立春。ツグミと遊ぶ。
銀輪散歩で立ち寄った花園中央公園でツグミを見かけました。
遠目には、ムクドリかと思たのですが、カメラでズームアップすると、ツグミでありました。
(ツグミ)<参考> ツグミ
・Wikipedia
ちょこまかと動くので、ズームで追いかけるのは、一苦労。
(同上)
ツグミは渡り鳥。
夏季にシベリア中部・南部で繁殖し、冬季になると南下、日本にも越冬のため渡来し、当初は山地の森林などで群れて生息し、その後平地に分散移動するという。ムクドリなどは常時群れで行動するが、ツグミは分散移動後は群れるということはないそうです。
(
同上)
なかなか可愛い鳥である。
ツグミは万葉集には登場しないが、近縁種のトラツグミは万葉集の「ぬえ鳥」のこととされているので、その歌でも紹介しながら、閑話を続けることといたしましょう。
<参考> トラツグミ
・Wikipedia
万葉集には、ぬえ鳥(鵺鳥または鵺)そのものを詠んだ歌がある訳ではなく、「ぬえ鳥の」という枕詞として登場するだけである。
ひさかたの
天
の
川原
に ぬえ
鳥
の
うら泣きましつ すべなきまでに
(柿本人麻呂歌集 万葉集巻10-1997
)
<(ひさかたの)天の川原に(ぬえ鳥の)しのび泣きしておられました、どうしようもないほどに。>
よしゑやし 直
ならずとも ぬえ
鳥
の
うら泣き
居
りと
告げ
む
子
もがも
( 同上 万葉集 巻10-2031
)
<よし、どうともなれ、直接逢うのでなくてもいい、(ぬえ鳥の)心の中で泣いているとあの人に告げ知らせてくれる人が居たらなあ。>
上の2首はいずれも七夕をテーマにした歌である。牽牛と織女が天の川を挟んで逢えないで嘆いていることを詠っている。
短歌はこの2首のみで、あとは全て長歌である。
参考までに「ぬえ鳥の」の部分だけ抜き書きすると、
「・・ぬえこ鳥 うらなけ居れば・・」(軍王 万葉集巻 1-5 )
「・・ぬえ鳥の 片恋づま 朝鳥の 通はす君が・・」(柿本人麻呂 万葉集巻 2-196 )
「・・ぬえ鳥の のどよひ居るに・・」(貧窮問答歌・山上憶良 万葉集巻 5-892 )
「・・ぬえ鳥の うら泣けしつつ・・」(大伴家持 万葉集巻 17-3978 )
である。
いずれも、「うら泣く」(忍び泣く)や「片恋づま」、「喉よひ」など「泣く」に関連した言葉にかかる枕詞として使われている。
<追記注:2021.2.4.>
上の山上憶良の貧窮問答歌の「ぬえ鳥ののどよひ居るに」については、「ぬえ鳥の」を枕詞とは見ず、「トラツグミがヒーヒーとか細い声で鳴くように泣いているその上に」と解釈する見解もあるようだから、この見解に立てば、トラツグミ(ぬえ鳥)そのものが詠まれている歌ということになる。
(同上)
ツグミという名は、口をつぐむ、の「つぐみ」で、この鳥は殆ど鳴かないということで、このように呼ばれるようになったという説があるようだが、今日の花園中央公園では、チッチーとか何とか、時折鳴いてもいました。
スズメであれムクドリであれ群れる鳥は互いに意思疎通の必要もあって鳴く関係で、時にはうるさいほどであるが、単独行動の多いツグミは別に口をつぐんでいる訳ではなく、鳴く必要がないから鳴かないだけのことなんだろう。こちらに渡って来た当初の森林での群れ生活では結構騒がしく鳴いていたのではないかと推測します。
(同上)
ツグミの特徴は目の上の白い太い眉のような模様である。
オスかメスかは不明であるが、なかなかの「イケメン」である。
(同上)
夏になる前には、シベリア方面へと旅立つのであろうが、彼らには緊急事態宣言も検疫も関係ないから、この先、コロナ禍がどういう展開になろうと関係なく、再び、何処かの森に集結し、シベリア方面へと旅立つのであろう。
今日から春。
シベリアへと旅立つまでの間、
日本の春を心置きなく楽しまれよ(笑)。
<参考>鳥関連過去記事は コチラ
。
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