この後に続編が出ていますが、全体としてはここでひとまず話を完結させています。
ナルの正体が分る結末です。
アニメどころか、マンガでも描かれていない話です。
ネタバレしていますので、未読の方はお気をつけ下さい。
「呪いの家編」で怪我を負った者が複数出た渋谷サイキックリサーチは、夏休みの間、現場の屋敷に長く滞在した後、東京に帰ることに。
しかし道に迷って、山の中の湖に近いキャンプ場に出てしまう。
その湖を見てナルは「やっと見つけた。」と言い、キャンプ場に泊まると言う。
訳が分らないまま、他のメンバーもキャンプ場のコテージを借りる。
ナルはダイバーを雇い、湖を調べる。
一方、キャンプ場の土地の関係者から廃校になった校舎に怪現象が起こると、調査を依頼され、暇なこともあり、請けることとする。
その校舎に調査に行くと、中に閉じ込められて、出られなくなってしまう。
調べていくうちに白骨死体を発見。
更にメンバーが一人一人消えていき、子供が替わりに加わっているが、最初のうち、麻衣たちはそれに気が付かない。
ようやく異変に気付いたが、対策がなかなか思いつかず、ついに麻衣は最後の一人になってしまう。
前半はこの怪現象の話、後半はナルの 正体の話です。
実はこの小学校が廃校になったのは、遠足の時にバスが交通事故に合い、先生・生徒全員が亡くなってしまったからなのでした。
その霊が、死んだことを実感できないまま、今も校舎にいるわけです。
そして寂しいからと、訪れた人を新たしい仲間として取り込むのです。
途中までは結構恐いと思って読んでましたが、このエピソードの結末に向かっている頃にはそれ程でもなくなりました。
何と言っても前2作の『血塗られた迷宮編』と『呪いの家編』が恐かったですから。
夢ナルの導きのおかげで能力を完全開眼させた麻衣が事件を解決すると言う、最終話にふさわしい結末。
麻衣が解決するなら、こんな優しい、そして切ない終わり方が良いと思いました。
さて、ナルの正体です。
坊さんが次々とナル相手に明かしていきます。
ナルは実は「血塗られた迷宮編」に出てきたデイビス博士、その人なのでした。
日系人ではあるのでしょうが、国籍はイギリス(養子です)、サイコメトリーの能力があり、強いPKの保持者。
“ナル”は“Noll”、つまり“Oliver”の相性だそうです。
ちなみに私は“オリバー”の愛称が“ナル”だなんて、始めて知りました。
双子の兄が居て、名はユージン(愛称ジーン)。
ナルはサイコメトリーでジーンの死を知り、その場所を探すために日本に来ていたのでした。
で、この双子兄弟、顔はそっくりでも性格が真反対。
・・・と言う事で、麻衣が夢の中で会っていたのは、実はジーンの方だったのです。
ジーンは最後には湖から発見されます。
その前の晩、もう会えないからと麻衣の前に現れます。
「言いたいことがあったけれど、やめておく。」とジーン。
麻衣はまだこの時点で、それがジーンだとは知らず、ナルが兄を発見すればイギリスに帰るので、その別れを言っているのだと思っています。
そのシーンが、そしてジーンと知った時のシーンが切ないです。
麻衣は夢の中のナル=ジーンの微笑む優しさに恋をし、なのでその相手は生きて目の前にいるナルではなく、ずっと前に死んでいたジーンで、一度としてジーンその人として見た事がなく「ナル」と呼び続けたことを悔やみ、また自分の恋はもう決して叶うことはないのだと知るのです。
実は私、麻衣が夢の中で会うナルが、ナルの双子だろうとは思っていました。
余りにも両者の表情が違ってて、本当に別人に見えましたから。
で、私は麻衣とナルは上手く結ばれるものだと信じきっていたので、麻衣が実際にはナルではない別人に恋をしている現状をどうするんだろう?、と楽しみにしてたのです。
結ばれません。
ここら辺り、やっぱり小野先生って感じ?。
ナルは麻衣がジーンに恋をしていたことを知って、ジーンの写真を麻衣に渡します。
おー、さすがはツンデレの鏡。
私は、ナルは今一ツンツンしすぎてて、可愛げがないぞ!!と思ってたんですけども、最後の方での麻衣との会話、まぁいつもの通りのやりとりではあるのですが、を読んでるとなかなか魅力があるヤツとか思ってしまいました。
ナルにわずかにゆらぎがあって、それが可愛げになっているのですよ。
で、その最後のやりとりで、麻衣とナルって良いカップルになるんじゃないかなぁと思いました。
小説内ではお互い、全然その気無し!!、なんですけどね。
この後、続編『悪霊の棲む家』は未読です。
ナルと麻衣が上手くいったら良いのになぁなんて、妄想してます。
ところで。
マンガの方は「呪いの家編」まで描かれていて、なんでもこれも久しぶりに出た単行本だとか。
いなだ先生、早く続きを描いて下さい。
さすがに原作はかなり前のものなので、イラストも古臭い。
それを現在のナルたちにしたのは、ひとえにいなだ先生の功績です。
特にリン、原作ではアゴわれですが、マンガのあの東洋的端正美男子は グッドジョブ 。
そして小野先生。
「十二国記」もそうですが、この「ゴーストハント・シリーズ」、是非是非続きを書いて下さいませ。


