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掲載されている12の短編は、少し切なく、そしていてどこかホッとする。家族の別れ、友との別れ、家族の中での心の通じ合い・・・。ひとりぼっちだけどひとりぼっちじゃない。別れと出会いが重松清らしく表現されています。特に良かったのは「サンマの煙」。転校する娘に自分の過去の姿を重ね合わせる母親。その中での切なさと育まれる友情。それが「サンマの煙」とどう結びつくかは、読んでのお楽しみ。自分も二度転校したことかあるだけに主人公の気持ちがよくわかります。人間っていいなあとつくづく思います。秋の空のようにすんだ気持ちにさせられます。発行:文藝春秋価格:1429円+税初版:2008/9/15評価:B少しだけ欠けた月
2009年03月29日
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まさに一気に読んでしまいました。今回は殺人事件が起きるわけでもなく、大きな事件が起きるわけではないのですが、このスピード感とわくわく感はさすが今野敏です。キャリアの竜崎伸也は、息子の不祥事により、大森警察署長に左遷。しかし、竜崎は使命感と責任感と唐変木でその職責を全うします。今回はアメリカ大統領来日の警備。しかも、はめられたのか警察署長としては異例の方面本部長に任命されました。さらにそこに女性問題も絡んで・・・。今回も原理原則を貫く竜崎は、「親友」の伊丹に助けられて見事その職責を・・・。おもしろかった。このシリーズはまだまだ読んでみたい。次にも期待。発行:新潮社価格:1500円+税初版:2009/3/20評価:A疑心
2009年03月27日
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ゴルゴ13は、ビックコミックに連載され、単行本、文庫本として出されている。さらに、別冊として年4回、単行本と同じ大きさで、さらに、増刊号として年4回、週刊誌版で出版されている。このうち、増刊号は別冊に掲載されたものを再掲されたいる。ビックコミックだと3回ぐらいに分かれて掲載されるので、まどろっこしいので、別冊で読むことにしている。これ以外にもコンビニでも廉価版のものが発売されている。今回読んだのは、別冊ビックコミック ゴルゴ13シリーズ No.163「鶏は血を流す」「パライバ・ブルー」「ダーティー・ウイング」このうち、「パライバ・ブルー」は、ブラジルの宝石をテーマにした作品。ストーリー的に良くできている。久しぶりに、どんな展開になるのか予想できずに、ドキドキし、先を期待させるないようだった。終わり方も意外な展開・・・。発行:小学館 別冊ビックコミック初版:2009/4/13価格:390円評価:B
2009年03月19日
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2003年に出版された単行本「一号線を北上せよ!」から、ベトナム紀行の三編と後に雑誌に掲載されたベトナムの紀行を合わせて再編集された一冊。沢木耕太郎の名作「深夜特急」につながる紀行といって良いでしょう。一号線とはベトナムの首都ホーチミンから北の都市、ハノイまで結ぶ国道。日本で言うとまさに東京と大阪を結ぶ国道。そこをバスで乗り継ぎながら、途中下車を繰り返し、降りた町を散策する、「深夜特急」と同じ旅をします。違うのは、泊まる宿は「深夜特急」のように安宿ではなく、わりとしっかりしたホテルに泊まっていると言うこと。しかし、コンセプトは変わらず、各街では地図もなく、歩き回り、気に入った食堂で食事をし、タクシーでは値切り・・と気ままな旅をします。本当に旅を楽しんでいる、というのが伝わってきて、「出かけたくなる」、そんな一冊です。沢木耕太郎の紀行は、次に何が起こるかわからない楽しさがあります。淡々として乾いた文章がまた良い。他にあまり紀行文が出ていないのが、ちょっと残念。もっと読みたい。発行:講談社文庫価格:514円+税初版:2006/5/15評価:A一号線を北上せよ(ヴェトナム街道編)
2009年03月14日
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この本を読むきっかけとなったのは、「明日への遺言」という映画を知ってから。実はこの映画もまだ見ていません。ネットで映画を調べていたら「明日への遺言」という映画のサイトにたどり着きました。ストーリーを読んでいたら、とても興味深く、さらに調べていったら、たどり着いたのがこの映画の原作「ながい旅」。この小説というかノンフィクションは、太平洋戦争中に空爆を行った米軍搭乗員の処刑を命令した容疑で戦犯となった岡田資陸軍中将のその足跡をたどるストーリー。岡田中将は、部下を守るため、その責任を一身に背負い、また米軍の無差別爆撃の責任をたった一人で立証した軍人。その毅然たる一貫した態度は、検事、裁判官までに好感をもたれ、減刑嘆願書を提出されたほど。しかし、最後は潔く絞首刑を望み、59才の生涯を閉じたのです。もちろん、軍人や戦争を美化するつもりは全くありません。ただ、その一貫とした態度がどのようなものだったか、その責任の取り方にとても興味を持ちました。映画も是非見てみたいと思います。小説的には、やや難しく取っつきにくいのは否めません。発行:角川文庫価格:590円+税初版:2007/12/25評価:Cながい旅
2009年03月11日
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本屋の平積みの文庫本に「上司にしたい男 No1デス 痛快探偵小説」の帯が着いていた。すぐ目に付き、しかも著者が時代小説家の山本周五郎。思わず手に取り購入してしまった。読んでみて、なかなか先に進まない。なぜかとても読みにくいのだ。ストーリー的には特におもしろくないわけではないのだが、とても文体が読みにくい。これ以上読んでも、時間の無駄になりそうだったので、結局半分ぐらい読んでやめてしまった。おもしろくない本を読み続けるのは、苦痛だし、お金が無駄になるが、時間の無駄には変えられない。久しぶりに買って後悔した本。発行:新潮文庫価格:552円+税初版:1981/8/25評価:D寝ぼけ署長改版
2009年03月03日
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ミステリーというより、社会派小説と言っていいかもしれません。ストーリーは、五輪開催妨害を企む東大生と警察との戦いで、警察と犯人の追いつ追われつという古典的なスタイル。伏線がどうのという複雑なストーリーではありません。ただ、ここでいう五輪とは東京オリンピック。世界にデビューすべく邁進する表の日本と、その裏で汗を流す労働者という対比を当時の時代背景の中で色濃くえがきだされています。東北の片田舎から出てきた東大生島崎は、飯場のなかで死んだ兄の生き様を知るために、飯場で働きます。そこで見たものは・・・。前半は飯場で働く島崎の様子を、後半は、一転して島崎と警察のテンポの速く展開します。いつか、犯人島崎に肩入れしていた自分が今した。最後は・・・。発行:角川書店価格:1800円+税初版:2008/11/30評価:Bオリンピックの身代金
2009年03月01日
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