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神経科医伊良部一郎シリーズ 短編集3作。変な患者と変な医師、その治療の方法も一風ではなく、かなり変わっている。それがなぜか解決の方法に向いていくのだから。ただ、根本の考えは間違っていないように思うが。いずれの作品も、佳作であるが、特に面白いのは「空中ブランコ」に収められている「義父のズラ」「町長選挙」に収められている「オーナー」あまりにおかしいので、人がいるところで読まないことを希望する。ただ、3作目の「町長選挙」の「オーナー」以外は、全2作に比べてパワーというか、ストーリーが今一つのように思う。いずれも、文春文庫評価:イン・ザ・プール B 空中ブランコ B 町長選挙 Cイン・ザ・プール (文春文庫) [ 奥田 英朗 ]空中ブランコ (文春文庫) [ 奥田 英朗 ]町長選挙 (文春文庫) [ 奥田 英朗 ]
2019年06月09日
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最近ミニマイブームの米原万里のエッセイ。すでに亡くなって10数年になりますが、友人に勧められて読み始め、はまってしまいました。著者は、ロシア語の同時通訳者ですが、通訳での裏話、ロシア人の素顔などを鋭い筆致と何気なく漂うユーモアを交えて暴いていきます。とても読みやすい文章です。本書では特に、ゴルバチョフやエリツィンの本性(?)が暴かれていきます。発行:講談社(講談社文庫)価格:530円+税初版:2001/2/15評価:Cロシアは今日も荒れ模様 講談社文庫 / 米原万里 ヨネハラマリ 【文庫】
2019年03月10日
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55歳過ぎでから新たな一歩を踏み出そうとしている人たちの物語です。しかし、この年ではそう簡単にうまくいくはずもない。傷つきながらも、ため息をつきながらも、必死にもがき苦しみながらも、生きている。そんな中でかすかな光を見いだす。人生、悪くないなぁと思う勇気をもらう再出発の1冊。5編の短編から構成されている。・夫と離婚し、結婚相談所に通う女性・ホームレスになった幼なじみとの再会・キャンピングカーでの旅行を妻に拒否された夫・ペットを亡くした女性・身寄りがない男の退職後の生き甲斐いずれもハッピーエンドではないが、前むきな考えをもらえる。発行:幻冬舎文庫初版:H26/4/10価格:600円+税評価:B55歳からのハローライフ/村上龍
2018年09月02日
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先日、星野道夫没後20年写真展を見に行ってきた。その雄大な写真のスケールに圧倒されてきた。今まで観た写真でこれほど迫ってくる写真はあるだろうかという迫力だった。 そのため、彼のエッセイにも興味が湧き、今回読んだ次第だ。 期待に違わず、文章からは自然、アラスカへの愛が満ちあふれていた。読んでいると、写真展で観た写真が目の前に浮かんでくる。 以前に、植村直己の作品をよく読んでいたが、それとはまた違う視点から、自然の雄大さを伝えてくれる。発行:文春文庫価格:480円+税初版:1999/3/10評価:B旅をする木/星野道夫【1000円以上送料無料】
2018年08月26日
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J-WAVE土曜日22時から放送されている「BOOK-BAR」2008年から始まり、これまで1000冊以上の本が紹介されてきました。放送では、杏さんと大倉眞一郎が会話をしながら、本を紹介していきます。書評と言うより、本に関する雑談といった内容で、関心のない分野でも放送を聞いていると本を読みたくなるから不思議です。その1000冊から選り抜かれた本50冊を紹介してます。本好きにとっては目の毒かもしれません。発行:新潮社初版:2018/2/25価格:1500円+税評価:A◆◆BOOK BAR お好みの本、あります。 / 杏/著 大倉眞一郎/著 / 新潮社
2018年08月17日
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アウシュビッツ強制収容所に3年あまり収容され、そこから無事生きて妹とともに生還した女性の奇跡の物語。フリーのライターが本人からの話を聞き取り、それを本書にしたためた。日記体で書かれた本書は読んでいて一緒に体験しているような気分になり、読んでいて重苦しくなる。しかし、そんな中でもレナは、前向きさ、勇気、そして何より思いやりを忘れずに生きていく姿が物語から暗さを軽減させてくれるため、読み進めることができた。それがなければ、決して最後までは読めなかっただろう。発行:清流出版 →現在 中公文庫初版:1996/12/11価格:1700円評価:B【中古】レナの約束 /清流出版/レナ・K.ゲリッセン (単行本)
2018年06月09日
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14年ぶりの著者の新刊ということで期待していたのだが。はっきり言って、今ひとつストーリーがはっきりせず、何がどうなったのかがわからなかった。文体的にも、これまでのようなハードハードボイルド感に欠け、会話文が多いためか冗舌な感じが否めなかった。発行:早川書房価格:1800円+税初版:2018/3/25評価:D【楽天ブックスならいつでも送料無料】それまでの明日 [ 原 りょう ]
2018年03月31日
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海外の本は滅多に読まないのだが、タイトルと紹介文、そして神楽坂モノガタリで紹介されていたので、迷わずに購入した。裏切られなかった。逆に期待以上だった。著者はポーランド兵で、第二次世界大戦中、無実のスパイ罪で25年の強制労働でシベリアに送られる。著者は仲間6人と協力者を得て、収容所から脱出する。シベリア、モンゴル、ゴビ砂漠、ヒマラヤ山脈と6500キロの逃避行の末、インドに逃れるまでの壮絶なノンフィクションだ。たとえば太平洋ひとりぼっちや植村直己の冒険のむ記録などもわくわくさせてむとてもおもしろい。ただ、厳しい言い方をすれば、いずれも自分から望んで冒険にむとびこんだもの。しかし、本書は絶望的な状態からのがれるためにいかしかたなくいどんだものだ。装備も準備も十分でない中の旅は、想像を絶するもの。よくも今から80年前にこんな旅ができたものだと思う。満州からの脱出記で、藤原ていの「流れる星は生きている」があるが、それの男性版ともいったほうがいいだろうか。生きる執念はこれほどまでに人間を強くするものかと思う。発行:ヴィレッジブックス価格:840円+税初版:2007/11/20評価:A【メール便送料無料、通常24時間以内発送、午後4時までは当日発送】【中古】 脱出記 シベリアからインドまで歩いた男たち / スラヴォミール ラウイッツ / ヴィレッジブックス [文庫]【メール便送料無料】【あす楽対応】
2018年01月08日
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織田信長の弟にして茶人の織田有楽斎を中心にした短編小説集。6編収められているが、うち3編が有楽斎、あとは島井宗室、小早川秀秋、松平忠直が主人公。織田有楽斎は兄とは違い、武術は全くだめで、とに書く生き延びることしか考えていない。戦国時代の小説というと武術や戦略、を駆使して戦い抜いた武将が主人公のことが多いが、それとは全く対極にある織田有楽斎、それはそれでとても人間的で魅力的だ。本書はエピソードのみであるが、織田有楽斎の通史を読んでみたくなった。発行:講談社価格:1600円+税初版:2017/8/23評価:B【楽天ブックスならいつでも送料無料】有楽斎の戦 [ 天野 純希 ]
2017年10月22日
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主人公、ノブとハム子はクラスでは珍しい一人っ子同士。密かにふたりは同盟を結ぶ。しかし、ノブには亡くなった兄がいて、ハム子も親の再婚で弟ができた。さらなに、訳ありの年下の転校生も巻き込んで・・。重松清の作品は同世代ということもあり、共感することが多いのだが、今回は素直に胸にストンと落ちなかった。たぶん、素直でない登場人物にもどかしいからか。重松清もそう書いているが、やはり共感できなかった。子供はもう少し素直で直情的だと思う。発行:新潮社(新潮文庫)価格:710円+税初版:H29/7/1評価:C【楽天ブックスならいつでも送料無料】一人っ子同盟 (新潮文庫) [ 重松 清 ]
2017年09月03日
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ストリー的には面白く、一気に読んでしまったのだが、あまりにもうまくいき過ぎて、逆に興ざめしてしまった。就職して研修のつらさで三か月でやめてしまった主人公が、フリーターから一発奮起して就職し、その会社でいろいろなアイデアを出しながら活躍していく。それだけ活躍するなら、初めから頑張れよ。前半と後半では全然人が違うじゃないか。と突っ込んでしまった。発行:幻冬舎(幻冬舎文庫)価格:648+税初版:H24.8.25評価:C【楽天ブックスならいつでも送料無料】フリーター家を買う。 (幻冬舎文庫) [ 有川浩 ]
2017年08月31日
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池波正太郎氏のち密な構成には感心させらた一冊。まず、現在の地図と江戸時代の古地図を対比させているが、関東大震災、東京大空襲で変わっていると思いきや、結構当時の路地やお寺が残っているのがわかる。そして、池波正太郎の三大シリーズ、剣客商売、鬼平犯科帳、藤枝梅安で登場するところを古地図で追うのだが、地図と小説の記述がぴたりと合うのだ。つまり、池波正太郎は適当に書いているのではなく、地図で調べて書いているということがわかる。なので、あれだけリアリティーがあるのだろう。満足できる一冊発行:誠文堂新光社価格:1500円+税初版:2016/3/20評価:B【日時指定不可】【銀行振込不可】【2500円以上購入で送料無料】【新品】【本】池波正太郎を“江戸地図”で歩く 壬生篤/著
2017年08月30日
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道警シリーズ第七弾。特に変わった趣向もなく、オーソドックスなミステリーですが、さすがに佐々木譲、ツボは抑えています。工具の万引き、硝安の窃盗、消えた雷管、その3つの事件がつながったとき、大きな事件が浮かび上がってきます。安心して読めます。発行:角川春樹事務所価格:1600円+税初版:2017/7/18評価:C【楽天ブックスならいつでも送料無料】真夏の雷管 道警・大通警察署 [ 佐々木譲 ]
2017年08月26日
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ドヤ街の山谷地区にある職業安定所の所長が、身元不明のホームレスの親族を探す。その意外な過去と身元、そして犯人は。と、帯には社会派ミステリーと記され、装幀もなかなかよく、期待しながら読んだのだが・・・。展開がうまくいきすぎるのと、犯人捜しにはむりがあるだろうというのが、正直なところ。全く印象に残らないミステリーでした。誤植で見捨てりーとなってしまった。発行:角川春樹事務所価格:1600円+税初版:2017/6/9評価:D【楽天ブックスならいつでも送料無料】最果ての街 [ 西村健 ]
2017年08月25日
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地名の名付けの歴史的変遷とその意味を解き明かしていく。日本書紀、古事記などの神話の時代からの地名、そこから広がって日本語の歴史、さらには縄文、弥生時代までさかのぼっていく。単に地名の成り立ちだけかなと思っていたのだが、それに秘められた日本語の奥深さには感服した。奈良時代から平安時代にかけて、古代からの日本語を漢字やひらがなを用いて、書き表せるようにした当時の諸先輩方に感謝しなければと思った次第。先輩たちの努力がなければこうして本を読めなかったことでしょう。発行:新潮社(新潮選書)初版:2017/7/25価格:1300円+税評価:C【楽天ブックスならいつでも送料無料】地名の謎を解く 隠された「日本の古層」 (新潮選書) [ 伊東 ひとみ ]
2017年08月23日
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ユダヤ人を救出した日本人としては、杉原千畝が有名だが、少なからずも他にもユダヤ人を救出した日本人がいた。また、そんなドイツでも奇跡的にあるいは支援を受けて生き延びたユダヤ人も少なからずいた。著者はそんな日本人を調査するとともに、その調査の途中で出会ったユダヤ人にインタビューして、なぜ生き延びることができたのか、その喜びとともに苦しみを問いかける。今までのホロコーストに関する本とは違う角度から切り取った一冊発行:晶文社価格:1900円+税初版:2017/1/30評価:B【楽天ブックスならいつでも送料無料】いのちの証言 ナチスの時代を生き延びたユダヤ人と日本人 [ 六草いちか ]
2017年08月21日
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明治初期、女性の社会進出に対して、眉をひそめる人が多い時代、当時の女性が学べる最高学府(帝国大学には女性は入学できませんでした) 高等師範学校での主人公活躍を描く小説。ということで、がんがんがんばる主人公を期待して読み始めたのですが、期待外れでした。残念な方に。ある事件の顛末やそれに関するエピソード的な内容に終始し、時代を切り開く女性を描くことはあまりみられませんでした。発行:文藝春秋価格:1400円+税初版:2017/7/5評価:D【楽天ブックスならいつでも送料無料】明治乙女物語 [ 滝沢 志郎 ]
2017年08月20日
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18年つとめ、店長まで務めた書店が閉店されるのを機に書店経営を始めた著者のドキュメンタリー。どんな店でもそうだと思うが、開店するまでも並々ならぬ苦労がある上、開店してからもその苦労はつづく。物件探し、店舗デザイン、店のコンセプトと緻密な計画のもと、そして本好きの熱い気持ちが行間からにじみ出てくる。こんな店なら、是非いってみたい。ビジネス書としても読めるし、本屋の裏側を知るにも最適。本好きには是非薦めたい。友達にこの店を紹介されたら、先を越されてしまった。発行:苦楽堂価格:1600円+税初版:2017/1/20評価:B【楽天ブックスならいつでも送料無料】本屋、はじめました 新刊書店Title開業の記録 [ 辻山良雄 ]
2017年08月19日
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不倫に走った夫、そして夫に家を売られ住処も失った主人公は、娘、姪、そして誠実な弁護士に支えられながら、不倫相手を裁判に訴えます。はじめは消極的だった主人公も、前述の人たちに励まされながら、そして夫の心ない一言から戦う姿勢に変わっていきます。夫や不倫相手の身勝手さには腹がたちますが、女性が読んだらどのように感じるのでしょうか。興味あるところです。発行:光文社(光文社文庫)価格:780円+税初版:2016/11/20評価:C光文社文庫 ふ23-3ホイッスル/藤岡陽子【2500円以上送料無料】
2017年08月18日
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主人公は訳あって両親から離れて、修行にいそしむ活花の名手の少年僧。母との出会いや別れ、父との確執、そんな中活花を通して少年は成長していきます。いろいろと事件は起きるのですが、活花が登場してくるとすべてがとても柔らかく、そして優しく感じてしまうから不思議です。とてもすがすがしく、気持ちよい小説に仕上がっています。読後感はとてもよく、余韻に浸りたくなる小説です。発行:文藝春秋社価格:1700円+税初版:2017/7/15評価:B【楽天ブックスならいつでも送料無料】嵯峨野花譜 [ 葉室 麟 ]
2017年08月17日
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短編ミステリー9編。帯には寝る前に一編とあるが、寝る前に読んだら寝付きが悪いだろうなぁ、と思う作品も。おもしろい作品もあるのだが、平均すると今ひとつかな。自分としては、うーんお薦めしないかな。発行:光文社価格:1300円+税初版:2017/4/5評価:D【楽天ブックスならいつでも送料無料】素敵な日本人 東野圭吾短編集 [ 東野圭吾 ]
2017年06月25日
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池井戸潤の新作と帯にはかかれているが、実は十年ほど前に雑誌に連載されていたものを今回、単行本化せずいきなり文庫本としただけ。内容的にはエンターテイメント性満載で楽しく読むことがでできた。登場人物のキャラがはっきりしていること、敵味方がわかりやすいこと、失敗からの逆襲と。厚い文庫本だがあっと言う間に読むことができ、読後感も良かった。しかし、何が残ったかというとと特に残らなかった、というのが正直な感想。考えさせるまでは行かなかった。重い本を読んだ後の口直しには最適。発行:徳間書店(徳間文庫)価格:1000円+税 文庫本で1000円とは!初版:2017/5/31評価:C【楽天ブックスならいつでも送料無料】アキラとあきら (徳間文庫) [ 池井戸潤 ]
2017年06月20日
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井原西鶴の姿を、彼の盲目の娘、おあいの視点から描いていく。はじめは井原西鶴を迷惑な父だと思っていたおあい、父の創作の姿を通して少しずつ見方が変わっていく。父娘の関係を描いていく小説だが、確かに読みやすく、すらすらと入っていくのだが、だから何?という感じで、帯にある「感動」とはほど遠かった。女性が読むとまた違う感想があるのかもしれないが、特に残らなかった。発行:講談社(講談社文庫)価格:700円+税初版:2016/11/15評価:D【楽天ブックスならいつでも送料無料】阿蘭陀西鶴 (講談社文庫) [ 朝井 まかて ]
2017年06月10日
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以前から気になっていたのだが、タイトルからして少し避けていた。今回、文庫化されたので購入した。いい意味で、タイトルと帯の文に裏切られた。文体的にも読みやすく、しかも文全体が明るい感じで、すらすらと読み進めていくことができた。最後、号泣とは行かなかったが、じんわりときた。病で死が間近に迫った少女とそれを知ってしまった少年の交流と言ってしまえばそれまでだが、そんな中での二人の成長が眩しい。読んで損はない一冊。発行:双葉社(双葉文庫)価格:667+税初版:2017/4/30評価:B【楽天ブックスならいつでも送料無料】君の膵臓をたべたい [ 住野よる ]
2017年05月27日
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廃部の危機にある弱小水泳部がその存続のためにある大会のリレーに挑戦する。メンバーも留学生ややる気があるのかないのかわからない下級生。全く非協力的な顧問。さらに制約される練習場等難問ばかり降りかかる。そこに力はあるが現代的な問題を抱えた部員が入部し・・・。いくつかのテーマを交錯させながら、挫折と成長を繰り返していく青春小説である。ストーリー的にはおもしろく、読み進めていくことができたが、読後感はというと、あまり残らないというのが正直なところ。上滑りしてしまい、深みにかけているかな。発行:ポプラ社(ポプラ文庫)価格:660円+税初版:2013/4/5評価:C【楽天ブックスならいつでも送料無料】快晴フライング [ 古内一絵 ]
2017年04月15日
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帯に誘われ、購入したが外れだった。途中で読むのをやめた単行本と併せて二冊続けでババを引いてしまった。オリンピックを狙っていた沙良は交通事故で左足を失ってしまう。しかも加害者は、幼なじみ。ところがその幼なじみが死んでしまう・・・。と、とてもおもしろそうで読み進めていったのたが、全体として平板な文体で、説明が多く深みにかけてものたりない。しかも、犯人捜しの手がかりも含め、展開がどうも不自然。結末に向けて、むりやりつじつま合わせしている。帯には、感動の声ぞくぞくとあるが、全く感動しないどころか、ガッカリ感でいっぱい。発行:双葉社価格:1600円+税初版:2017/1/22評価:E【期間限定:ポイント10倍】中山 七里 翼がなくても 【中古】afb
2017年03月31日
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筑摩書房のPR紙「ちくま」に連載されたもので、本を作るのに必要な現場をレポートしている。・活字・製本・活版印刷・校閲・印刷用紙・装幀・海外の本・子どもの本それぞれの分野のプロを紹介する。一冊の本を作るのにこれだけの人たちが、支えているのかと思うと、一冊の本もとてもいとおしく思える。発行:筑摩書房価格:2017/1/25価格:1600円+税評価:C【楽天ブックスならいつでも送料無料】「本をつくる」という仕事 [ 稲泉 連 ]
2017年02月19日
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松任谷正隆のインタビューを編集した一冊。ユーミンはもちろん、吉田拓郎、山下達郎、松田聖子、ゆずとその時代の音楽のメインストリームにつねにかかわってきた松任谷が、当時のエピソードを交えて、自分の仕事を語り尽くしている。特に興味深かったのは、ユーミンのプロデュースは51%のメリット、49%のデメリットだとか。知っているミュージシャンがあちらこちらにでできて、交友の広さにも関心させられるが、それだけに楽しく、肩もこらずに読むことができた。発行:新潮社価格:1400円+税初版:2016/10/30評価:C【楽天ブックスならいつでも送料無料】僕の音楽キャリア全部話します [ 松任谷 正隆 ]
2017年02月05日
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以前から関心があった本だが、価格が高かヵつたのと、海外の本なのですんなり日本語訳が入るか不安があり、購入するのをためらっていた。先日、図書館でたまたま見つけて早速借りてきた。第二次世界大戦中、ドイツ、ナチス政権下ではナチスに不都合な書籍の焚書が行われた。その数は一億冊とも言われている。アメリカでは、これを「書物大虐殺」とし、これに対抗するように海外に派遣されている兵に向けて、大量の本が送られた。後期には、兵を対象にした兵隊文庫が出版されるにいたり、海外に派遣されている兵の心を癒したのだ。軍同士の戦いを縦の戦い、思想の戦いを横の戦いと位置づけ、自由を守るために出版界、図書館も戦ったのだ。一方イギリスでは、本が海外に送られることはなく、日本でも微々たるものだったらしい。送られた本の中には日本の歴史の本もあったとか。アメリカは戦時下でも偏狭なナショナリズムに偏ることなく、出版されていたことには驚かせられる。発行:東京創元社価格:2500円+税初版:2016/5/31評価:C【楽天ブックスならいつでも送料無料】戦地の図書館 [ モリー・グプティル・マニング ]
2017年02月04日
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著者は電子ブックが普及しても紙媒体の本はなくならないだろうという。なぜなら、粘土板から始まった文字の歴史は、5000年以上あるのでそんなに簡単になくならない、今後は、2本に分かれていくのだろうと。記録に残っている日本の読書の歴史は、学問的読み方は菅原道真に、一人読みは更級日記の作者、菅原孝標女に始まるという。ちなみに菅原孝標女は道真の5代後だ。それからの日本人の読書の歴史を語っていく。劇的に変わったのが印刷が始まった江戸時代、そして20世紀に入った明治末期とのこと。菅原道真から始まる読書の歴史がとても興味深く、本好きには必読の一冊。発行:岩波書店(岩波新書)初版:2016/10/20価格:860円+税評価:C【楽天ブックスならいつでも送料無料】読書と日本人 [ 津野海太郎 ]
2017年01月28日
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悩みに答えるに当たり、本をひきあいにだして答えるという、人生相談形式のブックガイド。例に挙げる本がこちらが想像だにしない本なので、とても新鮮だ。たとえば「経済学は役立つか?」に対しては、「桃太郎」や「金太郎」を引き合いに出したり、「他人と比較してしまう自分」には「白雪姫」を「愛がわかりません」に対しては「セロ弾きのゴーシュ」を出すなど、思わず笑ってしまう。それでいて納得してしまうから不思議だ。コーヒーブレイクに読むのには最適。発行:岩波書店(岩波新書)価格:780円+税初版:2016/12/20評価:B【楽天ブックスならいつでも送料無料】悩みいろいろ [ 金子勝 ]
2017年01月23日
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自分の最近の関心分野としてサルからヒトへの進化がある。本書はまさにその期待に応えてくれた一冊。サルの起源からオランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ネアンデルタールの誕生。そして、ヒトへはどのような進化し、そして現代人、日本人はどのように生まれたのか。猿が誕生してから一億年の歴史を追っていく。ただ、後半は日本人が誕生するまでの歴史を追うが、それよりももう少しヒトの進化を詳しく追ってほしかった。そのあたりはやや消化不良発行:中央公論新社(中公新書)価格:920円+税初版:2016/8/25評価:D【楽天ブックスならいつでも送料無料】ヒト [ 島泰三 ]
2017年01月21日
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新書の歴史書には珍しくよく売れているらしい。ある歴史が言っていたが、日本の歴史は応仁の乱以降を知っていればよいと。日本の歴史では大きな転換点となった応仁の乱、読者も何となくそれを感じて関心を呼んだのだろう。応仁の乱と言えば将軍家の跡継ぎ争いに、山名と細川が首を突っ込み、そこに斯波、畠山の家督争いが絡んだ・・というのが教科書の図式だが、実際にそう単純ではないようだ。歴史の転換点と先に書いたが、価値観の変化もあったらしい。かなり複雑で読み説くには難しいが、じっくりと読みたい一冊。発行:中央公論新社(中公新書)価格:900円+税初版:2016/10/25評価:C【楽天ブックスならいつでも送料無料】応仁の乱 [ 呉座勇一 ]
2017年01月12日
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大沢ワールド爆発の一冊。主人公はタクシー運転手であるが、もとアフリカで傭兵をしていたという経験の持ち主。この設定で何となく今後の展開が読めてきそうだが、その通り。ある日タクシーに携帯電話の忘れ物があった。その携帯を巡って、やくざ、アフリカ某国の外交官、元戦士などが入り乱れる。ストーリー的にはそれほどではないが、疾走感、バイオレンスは読み応えあり。読み終えるまで夜更かししてしまった。ただ、このミステリーはすごいにはランクインしないだろうなぁ。発行:双葉社価格:1600+税初版:2016/12/18評価:C【楽天ブックスならいつでも送料無料】夜明けまで眠らない [ 大沢在昌 ]
2017年01月10日
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昨年、著者の「神の棘」を読んだが、とてもスケールが大きい小説だった。本書も第二次世界大戦のヨーロッパを舞台にしている。主人公の外交官 棚倉慎は父がロシア人の混血の日本人であり、小さいときに日本に避難してきたポーランド人の子どもたちと交流した経験をもつ。そんな棚倉はドイツ占領前夜のポーランドに赴任する。圧迫されるポーランド人を目の前にして、外交官として、日本人として、そしてポーランド人の友人として何ができるか。そして、棚倉の決断は・・・。ドイツのユダヤ人やポーランドに対する仕打ちには目を背けたくなる。著者のストーリー展開には「神の棘」同様圧倒される。「桜の国」とは言わずもがな「日本」のこと。「また、桜の国で」の意味することはなんとなく予想できるが、だれといつあうのか、そして会えるのか・・・。思い内容だが、最後までめを離せなかった。発行:祥伝社価格:1850円+税初版:H28/10/20評価:C【楽天ブックスならいつでも送料無料】また、桜の国で [ 須賀しのぶ ]
2017年01月07日
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スターウォーズのスピンオフだし、いつものメンバーがでるわけでもなし、それほど期待していなかった。弟家族が観に行って良かったというので、息子と観に行ってきた。結果、「良かった!」1時間30分の長丁場だったが、あっと言う間だった。ただ、最近のスターウォーズ1~3同様に、映画のストーリーにのるまで少し時間がかかった。乗ってしまえばこちらのもので、わくわくドキドキ。そして胸が熱くなった。ところどころ笑いがあり、そしてエピソード4につながる「おーっ」というところがあり、十分楽しませてくれた。新聞の映画評でも書かれていたが、次ぎにエピソード4を観るときには、正座をしてみなければ・・・。
2017年01月05日
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佐々木譲の久々ミステリー、さすがに裏切らない。ただ、本書は今までとは違い、逮捕された女性が犯人なのかどうか、検察と弁護士の法廷での対決が大半を占める。被告の女性は法廷で突然黙秘する、そしてあることをきっかけに・・・。これ以上はミステリーなのでかけないが、それほど大きな動きはないのに一気に読ませられた。最後、涙してしまった。裏切らない一冊。発行:新潮社価格:2100円+税初版:2016/11/20評価:B 沈黙法廷/佐々木譲【2500円以上送料無料】
2017年01月02日
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廣田弘毅は平時だったら、有能な外交官、あるいは政治家だったろうと思う。あの時代に首相や外相をやったばかりに、時代や軍に抗しきれず、結果的に消極的に開戦に手を貸してしまった。本人の無念さは幾ばくなものだろうか。東京裁判では一切の弁明をせず、死刑台の露と消えてしまった。最後、事実だけでも語ってほしかったなぁ。発行:新潮社(新潮文庫)初版:S61/11/25価格:710円+税評価:B【楽天ブックスならいつでも送料無料】落日燃ゆ改版 [ 城山三郎 ]
2016年11月14日
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作者は現役の医者。帯にはミステリーとあるが、殺人や犯人捜しのミステリーではなく、なぜそうなったか、あそこで出会った人はだれかなど、軽いミステリーの短編集。といっても、主人公は在宅医療専門のクリニック勤務で、常に死に向かい合っており、テーマ自体は重く、いろいろ考えさせられた。ただ、主人公が大学病院からこのクリニックに異動になった理由は予想通りだった。ぜひ、シリーズ化してほしい。発行:幻冬舎価格:1600円+税初版:2016/9/10評価:B【楽天ブックスならいつでも送料無料】サイレント・ブレス [ 南杏子 ]
2016年09月25日
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地震、津波、噴火、土砂崩れ。古文署から過去の災害をひもとき、先人の知恵を生かしいこうというのが本書の主旨。幸い日記好き、記録好きの日本人らしく、かなり昔から記録が残っており、特に戦国時代からの記録は豊富なようだ。著者がその古文署を探し当てていることに感心するが、それよりもその記録の正確さだ。たとえば、室町時代に到達したとされる遠地地震の津波(たとえばチリ地震の津波)の記録か複数の地点で記録が残っているのだ。これだけの記録が残っているのだから、その知恵を生かさない手はない。実際、東日本大震災ではその知恵を生かしたところでは、被害が少なかったところもあった。ドイツの鉄血宰相ビスマルクの言葉「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」発行:中央公論新社(中公新書)価格:760円+税初版:2014/11/25評価:B【楽天ブックスならいつでも送料無料】天災から日本史を読みなおす [ 磯田道史 ]
2016年09月09日
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人生は家族で決まるといっても過言ではない。家庭争議や非行も行き着く原因は肉親であるという事例を多く紹介されている。しかも、それは連鎖を続けている。の連鎖のリンクをいかにして断ち切るか。まだまだ勉強不足・・・。発行:新潮社(新潮新書)価格:720円+税初版:2016/7/20評価:X-B【楽天ブックスならいつでも送料無料】家裁調査官は見た [ 村尾泰弘 ]
2016年09月09日
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久しぶりにしみじみとした穏やかな小説を読んだ。特に大きな出来事が起こるわけではない。小説では現在と過去の回想が交互に出てくるので、読みにくいと思う人もいるかもしれないが、それがこの小説のミソ。主人公、水樹は45才独身。好きな仕事をやっているが、会社がその仕事から撤退するという・・・。そこへ恩師が入院したという知らせが入る。地元に戻ると懐かしい思い出がよみがえる。その思い出と懐かしい人との再会の中から、新たな一歩を踏み出す。しみじみとした中で最後は胸がいっぱいになった。穏やかな読後韓がよい。発行:新潮社(新潮文庫)価格:630円+税初版:H28/9/1評価:B【楽天ブックスならいつでも送料無料】手のひらの音符 [ 藤岡 陽子 ]
2016年09月06日
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下町ロケット、空飛ぶタイヤ、陸王 などに比べるとちょっと経路が違う作品。中小企業社長が大企業の横暴に立ち向かうのではなく、一若手社員が社の方針と自分の良心の板ばさみにあい、もがき苦しむ。企業小説であると同時に主人公成長物語でもある。最後の大逆転には多少無理があるような気もするが、文庫本で650ページの大作にも関わらず、一気読みしてしまった。発行:講談社(講談社文庫)価格:870円+税初版:2011/11/15評価:B【楽天ブックスならいつでも送料無料】鉄の骨 [ 池井戸潤 ]
2016年09月03日
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両親の離婚にともない主人公潤は東京から母親の実家である田舎の集落につれられてきた。そんな潤もある事故が元で深い傷を負っていた。その集落は伝統的行事 花祭りが行われていたが、潤は参加を拒否する。同級生が三人しかいない中学校、のんびり進む授業、何もかもが東京とは違い、最初は戸惑っていた潤であった。そんな中、少しずつ周りが見えるようになり傷ついているのは自分だけないことがわかり・・・。心の再生の物語はたくさんあるが、思春期の心の動き、伝統行事の花祭り、そして友人や大人などが微妙に関わり合い、これまでの物語とは趣を異にする。物語の中で花祭りの舞、神楽の存在感に圧倒されてしまう。最後は感涙。発行:講談社価格:1500円+税初版:2016/5/17評価:B【楽天ブックスならいつでも送料無料】花舞う里 [ 古内一絵 ]
2016年08月30日
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最近何冊か読んでとても興奮させられ、新刊が出たのでためらわずに購入した。老舗足袋業者の「こはぜ屋」は業界全体の先細りを見越して、新たな事業展開を模索する。それは足袋を基本としたランニングシューズ。しかし、そこには大きな困難が待ち受けていた。大企業や銀行の横暴、裏切り、資金難etcとどこかであっような・・・。そう、読んでいて「下町ロケット」のコンテンツをバラバラにして、組み直したような内容だった。ストーリーはそれなりにおもしろかったが、ワクワク感に欠けた。発行:集英社価格:1700円+税初版:2016/7/10評価:C陸王 [ 池井戸潤 ]
2016年08月22日
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竜崎伸也シリーズ第6弾(スピンオフを含めると8冊目)相変わらずの原理原則論者ぶりは相変わらずで、全くぶれない仕事ぶりが魅力の竜崎伸也。署長を務める大森署館内でストーカー殺人が発生する。事件は程なく解決するが、その対応を巡り上司と対立し、その結果特別監察の対象とされてしまう。追い込まれる竜崎・・・。このシリーズは事件の謎解きを楽しむというより、竜崎がどう対応するかがおもしろさであるが、本書もその魅力が十分発揮されている。そろそろ署長以外の場所での活躍を見たいところだが・・・。発行:新潮社価格:1600円+税初版:2016/7/30評価:B【楽天ブックスならいつでも送料無料】去就 [ 今野 敏 ]
2016年08月17日
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宮部みゆきの最新ミステリー「誰か」「名もなき毒」「ペテロの葬列」に続く杉村三郎シリーズ。宮部みゆきのミステリーは裏切らない。私立探偵事務所を開業した杉村三郎が四つの難事件に挑んでいく。仕事も家族も失い孤独になったかと思いきや、周りの人たちに助けられたり、情報を得たりしながら事件を解決していく。殺人場面など派手な場面はないが、地道な人と人との関わりの中から、結論を導いていくだけあり、安心して読み進んでいくことができる宮部節を堪能できる一冊発行:小学館価格:1750円+税初版:2016/6/25評価:B【送料無料】 希望荘 / 宮部みゆき ミヤベミユキ 【単行本】
2016年07月18日
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「さくら坂」といっても、福山雅治ともいわゆる「坂」とも関係ない。「さくら坂」は主人公を支える看護師さんの名字だ。主人公、上原美結は放送部に所属する女子高生。けがをきっかけにある病気が発見される。高校生としては重大な決断を迫られるが、その前後の本人の心の動き、それを支える家族、看護師、そして同じような病気の年配のおじさんとの関わりを丁寧に描いていく。もちろん、病気はせつないが、それをきっかけに彼女も大きく成長する。児童文学ではあるが、十分楽しむことができた。書店で偶然手に取り思わず購入した一冊。直感は間違いなかった、発行:小峰書店価格:1400円+税初版:2016/6/27評価:C【楽天ブックスならいつでも送料無料】さくら坂 [ 千葉朋代 ]
2016年07月02日
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池波正太郎の三大シリーズ「鬼平」「剣客商売」「藤枝梅安」の舞台を江戸地図と現代の地図を照らし合わせながら読み説いていく。何より驚いたのが、江戸時代の地図が正確なことと、現代の道路のかなりの量が江戸時代から使われていたことだ。江戸時代の道路を歩いてみるのもおもしろいかも。また、三大シリーズを読みながら地図と照らし合わせていくのも一考。発行:誠文堂新光社初版:2016/3/20価格:1500円+税評価:B【楽天ブックスならいつでも送料無料】池波正太郎を“江戸地図”で歩く [ 壬生篤 ]
2016年06月30日
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著者は、井上靖の長女。著者が井上靖との思い出をその居住地での思い出を含めて記している。作家としては当たり前かもしれないが、井上靖もその例に漏れず、家庭的ではなく、かなりワンマンだったようだ。だからといって井上靖の魅力が薄れることはなく、その作品の裏側もわかり、井上ファンにとって興味深い一冊。発行:ユーフォーブックス初版:2016/5/25価格:1500円+税評価:C【楽天ブックスならいつでも送料無料】父井上靖と私 [ 浦城いくよ ]
2016年06月18日
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