“やおっち”的電脳広場

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第二部第17話



彼は、彼女から送られたメールを見て

「何だよこれは!自分の一方的な言い分ばかりじゃないか!自分がされてイヤなことを人には平気でするのかよ!自分の都合ばかり言い立てて~!」

と怒りが吹き出してきました。

彼女との間でこういうことは、過去に何度かあり、ここでいつもなら、冷静に自分を押さえつける理性が彼に働くのですが、今回、それが昨日することはありませんでした。

彼はとうとう、自分の感情のおもむくままにメールを返信しました。

「今のメールは何?ロクに連絡もしないで勝手に予定作ったあげくに自分からキャンセル決めてさらに追い打ちをかけるメールをするのはどういうこと?俺って、今あなたにからかわれてるの?失礼なことするにもほどがあるよ!」

彼女から即レスが来ました。

「からかってるとか失礼なことしたって、どういうことよ!私は人に対してそんなことしたことないし、するつもりはないのに。今回の件はあなたが確認のメールをしなかったからOKだと思ったから、ちゃんと確認すればよかったの!なんか怒ってるみたいで怖いよ・・・」

この、彼女からのレスは彼の怒りに油をそそぐことになりました。
彼は、こうレスしました。

「そっちこそ、自分が確認のメールしないのに人に求めるのはどういうこと?そっちが“やめよう”って言ったから、あなたの予定から考えてこっちは完全にキャンセルされた、と思ったんだよ。それに、今は、怒ってるみたい、じゃなくて、怒ってます。普通はここまでされて怒らない人はいないよ。反省して欲しいです。」

しかし、送信した瞬間、彼は「ハッ」としました。
彼女、「怒る人は嫌い」というのを、怒りに我を忘れてしまっていたのです。
でも、送信してしまったため、これはもはや後の祭り。

予想通り、その後彼女からの返信は来なくなりました。



その夜、彼は彼女に謝罪のメールをします。

「今日は言い過ぎました。ごめんなさい。反省してます。」

と、自分の気持ちをストレートに、かつ要点だけを書いて送信しました。

しばらくして、彼女から返信のメールが届きました。

「私、あなたと話すことに疲れました。前にも言ったけど私は相手に対して怒りをあらわにするような人は嫌いです。私自身、相手に怒りを覚えさせさせたり、からかったり、失礼なことは言ったことないし、私の周囲の人は、私に温かく、そして優しい言葉をかけて接してくれるような人ばかりで、それ以外の感情を出すような人は必要ありません。だから、あなたとはもう、お友達にはなれないし、もうなりたくありません。もう、メールしないでください。今までの失礼、お詫び致します。申し訳ありませんでした。」

その内容は、彼には予想していたのですが、いざ読んでみると何とも言えない気持ちが彼の中を駆け抜けていきました。

「なんだったんだ、いったい・・・」

そして、彼女の宣言したとおり、メールも連絡が来ることも二度とありませんでした。

また、二人の共通の友人の集まりでも、彼女は一切顔を出すようなことはありませんでした。

二人の関係は、この日を限りに全て終了したかに思われましたが・・・。

最後の最後に、結末が残されていたのです。(続く)

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