婚約パーティーの夜、ユジンは、その冬の初雪に微笑みがこぼれる。　そんな微笑の先に、同じように雪を眺める人がみえる・・・　　その男性を見て、時が止まってしまうユジン・・・「チュンサン？」　会いたくてたまらなかった人が目の前にいる。　通りの人ごみの中を慌てて追いかける。　死んだと知らされたあの時は、サンヒョクから止められて探しにいけなかった。　会いに行けなかった。　婚約パーティのことも忘れ、雪の中を探し続けるユジン。　あの日、あの大晦日の約束の日、言いたいことがあったのに・・・

十年の月日・・・ユジンは自分で描いたチュンサンの絵をことあるごとにながめていたのでしょう。　何度も何度も、チュンサンとの会話を思い出していたのでしょう。　傍らには、静かに見守るサンヒョク・・・サンヒョクに申し訳なく想い、ゆっくり、ゆっくり、自分の心の奥にチュンサンを沈めていったユジン・・・何かを試されるように「婚約パーティ」の夜に、チュンサンそっくりの人を見かける・・・かき乱されるユジンの心・・・　　　サンヒョクは、そんなユジンを十二分に理解している。だから、そっと見守り続けた。　二人には乗り越えようとするのに乗り越えられない壁があった。