偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2018.01.26
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カテゴリ: 銀輪万葉
承前 ​)
​​​​​​​​​​​​​​​​​​ ​ 昨日の記事の続きです。熊野三所神社で掲載し忘れた写真がありました。
 1929年(昭和4年)6月の昭和天皇の当地への行幸の際に、神島などへ渡るためにご乗船された船(御座船)が境内の奉安庫建物内に保存されているのである。
(御座船奉安庫)

(同上・説明碑)

​  この折に天皇へのご進講と島でのご案内を担当したのが南方熊楠であるから、南方熊楠記念館を訪ねる前にこれをご紹介して置こうという次第。建物内の船を撮影していなかったのは、ヤカモチさんの手落ちであります。
(同上)​


 熊野三所神社を出て、浜通りを北へ少しばかり行くと御船足湯があった。御座船と関係あるのかどうかと調べてみると、この目の前の瀬戸湾は、斉明天皇行幸の折にその御座船を繋留した場所ということで、「御船の谷」と呼ばれているそうな。御座船は御座船でも昭和天皇のそれではなく、斉明天皇の御座船に関係した命名でありました。
 円月島を眺めながら足湯が楽しめるというのが売り物のようです。
(御船足湯)

 御船足湯からは手前の突堤越しに円月島を見ることになるが、更に北へと行くと突堤に邪魔をされないで円月島を見ることができる。
 この島は白浜のシンボルにもなっているのか、路上のマンホール蓋の図柄もこの島である。珈琲休憩に立ち寄った喫茶店「甲羅館」の店内の壁に、円月島の真ん中に沈もうとしている満月の写真が飾ってありましたが、この写真は店主の向井さんが撮影されたもののよう。写真の脇に紀州日報だったか地元紙の記事のスクラップが貼られていて、その記事にはこの写真と向井さんのことが紹介されていました。
(円月島)
​​​​​​

 円月島の右手奥に見えるのが「番所の崎(番所鼻)」である。
 岬に立っているのが番所鼻灯台。灯台の右手の丘の上に南方熊楠記念館がある。

(同上)

 番所山公園・南方熊楠記念館への入口に到着。記念館へはここから急な坂道をもう少し上らなくてはならない。
(番所山公園・南方熊楠記念館入口)
​​ ​​​
(番所山案内マップ)
※写真をクリックするとフォト蔵写真の特大サイズでご覧いただけます。
 更に「元画像」をクリックするともっと大きい画面に切り替わります。


(​ 南方熊楠記念館 ​)

 館内は撮影禁止ですから、パンフレットの写真を掲載して置くこととします。上のリンクで同記念館ホームページでご覧いただくとなおよく様子がお分かりいただけるかと存じます。


(南方熊楠略年表)

 博覧強記の「知の巨人」、南方熊楠であるが、その著作で小生が読んだものと言えば「十二支考」だけであり、断片的な知識を有するのみ。語るべきものは何とても是無く候。
 天皇に献上した粘菌標本はキャラメル箱に入れられていたという話は、いかにも熊楠の人となりを表すものとして夙に有名なエピソードであるが、小生はこれまで、小さな普通サイズのキャラメル箱を想像していました。実際のそれは大箱で堅牢な厚紙で作られたもの。普通のキャラメル箱が何十個も入る巨大な箱であったということを、今回その実物展示から初めて知りました(笑)。
 記念館の前庭には、その昭和天皇が南方熊楠のことを偲ばれての御製の歌の碑が建てられている。
雨にけふる神島を見て 紀伊の国の生みし南方熊楠を思ふ
(昭和天皇御製歌碑)

(同上説明碑)

 記念館を出た後、番所山公園を散策。
(番所山公園からの眺望・第一展望広場から)

(同上パノラマ撮影写真)

(番所山公園第二展望広場付近)

 灯台の手前の広場(第三展望広場)に展望台があり、上ってみて、パノラマ撮影したのが下の写真。
(番所山公園展望台からの北・東側眺望)
 ※右寄りの白い建物が南方熊楠記念館。


(同上南・西側眺望)
 ※中央の木立の先に灯台があるのだが、木に遮られて灯台は見えない。


 岬麻呂氏やビッグジョン氏に倣い、ヤカモチも灯台の写真を撮る。
 立地がイマイチにて、このような下から見上げるアングルでしか写真は撮れないのでありました。

(番所鼻灯台)

​​​​​​​​​​​​​​​​​ ​ 番所山公園には自生か植栽されたものか存ぜぬことであるが、あちらこちらにゲットウ(月桃)が沢山生えていて、実が弾けていました。
(月桃の実)

(JR白浜駅)
​​ ​​
 JR白浜駅に戻り、帰阪。天王寺駅で妻・娘とは別れて、小生は地下鉄で淀屋橋へ。午後6時からの健人会の新年会に出席するためでありました。まあ、このような予定も入っていた関係で、白浜散策も慌ただしいものになってしまった感無きにしも非ずですが、ひとまずこれにて完結とします。
​​





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最終更新日  2018.01.26 18:29:21
コメント(7) | コメントを書く


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Re:(続)白浜散策(01/26)  
こんばんは(^^♪

こんなに素晴らしい見晴らしの良い場所に ​南方熊楠記念館があったのですね。
昔 行った時に 記念に撮った写真は バックが 鬱蒼とした木でしたので、暗いイメージが残っていました。
青い海、灯台...白浜は 素晴らしい関西の南国ですね。

月桃は 部屋の中で育てていますが、暖かい地方でしたら こんな実がなるのですね。
花は 沖縄の写真で見ましたが 実を見た事がありませんでした。
実を見て よく月桃と わかられましたね。さすが ヤカモチさんです!

一日に 白浜、健人会の新年会と 二つも済まされて お疲れ様でした。



(2018.01.26 17:18:50)

ひろみちゃん8021さんへ  
けん家持  さん
  >こんなに素晴らしい見晴らしの良い場所に
   ​南方熊楠記念館があったのですね。
   昔 行った時に記念に撮った写真はバック
   が鬱蒼とした木でしたので、暗いイメージ
   が残っていました。
 展望広場など樹木に邪魔されない場所ではなかなかの眺めですが、全体的には生い茂る樹木に邪魔をされて、眺望はさほどにも非ずです。
 記念館へと上る小径は亜熱帯性の樹木が生い茂る鬱蒼とした中を行くので、暗いイメージというのも肯ける気がします。記念館の周りも木が茂っていて眺望はありません。屋上に上がると360度の眺望が楽しめるとのことですが、この日は強風で閉鎖、職員の方が「残念ですがご了承下さい。」と仰っていました。
  >青い海、灯台..白浜は素晴らしい関西の
   南国ですね。
 気温は低く、強風でしたが、よく晴れていたので、海の青さと寄せる白波、気色は申し分なしではありました。海のない奈良や飛鳥の都に暮らした万葉人もこの明るい紀の国の海に心躍るものを覚えてこの景色を眺めたのでもあるかと思うと、眼前の景色が更にも美しいものに見えても来ます。
 月桃は万葉とは関係なしですが、こんなところで目にするとは思わぬことでした。
  >一日に白浜、健人会の新年会と二つも済まさ
   れて お疲れ様でした。
 24日は健人会の新年会、25日はSS会の新年会と続きましたが、明日27日は読書会の新年会です。新年会続き、疲れているヒマはありません(笑)。
(2018.01.26 19:02:44)

Re:(続)白浜散策(01/26)  
身内での白浜散策、お疲れ様でした
温泉に浸かって心身ともにほっこりとされたことでしょう。

岬麻呂さんはこのブログをご覧になっているのかどうか
とりあえず、貴兄と岬麻呂さんにこの場をお借りして
先日いただきました宮古島情報へのお礼のコメントです

ご紹介いただいた居酒屋「中山」を自由行動の日に訪ねました
大阪では食べられない沖縄料理を中心に注文しましたが
味も会計も文句なし、泡盛のロックを傾けながら
うれしい時間を過ごすことが出来ました。

店主とは、岬麻呂さんから頂いたコメントのコピーを見せて
しばし雑談をしましたが、とても喜んでおられました。

(2018.01.26 21:19:30)

Re:(続)白浜散策(01/26)  
小万知 さん
南紀白浜へのご旅行、晴れの美しい写真からは寒さは余り感じられませんが、記事文から風花が舞うような寒さだったご様子、温かい温泉が何よりのご馳走になったのではないでしょうか?
千畳敷や白良浜は訪ねた折に遊んだのでよく覚えていますが、歌碑は全然記憶にないので、きっと旅のパンフレットもきちんと読んでなかったのだと思います。
南方熊楠記念館も内容が濃く、様々な分野での研究どれもがすごい方ですね。

白浜の花と云えば浜木綿などを思い浮かべますが、沖縄によくみられる月桃の花も咲くのですね。月桃の実は初めて見ました。 (2018.01.26 23:50:58)

Re[1]:(続)白浜散策(01/26)  
岬麻呂 さん
ビッグジョン7777さんへ
宮古島旅行の折、中山本店においでになられご満足(おせいじが半分?)いただき、よかったです。お天気はいかがだったでしょうか、心配しておりました。
23日から富良野路に旅しておりまして、昨夜遅く戻り「白浜散策」のブログ記事先ほど読ませていただきました。
「215旅報告」でお読み頂く事になると思いますが、23日富良野クラフトさんにお目にかかってきました。ご療養中ですが麓郷の森にもこの冬の除雪に17回おいでになられ日増しに回復のご様子でした。 (2018.01.27 20:28:55)

ビッグジョン7777さんへ  
けん家持  さん
  >身内での白浜散策、お疲れ様でした
   温泉に浸かって心身ともにほっこりとされた
   ことでしょう。
 小生はカラスの行水みたいなものですから、温泉も何もあったものではないというのが実態ですが(笑)。
  >岬麻呂さんはこのブログをご覧になっている
   のかどうか
   とりあえず、貴兄と岬麻呂さんにこの場をお
   借りして、先日いただきました宮古島情報へ
   のお礼のコメントです
 ご丁寧に痛み入ります。岬麻呂情報お役に立ったようで何よりです。同氏も当ブログを時々はご覧になって居られるようですが、今回はタイムリーにご覧になられたようで、同氏から貴兄宛の返コメが早速に入って居りますな。
(2018.01.27 21:05:22)

小万知さんへ  
けん家持  さん
  >南紀白浜へのご旅行、晴れの美しい写真から
   は寒さは余り感じられませんが、記事文から
   風花が舞うような寒さだったご様子、温かい
   温泉が何よりのご馳走になったのではないで
   しょうか?
 よく晴れたお天気でしたから、目で見る限りはポカポカ陽気に見えますが、強風と低気温、シーズンオフと言うのも肯けるお天気でした。まあ、その分温泉の値打ちも益すと言うものではありますが。
  >歌碑は全然記憶にないので、きっと旅のパン
   フレットもきちんと読んでなかったのだと思
   います。
 まあ、歌碑巡りはマイナーな営為。それが普通でしょうね。
  >南方熊楠記念館も内容が濃く、様々な分野で
   の研究どれもがすごい方ですね。
 東大予備門では漱石や子規などと同級生でもあったという熊楠さん、その生き方も研究手法も独特にて、大した御仁です。
  >白浜の花と云えば浜木綿などを思い浮かべま
   すが、沖縄によくみられる月桃の花も咲くの
   ですね。月桃の実は初めて見ました。
 浜木綿も花の時期ではありませんでしたが、道の辺のそこここに見られました。月桃がここで見られるとは想定外でした。実の写真は少しピントが甘くなっているのが惜しまれます。
(2018.01.27 21:18:46)

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