飛鳥京香/SF小説工房(山田企画事務所)

飛鳥京香/SF小説工房(山田企画事務所)

ザ・キング・オブ・ドリーム創造者の夢2


作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yama-kikaku.com/
●現在編集中●


 このビブラフォーン自身が複製をこしらえたのだ。
 ビブラフォーンの安政場所では、次の仙、そこを開けると、ビブ
ラフォーンが二つになっているとい・っ具合だったのだ。
 このビブラフォーン自体の出現が伝脱となっていた。
ある日、といってもかなり昔の事らしいが、ある作曲家が、自

の曲がうまく作曲できないので大赦界へ出向いて行き、『教えの壁一
に悩みをうちあけたのだ。
『教えの壁』はその作曲家に、次の朝早く、この大赦界へ来いとい
うお告げを授けた。
 ビブラフォーンをあやつり始めたら、つまり一つの曲を演奏し始
めたら、最後まで弾き続けなければならない。途中でやめることは
不可能なのだ。
 もしブレイヤーが、そこまでで体力がなくなれば、そのブレイヤ
ーは死んでしまい、彼の体は逆にビブラフォーンに操られるのだ。
 ビブラフォーンの上ですでにこと切おた死体の手や腕や足が勅き
まわるさまは、昆る者に、恐怖を通り越えた興奮を与えずにはおか
なかった。
 それが、危険をかえりみないプレイヤーを続々と生んでいる原囚
次の哨早くヽ人数界へ来た作曲家は、大暴風雨にあった。あたり  だった。
には誰もいなかった。
 鰯光りがした。雷が喝「た。近かった。作曲家は雨やどりをしよ
うと走り出したのだが雷に打だわた。
 気短からさめると、そこにはこの物体があったのだ。空は急に晴
れあがっていた。
 それは机をひっくりかえした上に、まん中に巨大な突起物をつけ
だような形をしていた。色はビンク色をしていて、宝石が敢りぱめ
られていた。
 作曲家は恐る恐るはしの突起にさわってUご≒モ
ーぎわれぬメロディと七色の紅を出現させていた。

は懲に、えも
 さらににていつは貼かかった。紐‐眠拍ではなく灯ヽ微杓だったんここ
つまりビブラフォーンは生さている楽おたったゐだ、
 作曲家はこのビブラフォーンを使って次々と名曲を生んでいった
彼の死体はビブラフォーンに換らおていた、彼の死は天然一一・ごごケっ
 人間は死と隣り合わせが好きなのだ。。
 ビブラフォーンは一反演奏され始めると、政客に単なる皆だけで  一
はなく、幻覚、香り、奇妙な昧、手ざわりなどを与える。つまり人  ヴ
面の五克を刺激し、ビブラフォーンのま・Pリに一つの巨大な。泌宜げ】  ・
界を出現させるのだフだ。
 観客たちはその感覚のうねり、妾に酔いしれるの・だった。
 一面非常に危険でもあるビブラフォーン乙部が会けつねにTqに
一匹と決まっていた、
 毎年、一以人ゐ7・レイヤーがビヅラフォーンに白総され乾じしてレ
た、
一マリクーそI‘こ
 7レイヤー狩りや命令したマリクの元に一人の辿化ぱが来ていた。
「どうしたアリソン」
 アり・ソ/はてミダごT干な○である。
&.1..‐‐‐j‐‐I I~―-
 「リソーナ地区を見ていた道化師から連結があったのです。巨大な
船が実体化しようとして失敗したようです」
 「あたりには人はいなかったのか」
 「どうやら、その道化師だけだったようです」
 「それで」
 「その実体化しようとした空間に一人の男が倒れていたそうです」
 「でその男は」
 「心配しないで下さい。ちゃんと追跡者をつけてあります」
 「そうか、そいつもプレイヤーにさせようか」
 「が、一つ、気になることがあります」
 「伺だ」
 「そいつの手が輝いていていたそうです」
 「右手か左手か」
 「左手だったようです」
 「神の左手!」
 おもわずマリクは叫んでいた。
 「えっ、何ですって」
 アリソンは問いかえす。
 「いや、気にする必要はない。いいかその男は絶対、俺の前に連れ
てこい。わかったな」
 「はい、わかりました」
 「伝説のJIボラ、Iド、神の左手か」
 マリクは独りごちた。
Jが目ざめた時、彼の休は荒野に横だわっていた。
 彼はゆっくり立ち上り、彼がタワーシップに乗っていたかどうか
の証左はないかどうかあたりを見渡してみた。がタワーシップが存
在したと証明できるようなものは何も存在していない。
 Jはゴルゴダシティの中心配に向かって歩き始めた。
  『アイラを助けろ』
 そんなフレーズがJの碩の中に浮んでくる。
 アイラ………闘いた事がない。何なのだ。
 それに今、歩き始めてはいるのだが、一体どんな所か見当もっか
ない。

かし、Jポラードの心がそこへ行けと告げているのだった。
 小一時間歩くと、ある種の都市の構造物が見えてくる。黄金に輝
くピラミッドが印象的だった。
 ゴルゴダシティ、大戦役の前、ここは大都串だったらしい。大戦
役の後数百年、ゴルゴダシティに住む人知は色々な超能力を有する
屁人柱へと変貌していた。
 Jは市域らしきところへ入っていた。ここはかっては多くの人々
が行き来していたであろう繁華街のあとなのだ。爛熟した花と樹木
が町を被っていた。植物もまた、大戦役の影勧下、変化している。
植物相が変ったのだ。
 植物で被われた街をJは行く。
 「そこを行くにいさん、待ちなよ」
 Jを呼ぴとめる声がした。本の影から、まっ赤な顔をした若者が
三人飛び出して来た。
「ドラ。グを採しているのかい」
130 -
-
「それとも流れプレイヤーかい」
 歩いているJの前に廻り込んで、くさい息をかける。Jは無言だ。
 「おい、返事をしろ。お高くとまるのじゃないぜ」別の若者がいう。
 「やっちまえよ、ハーン、こんなところを歩いているやつら、どう
せたいしたや?‘りじゃないぜ」
 「ハーン、こいつにお前の能力をみせてやれよ」別の若者が最初の
赤ら顔の若者をけしかける。
 Jは立ちどまり、若者たちの方を向く。若者達も足を止める。
 「やめてくれないか。今、俺は混乱しているんだ」
 「おいおい、こいつは自分自身が誰だかわからないって顔をしてる
ぜ」
 若者達はいやらしい笑い声をあげた。
 「ハーン、やれよ、お前の手で、こやつの目をさまさせてやれ」
 仲間が、赤ら顔のハーンをけしかける。
 ハーンはJの方に近づいてくる。
「俺に近づくなというのがわからんのか」
 Jは語気つよく言う。
 「俺の力を見てから、えらそうに言え」
 ハーンは手を左右に動かす。
 地面が揺いでいた。Jの目の前の風景が設えていた。
 がハーンの仲間は何も感じていないようにニヤニヤ笑っている。
そいつらの靴は地面から3mくらい浮いていた。
 こやつらは念動力を持っているのか。そうJは思った。
「お前たちはエスパーか」
「わかったか、俺は地面やその他の物体を振動できるバイブレータ
Iだ」
「次は俺の番だ」先刻からハーンをけしかけていた小男が言う。そ
してJをにらむ。゛
「うっ」
 Jはよろける。Jの心臓は何かにつかまれたかのように痛む。
「ふふ、わかったか。俺はハートブレイカーのムスカだ、俺が全力
をふりしぽれば、お的の心臓を止めることなど簡単だぜ」
 「わかったか、俺達の前で大きな顔はしないでもらいたい。ここは
地獄の門だ、俺たちは三途の川の渡し守りだ。通行税をいただこう
か」
 最後の男、ブラスが言った。
 「それが、お前らの目的か、汚ないゴキブリどもめ」
 「何!」若者たちは色めきたつ・。
 突如、Jの体はきりきりと痛む。全身がモリでさされているよう
なのだ。クラ″シャーのブラスの超能力なのだ。
 Jは地面に手をっき、うなだれしゃかみこむ。体のふしぶしに痛
みが§っていた。振り払うことのできない大きな力。万力で全身を
っぶされている。そんな感じがした。
 地の上の左手が急にピクッと幼く。左手が自分の手でないような
気がした、手がわずかに輝き始める。光が手のまわりに集まってく
るようだ。まわりの空気が微妙にふるえた。
 瞬間、ハーン、ブラス、ムスカは何かにはじきとばされる、地面
に倒わる。
 伺かがJのまわりの空間を披っていた。大きな地鳴りがした。
集まった光が、光球となり、Jを包んでいた。
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-
地面にころかっている若者達はまぷしさをこらえ、薄目をあけるブ
光球の中でJはすっくと立っていた。              ‐‐
 I・の服はバラバラに吹き飛んでいた。Jの表情も変って
手を上に高くさしあげていた。
 「あ、あれは」 ハーンが声をあげる。
光はJの左手に果敢していた。
 Jと三人の若者の前に突如、男が出現した。「誰だ」三人が叫ぶ
「俺の事を知らんのか。道化師マリクだ」
いる。左 一 「それじゃ、あんたが俺遠のスボンサーってわけか」ブラスが言っ
「神の手だ」ブラスが叫ぶ。
 三人共、驚きで、全員が体を回着させていて、Jの左手をみっめ
ている。

Jは夢遊病者の様に歩き出し.{≒ ハ
た。
 「そういう事だ。だが、お前達は仕事を果していない。柿の手を持
つ男が現われた場合、すぐさま、我々道化師に連絡するはずだろう
が」
 三人は顔を見あわせた。とりあえずハーンがしゃべる。
「そ、それはわかっていたよ。でも、こいつが本当に神の手かどう
ハーン達もJのあとについて行  か謳べていたんだ」
                 「言いのがわはやめろ、まあ、いいどうせ、もうお前たちには川口
 伝説の『神の手』、Jボラードの伝説。
 それを彼らハーーン達は、今まさに目の前にしているのだ。それは
新世界の誕生を意味していた。道化師に知らせなけれはならない事
など忘れていた。

い。どこにでも消えろ。私が用があるのはその男Jだけだ」
「何だと」三人は同時に叫んだ。
フダ々の力を見くびっているな、マリク」
 三人の力かマリクの休に集中する。が急にマリクの体が消える。
彼らはJの後を迢う道化師の存汪に気づいていなかった。その道  「くそっ、どこへ消えた」
化師は虫に化けていたのだ。
 この道化・師はアリソンに連絡をとった。アリソンはプレイヤー狩
り・に精を出していたので、マリクに連絡をつないだ。
 「わかった。アリソン、私が出むかう」
 マリクは、オブザバーを使い、Jの位置を陪かめさせた。
 オブザバーは透視能力が極単に発注している男である.
 Jの位置一にマリクはジャンプした、彼は空間移動能力を持ってい
た。。
 代りに、胴体をチューブでかこんだ人間が十人程、彼らの目の前
に出現した。
「何だ、こいつらはIブラスが叫ぶ。
「気をつけろ、こいつらはモーターだ」 ハーンがどなっていた。
 三人の力が各々の目の前のモーターに集中する。
 ムスカの前のモーターは心服をにぎりつぶされていろこ
 ブラスの前のモータ’-は体がばらぱらに吹き飛んでいた。残りの
で1ター俘の体はぐるぐる趾っていた。赤ら顔のハーンの力だった。
 数分波、モーター達はすぺて地面に倒れている。
13j-
-
「マリク、出てこい」とハーン。
「匝れるな、卑怯だぞ」ムスカも叫ぶ。
「マリク、我々が恐くて、姿を現わせないのか」ブラスが笑いなが
ら言った。
 「ばかものども、きさま達が恐ろしいだと笑わせるな、青二才共。
きさま達がこわくて道化師が務まるか」空からマリクの声がする。
 上空から電磁アミが急降下してきた。アミは三人の体をすっぽり
納めてしまう。
 「くそっ、これは何だ」 ハーンが言う。
 上空にはモーター達がいてマリクの命じられたとおり、プレイヤ
ー狩りをしていたのだ。
 三人の体は上空へと持ち上げられる。
 「だせ、だすんだ」
 「うるさい奴らだ。そのアミはお前たちの起能力を発揮するのを防
ぐ。いくら叫んでもむだだ。おい、気絶させろ」
 電磁アミは帯磁した。一瞬、三人は気絶する。
「そやつらは、フォトンの収容房へ遂んでおけ」
 モータ’・・達は命令通り、三人を上空へつりあげ、飛んでいった。
 そして、マリクは、この間傍観していたJの方を向いた。
「Juポラード、君がこのゴルゴダシティに実体化するのを待って
いたのだ。さあ我々に力を見せてくれ」
「君は何者だ。そして力とは」
「これは失礼した。私はフォトンに属している道化師のマリクだ。
この町の支配者のナンバー2と考えてくれていい。さあ私の前で君
の力を見せてくれ」
「一体、何のことかわからん」
「冗談はやめてくれ、Jポラード。その男は神の手を持ち、我々を
新世界へ導いてくれる男のはずだ
 Jは答えようがなかった。Jは

ゴルゴダシティヘ行けという何か
の力が働きここへ来たのだった。そして、アイラを劫けろ、そうだ、

 「アイラを知らないか」
 「アイラだと、何を言っているのだ」
 マリクはこの男を観察していた。いかん。どうもまだ完全に神の
手として覚醒していないようだ。しかたがない。プレイヤーとして
つかまえておくか。何かのきっかけで、力が発揮されるかもしれん。
 「わかった。J、君をフォトンヘ連れて行こう。よければ、導師デ
 ルガに会ってもらおう」
 そしてマリクはつけ加えた。
「で、J、君はビブラフォーンをひくことはできないか」
Il t & j  l  d

ビブラフォーン?」
Jの顛の中でひっかかるものがあった。何かはわからないが、考
えていた。
 「まあ、いい、ひいてみればわかるさ。じゃ私と一緒にフォトンヘ
行こう」
 マリクは自分の移動機を呼ぴよせそれにJを乗せた。マリクも渠
ろ。
 フォトンに辿りっくまで、まだ時聞かある。ビブラフォーンにつ
いて話し姶めた。
「マリク、わかった。どうやら私はビブラフォーyを操作したこと
133 -
-
があるような気がする」
「それでは、J、こういう事にしよう。君は諸国を濫り歩いている
ビゾラフォーンのプロプレイヤーというぷにしてもらおう」
【そうすれば、デルガに紹介しやすいという事か】
「そういう事だ」
 フォトンは目の前だった。
「導師デルガ、こち・らがプレイヤーのJです」
「J、こちらがビブラフォーンコンテストのブロデュー’サーの導師
デルガです」
 「どうも、初めまして導師」Jはデルガと握手をしながら、デルガ
の顔に見覚えがあった。どこだ。どこであったのか。
一方、デルガの方もJの顔に既視感があった。お互いに少しの問
隠つめあっている。
 「J、あなたとはかつてお会いしたことかありましたかな」導師は
。らねた。
「いえ、これが初めてだと思いますが」
「プロのプレイヤーの方がちょうど我々のゴルゴダシティにおられI
ろという事はとてもうれしい忠です」マリクが言った。      一
 マリクは、陰でほくそ笑んでいた。
 それじゃ、キーワードはハルフォードの稲妻の第2楽章としよう。
それが弾かれ始めたらおもしろい事がおこるぞ。
「マリク」
 考え込んでいるマリクにデルガが声をかけた。
 「ブレイヤー防りの方はどうだ」
 「かなり集まってきています」
 「それしゃ、ビブラフォーンコンテストの前人気をあおってくれ」
 「わかりました。導師」
 あいかわらず、マリクは笑っていた。
 「それから、マリク、JをT脊いい部屋にお泊めして、お世話をし
てくれ」
 「わかりましたI マリクは従順だ。
 「それでは。J、コンテストの日に又お会いしましょう。伺かあり
ましたら、このマリクに言いつけて下さい」
 「わかりました導師」Jは答えた。。
 二人の会見は終った。デルガはーはビブラフォーンの日に死んで
しまうに渥いないと思った。しかしあの顔はどこかで昆た事があzこ
 何の考えもなく、デルガは大数界の壁をUここくぞっ、わかった
「それじゃ、J。ビブラフォーンの演奏曲を指定していいでしざっ大して・
曲目は’ハルフォードの稲妻
をお願いします」デルガがII弓っ。
悪魔が生まれ出るという曲のはずです」マリクが反対した、
 「かまわない。悪曳どもが出現するだと、面白いではないか」
 「わかりました‐‐‐
 頭がくらくらとした。倒れそうになる。そばのモーターが助けお
こした。
 何という事だ。そうか。そうだったのか。
 デルガは冷汗を流し始めていた。そして罪の意識がおいてくる。
【仏の世界も終るかちしれん】デルガば独りごちた。
一一
一一
134 -

「何か、おっしゃいましたか」他の道化師が尋ねた。上   二I
「いや、何でもない。私を一人にしておいてくれ」
 デルガはコンテストの日まで個室にこもり続けた。
 一方、・マリクは、Jを個室に案内してから、7‐リソンを呼んだ。
 アリソンはマリクの命令を受けて、モーターの動きを統禦してい
る男に会いに行く。
「もうすぐ、こごは私、の世界に」マリクも独りごちた。。
 ビブラフォ’‐・ンコンテストの日がやっ・て.きた。大教界にあるフォ
トンのまわりにはひとだかりができていた。空は晴れ上っている。
 デルガ、デルガ、と大導師をたたえる声が段・々と大きくなってき
 「諸君、よく集まってくれた。ここ、大赦界の場所を借りて、私ゴ
 ルゴダシテ’ィ大導師デルガ訂ビブラフォーンコンテヌトの開催を宣
言する」・ ‘‘
 拍手がおこり、拍手の嵐となった。ビブラフォーンに対する期待
が極度に大きいのだ。
 「今年も、多くのビブラフォーンプレイヤーが・他の都市から参加し
てきてくれている。我々ゴルゴダシティの人間を楽しませてくれる
心めに、参加してくれた・のだ。感謝とねぎらいの拍手を彼らに与え
てぐれたまえ」
 拍手が一段と大きくなる。プレイヤー達が壁に虫ピンでとめられ
たようにとりついている。そんな壁が、舞台の下から迫りよってく
る。
 もちろん、Jもいた。その他の多くのプレイヤーは、デルガが命
令したプレイヤー狩りでつかまった人達なのだ。バイブレーターの
ハーン、ハートブレーカーのムスカ、クラッシャーのプラスの姿も
見えた。
 観客たちも、もちろんビブラフォーンのプレイヤー達全員が喜ん
で、プレイするとは恵ってはいないでブレイヤー狩りの事ら知って
いた。知っていなから、自分達がプレイヤーにならなかった安堵感
もあり、よけいにビブラフォーンが作りあげる感覚世界へo期待に
胸おどらせていた。
 最初のプレイヤーがビブラフォーンに体をあずける。
 そいつは「やめてくれI」と大きな声をあげたが、観客からは笑
い声しか返ってこなかった。おかげで、すぐに第1草もプレイしな
135 -
-
いうちに死んでしまい、観客からは非難の声があがっていた。
「そんな奴をプレィヤーにいれるな」
「水ましのプレィヤーをいれるな」
 感覚世界は、そのプレィヤーが弾きおわるまで持続するが、途中
で死亡すると、中途ハンパな感覚を観客にあたえ、後味が悪いのだ、
 コンテストは中盤をすぎ、すでに何人かのプレィヤーがビブラフ
ォーンの中に同化されていた。最期までひき続けた者はいない。
 次のプレィヤーが舞台の上に連れてこられた。ハーーンだった。
「いやだ、俺も死にたくない」
 ハーンは舞台の上で暴れている。ふと、Jがすわっているのに気
-X
・力
n ’ jjQ
S J.K
「おい、あんた、J。こいつらを匝めてくれ、あんたの力で新匪昨
にしてくれ、お頑いだ」
 ハーンは暴れまわるが、モーターにとりおさえられる。超能力は
効かない。そんな薬が与えられていた。「なぜ、答えてくれないん
だ」泣き声だった。
 「もし、止めることができないなら、あんた俺の意識を今度の新吠
界では、より高い地位の人物に刷り込んでくれ、頼んだぜ」
ハーンはJの方をにらんでいる。


―一
”V
わかったのか、神の左手よ」
 Jはわずかにうなずいた。意味かわからなかったが。
 ハーンは暴れるををやめた。モーター達に向かっていう。
「わかったよ、お前ら、俺がすばらしい曲をひいてやるよ。見てい
ろ。曲名は「ハルフォードの稲妻」だ」
めいた。
 ハーyは目を血ばしらせて、ビブラフォーンにむかう。四肢をそ
れぞれの部位にかけて顛を、ビブラフォーンの真中につっこんでい
る。
「よIし、一世一代の演奏だぜ」
 ビブラフォ、Iンの演奏が始まった。
 あたりに。籾が立ち込み始め、天候が急変してきた。
 数十分、ハーンは死力を尽していたが、やはり、彼もこときれか
ハーyの死体の四肢がビブラフォーンにあわせて踊っていた。
 天気は、ハーンが死ぬと同時に快晴に向かい、音だけがうつろr・
響いていた。
  ハーンが死んでほっと胸をなでおろした人間がいる、マリクだ。
Jに『ハルフォードの陥徘こをひいてららわaいと秘合が悪いのだで
 マリクはJの出番を心待ちにしていた。
 いよいよJの番だった。司会者はJをプロプレィヤ・Iと紹介すろ。
拍手がおこる。
 Jはビブラフォーンの前に立っていた。何かなつかしい拍と再会
できた。そんな気がした。
 四肢をビブラフォーンの四肢に同じ柿にかける。そして逼をビブ
ラフォーンの真中の穴につっこむ。
 感覚はビブラフォーyがにぎったのだ。
「J」どこからか声が、どこなのだ。
 ビブラフォーンが呼んでいた。女の声だった。
「払よ、J。やっと会えたわ」またビブラフォーンが言う。
ハーンのプレイする曲名が司会者から発表されると、政客がどよ ・ 「だれだJJは心の声で叫んでいた。
IS6 -
「記憶がもどっていないのね、いいわ、演奏すれば思い出すわ」  一
 Jの指は演奏し始めた。伝説の曲『ハルフォードの稲妻』を、J ‐‐
の左手は段々、熱をおびはじめた。                一
 指は常人を越えた恐るべき動きをした。ビブラフォーyもそれに 】
あわせて動いている。                       。‐‐
 先刻のハーンの演奏の時の味に、霧が出てきた。あたりが暗くな ‐‐‐
ってくる。
 天候が急変する。雨が降り始め、それが暴風雨となり、松妻が光 一
る。すでに第3楽章にはいっていた。もう30分も啖いているのだ。 一
 Jは体力を消耗するどころか、演奏するのにのっていた。叫奮状
態となっている。
 移動宮殿「フォトン」の内部では動揺がおこっていた、
 モータ・I達が反乱をおこしたのだ。きっかけは「ハルフォードの
稲妻」第2楽草だった。
 モーター達の胴体を包んでいたヂューブはひぴわれた。T努に廸
下部から彼らは舞台の方へかけあがっていく、首に埋められていろ
電極のコントロールは効かなくなっている。
フォトンは振動し始めていた。
「何だと」デルガは顔色を変えた。
「マリク、早く、叛乱をおさえるのだ」
 マリクは返事をしなかった。
「マリク、どうしたのだ」デルガが不思議な顔をした。
「そうか、お前だったのか」
 マリクは、デルガの顔を見てニヤリと笑う。
「残念ながら、そのようですな。さあデルガ、私にこのゴルゴダシ
アイの大導師の地位を換譲していただきたい。ここで宣言してドさ
い。さいわい、観客はJのビブラフォーンの演奏で気づいていない】
I SQltzったように苔った、
  「マリク、お前はまだ気づいていないのか」
  「何を」
】  マリクはデルガが笑っているのに驚いた。絶体絶命の場所にある
」 というのになせだ。
‐‐ 】。私に対して叛乱をおこすことなどなかったのだよ、マリクこアル
ー ガはすっきりした表情でいう。
 ̄ ̄,¬

どういう事か言ってくれI マリクは不思議に思った。
私がJに『ハルフォードの稲妻’・』を演奏してくれと面会した時か
、ここゴルゴダシティは雨え去る事は決定されたのだ」
コントロールルームはすでに叛乱のモーター達により藍壊されて 一 「デルガ、あなたはわかっていたのだな。JがJ、ボラード、緬の

φ
}○
Jのビブラフォーンの演奏を聞いているというより、すでに、J 】
とビブラフォーンによって作りあげられた感覚世界に酔っている観
客に何も気づいていない。
 バルコニーの所にいろデルガに、モーターの叛乱が池らされた。

手を持つ男だと」
「後で気付いたのだ。あの一
演奏できるわけではない。J
はだめなのだ。道化師マリク
● 1・
  ポ ノゝ
ルフォードの稲恵ごが普通の人間に
ラードの集早く動く神の手でなけわ
いや、ついでに削の世界の名前を言
ってやろう」デルガはにこやかな畏怖だ。
13マ
-

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