割箸職人のつぶやき

割箸職人のつぶやき

たかが箸、されど箸。

毎日使っているお箸を、私たちはどれほど意識しているでしょうか?

日本人の一生は「箸に始まり箸に終わる」とさえ言われ、

昔から箸は生活と深いかかわりを持ち、「神と人」「人と人」 

を結ぶ架け橋とされ、日本の文化を支えてきました。

素朴な二本の棒でありながら実に多彩な働きをし、これを

使いこなす事は手指の機能の発達とともに、大脳の発達とも深

くかかわりを持ちます。日本人が器用で頭が良いといわれるのも

「箸使い」によるところが大きいとされています。

しかし、最近では箸使いの乱れはひどく、子供だけでなく

団塊の世代にまで及んでいます。

戦後、日本人の食生活は欧米化し、核家族となり、働きに出る母親や、

塾通いの子供たちが増えた事で「個食化」が進み、家庭教育の原点

であった食卓での箸使いがしつけられなくなりました。

それに加え、学校給食で先割れスプーンを採用した事にもよるのでは

ないでしょうか?

一方では、日本食の国際化が進む中「箸使い」も国際化時代を向かえ、

アメリカでは、箸使いが若い女性の間で洗練された教養のひとつと

なりつつあるそうです。


正しい箸使いは、姿勢を良くし、見た目にも美しく、

言葉使いや身だしなみと並んで人柄が評価される

大切な要素の一つであります。

今一度、日本の箸の文化を改めて見直したいものです。



           神戸婦人大学(婦人学部)卒業記念論文より一部抜粋


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