頭火」、それでこそ山頭火というものでありますな。読書会の席で祥麻呂氏がその本を開いていたので、早合点家持、てっきり彼の本だと、確かめもせず、勝手にそう思い込みました。偐山頭火氏の本であったと今日知る処となり、「いい加減」家持もさすがに訂正記事を書かなくては、と思った次第であります(笑)。
 この頃、よく智麻呂邸で鉢合わせすることがありますね。今回は「イチゴ大福」とワインと写真という何やら支離滅裂な取り合わせの手土産持参のヤカモチでありましたが、「福」を「おもち」できたのであれば幸いであります(笑)。
(2012.04.13 00:04:08)

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