神風
の 伊勢の 浜荻
折り伏せて
旅宿
やすらむ 荒き浜辺に ( 碁檀越
の妻 万葉集巻 4-500
)
(畏き風の吹く伊勢の浜の荻を寝床代わりに折り敷いて、旅の宿りとしようか。荒々しい浜辺で。)
南北朝時代の連歌集に「草の名も所によりて変はるなり難波の葦は伊勢の浜荻」(菟玖波集)というのがあり、伊勢の浜荻とは難波で言う葦のことだと言っている。 妹なろが 使ふ川津の ささら荻
あしと 人言
語りよらしも (東歌 万葉集巻 14-3446
)
(あの子が使う船着き場の小さな荻葦のことを、悪いと人々は語り合っているらしいよ。)
一方で、「葦辺の荻」と「葦」と「荻」とを別の植物と認識している歌も存在するから、やはり荻は「荻」であって、「葦」の別名という訳ではないのである。 葦辺なる 荻の葉さやぎ 秋風の
吹き来るなへに 雁鳴き渡る (万葉集巻 10-2134
)
(葦辺の荻の葉が音をたて、秋風が吹いて来るのにつれて、雁が鳴き渡って行くことよ。)
梅の花ひとり見つつや 2024.01.13 コメント(6)
梅一輪の春咲きにける 2023.01.14 コメント(8)
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