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宮部みゆきの最新のミステリー。彼女の作だけにとても期待して読み始めました。確かに宮部ワールドでグイグイ引きつけられ、ページもどんどん進むのですが、何か物足りない感じが否めません。何が・・・といわれても答えられないのですが、何となくしっくり来ません。設定に無理があるのかなぁ。とにかく読み終わった後の感想は、消化不良、欲求不満です。もう少しページもめくるのももったいないような作品にはなりきれませんでした。主人公は、「模倣犯」で犯人を暴いたフリーライターの前畑滋子。その彼女の所へ、死んだ息子が描いた絵の謎を解いて欲しいと一人の女性が相談に訪れたことから話しは始まります。そこに15年前の殺人、拉致なとが絡んで少しずつ絡んだ糸がほどけ、人間関係が明らかになっていきます。「楽園」の意味は・・・、最後に明らかになります。確かに面白いのですが、読後感がすっきりしないというのが自分の正直な感想です。もっと劇的な展開を期待していただけに。発行所:文藝春秋価 格:上下とも1690円+税初 版:2007/8/10評 価:C
2008年01月30日
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1974年に出版された文庫本の新装本。自分は読んでいるようであまり読んでいない井上ひさしの著作。さすがに井上ひさし一気に読ませてくれました。あちこちにちりばめられたユーモアと反骨精神。久しぶりに井上ひさしにはまってみようかと思いました。舞台は、仙台の進学校。そこの落ちこぼれ、稔、ユッヘ、デコ、ジャリ、そして東京からの転校生が巻き起こす事件の数々。今の時代なら許されないようなこともおおらかに笑い飛ばす先生。良い時代でした。生徒にも先生にも。ただ、不満は、短いこと。文庫本240ページでは本当にあっと言う間に読み終わってしまいます。もう少し続きを読みたい。高校生達ともう少し付き合いたい、とつくづく思います。発行:文春文庫価格:543円+税初版:2008/01/10評価:B
2008年01月17日
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著者はマンガ「ブラックジャックによろしく」の北三郎医師のモデル。本人もそのことについて本書の中で述べているし、その監修にもあたっている。以前、NHKのプロジェクトX「奇跡の心臓手術に挑む」で紹介された医師、須磨久善の影響も受けているということも書かれている。「ブラックジャックによろしく」はまだ読んでいないが、「奇跡の心臓手術に挑む」は、気に入っているタイトルで、プロジェクトXの中で唯一購入したDVDでもある。それだけに何か二人の医師に共通点があるか・・。二人とも学閥を嫌い、医局を飛び出している、新しい手術法に挑んでいる、そしてそのやり方に賛否両論がある。特に、南淵明宏はテレビに出て、積極的に医学界の改革を述べている。本書でも、真のプロの医師の在り方、また患者の在り方について熱く語っている。特に愉快なのが、著者はブラックジャックに多大な影響を受けていることがうかがえることだ。深刻であるが気軽に読める一冊だ。ただ、自分には最終章の「患者からの手紙」は読むことができなかった。というか、読みづらくて読み進めなかった。発行:新潮社(新潮文庫)価格:476円+税初版:2007/05/01評価:C
2008年01月14日
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