本日は第5回ナナ万葉の会で、近鉄大阪線恩智駅前の喫茶店「カフェ・ド・ナナ」まで行って参りました。と言っても勿論、電車で、ではなく、自転車(MTB)で、です。
今回の参加者は男性2名、女性6名の8名。講師役の小生を含んで総勢9名の「こじんまり」とした会です。今回は男性の畑〇氏が「神」を詠った歌を紹介して欲しい、というご要望であったので、そのような歌を拾い出すこととしました。歌はそもそもが神に捧げるもの、或は神との問答、神の言葉として発生し、存在し得たものなのでもあるが、神そのものを詠んだ歌というのはそれほど多くはなく、神にかこつけての恋の歌とか天皇を神と讃える歌などの方が目に付くというのが万葉の歌である。ということで、ともかくも「かみ・神」という言葉を含む歌をランダムに万葉集から拾い出すということで「神の歌」ということとしました。畑〇さんのご期待には沿えていないかと思うが、万葉集がそのようであるのだから仕方がない(笑)。
で、小生の独断・勝手裁量で取り上げた本日の歌は次の通りでした。
1.香具山は 畝火ををしと 耳梨と 相争ひき 神代より かくなるらし
いにしへも しかなれこそ うつせみも つまを 争ふらしき
(巻1-13)
2.香具山と 耳梨山と あひし時 立ちて見に来し 印南国原
(巻1-14)
3.渡津海の 豊旗雲に 入日さし 今夜の月夜 清明こそ(巻1-15)
4.近江荒都歌<略>(巻1-29)
5.ささなみの 志賀の辛崎 幸くあれど 大宮人の 船待ち兼ねつ
(巻1-30)
6.楽浪の 志賀の大わだ 淀むとも 昔の人に またもあはめやも
(巻1-31)
7.おほきみは 神にしませば 天雲の 五百重が下に 隠りたまひぬ
(巻2-205)
8.おほきみは 神にしませば 天雲の 雷の上に 廬らせるかも
(巻3-235)
9.皇は 神にしませば 真木の立つ 荒山中に 海をなすかも
(巻3-241)
10.大君は 神にしませば 赤駒の はらばふ田居を 京師となしつ
(巻19-4260)
11.大君は 神にしませば 水鳥の すだく水沼を 皇都となしつ
(巻19ー4261)
12.住吉の 野木の松原 遠つ神 わが王の いでましどころ
(巻3-295)
13.今日よりは 顧みなくて 大君の 醜の御楯と 出で立つ吾は
(巻3-295)
14.天地の 神を祈りて 幸矢貫き 筑紫の島を さして行く吾は
(巻20-4374)
15.佐保過ぎて 寧楽のたむけに 置く幣は
妹を目離れず 相見しめとぞ(巻3-300)
16.周防なる 磐国山を 越えむ日は 手向けよくせよ 荒しその道
(巻4-567)
17.ちはやぶる 神の御坂に 幣奉り 斎ふいのちは 母父がため
(巻20-4402)
18.ちはやぶる 神の社し 無かりせば 春日の野辺に 粟蒔かましを
(巻3-404)
19.春日野に 粟蒔けりせば 鹿待ちに 継ぎて行かましを 社し留むる
(巻3-405)
20.わが祭る 神にはあらず ますらをに 著きたる神ぞ よく祭るべき
(巻3-406)
21.大船に 真楫繁貫き この吾子を 韓国へ遣る 斎へ神たち
(巻19-4240)
22.春日野に 斎く三諸の 梅の花 栄えて在り待て 還り来るまで
(巻19-4241)
23.白雲の 龍田の山の<略>高橋虫麻呂の長歌(巻9-1747)
24.わが行きは 七日は過ぎじ 龍田彦 ゆめこの花を 風にな散らし
(巻9-1748)
25.島山を い行きめぐれる<略>高橋虫麻呂長歌(巻9-1751)
26.い行相の 坂のふもとに 咲きををる 桜の花を 見せむ兒もがも
(巻9-1752)
27.山川も よりて奉れる 神ながら たぎつ河内に 船出するかも
(巻1-39)
28.玉かづら 実ならぬ樹には ちはやぶる
神ぞ著くとふ ならぬ樹ごとに(巻1-101)
29.わが岡の おかみに言ひて 降らしめし
雪のくだけし そこに散りけむ(巻2-104)
30.大汝 少彦名の いましけむ 志都の石屋は 幾代経ぬらむ
(巻3-355)
31.大穴道 少御神の 作らしし 妹背の山は 見らくしよしも
(巻7-1247)
32.天地の 神も助けよ 草まくら 旅ゆく君が 家に至るまで
(巻4-549)
33.思はぬを 思ふといはば 大野なる 三笠の社の 神し知らさむ
(巻4-561)
34.住吉に 斎く祝が 神言と 行くとも来とも 船は早けむ
(巻19-4243)
35.味酒を 三輪の祝が いはふ杉 手触れし罪か 君に逢ひがたき
(巻4-712)
36.石上 布留の神杉 神さびし 恋をもわれは 更にするかも
(巻11-2417)
ということで、本日は写真がありませぬ。今日、店先で撮った1枚を掲載して置きます。右側の喫茶店がカフェ・ド・ナナ。左側の川が恩智川。手前の自転車が我が愛車のMTBであります。
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