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2007.01.10
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カテゴリ: 俺系の音楽
12月29日
この日は午後2時頃迄爆睡しました。起きるともう雨は止んでました。
このアパートの周りは、まだ町並みにかなり東ベルリンの雰囲気が残ってます。
From Bifi's apartment.JPG
左手の後方に小さく見える串刺しの団子みたいなのがかつての東ベルリンを象徴するアレキサンダー広場のテレビ塔です。




突然話が音楽の話に飛びます。70年代後半から80年にかけてあのデビッド・ボウイがアメリカでのドラッグ浸りの生活を離れ、ベルリンでひっそりと音楽作りをしてた時期があって、環境音楽の生みの親として、その後エレクトロニック系ミュージシャンたちの神様的存在となったブライアン・イーノが制作に加わり『ロウ』『ヒーローズ』っていう「ベルリン二部作」と呼ばれるアルバムを立て続けに録音した時期があったんです。(『ヒーロズ』の後の『ロジャー』を入れて三部作っていう人も居るけど、『ロジャー』は俺的には全く前2作に比較に値するほどの作品ではないと思っているので、独断で二部作って事にしちゃいました!)
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一部のファンはこの時期のアートロック的な作品を彼の最高傑作とみなしているんですが、僕も同感で、この2枚のアルバムには完璧にノックアウトされた口です。その後80年代に活躍した様々なアーティストに与えた影響力は大変なものがあったと思います。このボウイの2枚のアルバムとか、それよりちょっと前の頃、初期のロキシーミュージック(『アバロン』以降の、商業的成功の為に身売りしたブライアン・フェリーのダミーバンドに成り下がったロキシーではありません!)あたりのアルバムがこの世に出てなかったら、おそらく今時のエレクトロニカ・ミュージックなんてのは出て来てなかったと思います。とにかくエポック・メイキングなアルバムだったんです。
そんなボウイの音楽を聴きながら僕は、写真を眺めてまだ行った事の無いベルリンという街の醸し出す排他的なデカダンスに魅了され、暗くて深淵、同時に攻撃的、刺激的、そして哲学的なアートの街だっていう印象を脳裏に焼き付けたんです。

まあとにかく、この日は起きた後にダークが、近所の友達の家に最近生まれた赤ん坊に会いに行って来るって言うんで、俺は留守番してアパートでこうしてぼーっとしてることにしたんですが、上の写真みたいなどんよりした空の元、旧東ベルリンの殺伐とした風景をこうやって眺めてたら、そんな昔のあこがれの念が突然甦って、まだ中学生の頃、渋谷のCiscoっていう輸入版の店でボウイのLP(CDじゃないですよ!LPだよ、LP!!)を制服のまま買いに行って、早く聞きたくて駅から家迄駆け足で帰って、それでそのLP聴いてめちゃくちゃ感動したことを思い出しました。それこそホント、鳥肌立っちゃって、涙まで出そうになっちゃってね… 今思えばあの頃はテニスの部活と音楽だけが僕の人生の大部分を占めてました。まだセックスの事なんか知らなかったし、自分がゲイであるなんて事も気ずいてなかったし… とにかく思春期の始まる寸前っていうんですか…? 多分俺の人生の中で最も感受性が強かった時期だった気がします。その後年を取って行くごとに何事に関しても感動のインパクトっていうんですか、なんかこう全身に『ガツーン』とくる感動って言うのがだんだんとなくなって来ちゃって、もう今では何を見ても聴いても批評とか屁理屈が先回りして頭の中にいっぱい湧いてきちゃう… まあ、『それが大人になるって事なんだ』って言っちゃったらそれ迄だけど、なんか寂しいですよね、年と共に感動がどんどん薄れてくってのは…

とにかくそれで、こうやって今ドイツ人の彼氏とここに来てるっていう事実がまるで信じられなくて、『色々あったよな、俺の人生もその後…』みたい感じで感慨にふけっちゃいました。唐突でしょ、これって? 






このあとダークが戻って、俺とダークはトレンディーなミッテ地域をぶらぶらとウインドー・ショッピングして、その後友達のアーティストのベアギットとボーイフレンドのティルに会いに行きました。

ベアギット、彼氏のティルとダーク
Ballroom Bergit Til.JPG
ティルはベルリンにバーを3軒経営してる、無口でダンディーなプレーボーイ野郎です。


ベアギットと俺らの出会いはやはりニューヨークでした。

彼女は俺とダークがちょうどニューヨークに住んでいた2001年に、クイーンズにある PS1 っていう美術館主催のレジデンシー・プログラムに、ドイツ代表のアーティストとして招かれてやって来ました。このレジデンシー・プログラムというのは、PS1が世界中12カ国(たしか12だったと思う)からそれぞれ1人づつインスタレーション・アーティストを呼び寄せて、各自にスタジオを与え、ニューヨークに一年間滞在させ作品制作を行わせ、一年後にそれぞれのアーティストによるインスタレーションをPS1美術館の中で展示する、という企画です。そんなわけでニューヨークに到着したベアギットだったんですが、美術館側の手違いなどが原因でドイツ政府の用意していた宿泊設備の準備がまだあと一ヶ月は出来ない状態になっちゃってたんです。それでダークのベルリンの友達経由で僕らに連絡があり、俺らの住んでいたイーストビレッジのアパートに1月間だけ間借りさせてあげる事になったんです。この当時すでに5歳程になる子ずれの独身ママだったベアギット、正式な住処が決まる迄の間は子供をベルリンの母親のところに預けて来ていました。

それがまあこの彼女、俺らが今迄に出会った人間の中でも、男女を通じてもおそらく最大のパーティー・アニマルだったのです。彼女が俺らのアパートに一緒にいたこの一ヶ月間、俺は彼女に付き合って遊び歩き、平日は会社に行かなければならなかった事もあって毎日睡眠不足、飲み過ぎ、プッ飛ばし過ぎが重なって8キロくらい体重が減りました。まあその辺の裏話は色々あるんですが、スペースの都合上省略です。でもホントこのときの俺、もう血を吐く寸前でした…
俺らはベアギットを通じて同じプログラムにオランダから参加してたアムステルダムのビデオ・インスタレーションのアーティストや、アイルランドのアーティスト、フランスのアーティストなんかとも仲良くなって、いまだに交流があります。


ところでアーティストとしてのベアギットの作品の方はかなり コンセプチュアルな要素の高いインスタレーション で、その道の人たちには高く評価されてる著名人です。社会的な問題をものすごく鋭いスタンスでダイレクトに表現したものが多く、ベルリン魂炸裂って感じです。そんな彼女、ここ5年ほどはもう引っ張りだこの人気で、一年中世界のあちらこちらのギャラリーで展示のためにいつも飛び回ってます。つい2週間くらい前迄は、韓国の釜山に一ヶ月半間滞在してインスタレーションの制作を行ってたそうです。





この夜は、みんなでまず寿司を食べに行って、その後に飲みに行ったのが、1930年代の東ドイツの時代からずーっと続けて営業しているというミッテ地区にあるBallhaus Mitteというボールルームでした。
Ballhaus Mitte.jpg

Ballroom entrance.JPG



DJ?.JPG


内装なんかもほとんど当時から変わってないそうで、働いてる店員も昔からの人がそのまま引き続き二十年、三十年も働いてるおじいさん連中が多く見られ、なんとも言えないいい雰囲気をかもし出してます。
Seating area Ballhaus.JPG


こういう重厚な歴史を経て来たこのボールルームで、30年、40年、いやもしかしたら50年前に初めてデートでこの場所に来ていたのかもしれない年配のカップルと、今日初めてのデートでここに来たのかもしれない若いカップルが、隣同士ワルツのメロディーにあわせて社交ダンスをやっている様子は、それこそ元東ベルリンのミッテのこのBallhausだからこそ見られる光景ではないか、なんて思いました。
Ball Room2.JPG

Ball Room.JPG




で、パーティ・アニマルのベアギットと出かけたからには、もう酔っぱらわずに帰る事は許されません。

Ballroom Bergit.JPG

あ~あ… ベアギット… ご、ごめん!! し、写真が… でも彼女、プロポーション抜群の美人です。俺と同い年で11歳の子供がいるのに、未だに3~4人の男達に常に求愛されてます。またそういう男たちを玩ぶのが旨い事ったらないです。さすがはアーティストです。そういえばニューヨークでもモテモテだったっけ、彼女… それでもってティルのほうはそんな彼女を片目にタバコをくゆらしながらクールに『ふふふ』って笑って流してるし… 大人です、この人。

結局この夜もあちこちはしごして飲んだくれちゃって、寝床についたのは朝7時半頃でした。



草々







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Last updated  2007.03.09 09:07:51
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