「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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灰色猫のはいねの生活
8月
「瞳ちゃん、何してるの?」
暑い暑い夏の一日でした。
公園前を通り掛かった同じクラスの瞳ちゃんに、まるちゃんとたまちゃんが手を振って話し掛けます。
「私、探しものをしているの。」
瞳ちゃんは汗一つかかずに、真剣な顔をして言いました。
「何を探してるの?」
たまちゃんが聞きます。
もしかしたら、探偵の仕事かもしれない。
まるちゃんも頷きました。
「おじいちゃん。」
「えっ。」
2人で叫ぶように驚きました。
瞳ちゃんは涼しそうな顔で、平然と言います。
「おじいちゃんを探しているの。」
「それは無理でしょう。」
瞳ちゃんに負けないくらい冷静に丸尾くんが言います。
「でも、何とか努力してみようよー。もし見付けられたら大手柄じゃん。」
まるちゃんが言います。
丸尾くんは今度は呆れた顔で言いました。
「塚田さんのおじいさんは確か半年前に亡くなっているんですよ。」
「えっ。」
まるちゃんもたまちゃんも驚きました。
「何か変だとは思ったけど…。」
たまちゃんが言います。
まるちゃんはまだ訳もわからずにいました。
亡くなったおじいちゃんを探してるなんて、どういうこと?
それよりも、おじいちゃんが亡くなるってどんな気持ちなんだろう。
まるちゃんはおじいちゃんが大好きです。
ちょっととぼけたところもあるけれど、まるちゃんをとても可愛がってくれます。
「調査がてら、ちょっと涼みにいって来ますか。」
丸尾くんがにやりと笑って言いました。
「確かに涼しいけど…。」
「肝試し代わりですよ。」
3人が向かったのは近所のお寺のお墓でした。
大抵のお墓はここにあるはずです。
「でも広いよー。本当に探すのー?」
まるちゃんが言いました。
昼間なので恐くはありません。
でも藪蚊の多さにはうんざりします。
「一回りして、見つからなかったら帰りましょう。」
やけにクールな丸尾くんでした。
「うちのお墓はここなんだ。お盆におじいちゃんとおばあちゃんと来たんだ。」
「ふうん、まるちゃん、偉いねえ。」
たまちゃんのおじいちゃんとおばあちゃんは遠くにいます。
だから、なかなかお墓参りなんて行けません。
丸尾くんが、ふと立ち止まってお墓に手を合わせました。
その真剣な後ろ姿に、まるちゃんとたまちゃんは何故か声も掛けられませんでした。
「すいませんね。」
振り向いた丸尾くんが言いました。
「知り合いのおばあさんのお墓なんです。」
まるちゃんとたまちゃんは丸尾くんの気持ちが何となくわかるような気がしました。
「何してるの?」
いきなり後ろから声がします。
「瞳ちゃん。」
3人はびっくりして振り向きました。
「おじいさんに、会いに来たんですか?」
丸尾くんが優しく聞きます。
「ううん。」
瞳ちゃんは首を振ります。
丸尾くんは困りました。
小さい頃はお寺やお墓の雰囲気が恐くて、近づくことがイヤでした。
けれど、ここに来るとおばあさんに会えるような気がします。
そし全てを許して貰ったような気になるのです。
「ここに来たっておじいちゃんはいないでしょ。お墓にはただ骨が埋まっているだけよ。」
瞳ちゃんは言いました。
確かにその通りではあります。
背を向けて瞳ちゃんは歩きだしました。
3人は何も言うことが出来ないまま、ただその後をついて行きます。
小さな林の中に瞳ちゃんは入って行きました。
「これね、くるみの木なんだ。」
瞳ちゃんは振り向いて言いました。
「うちお父さんもお母さんも働いてるから、いっつもおじいちゃんと一緒だったの。2人でよくここに来たんだ。」
瞳ちゃんの話は続きます。
3人に話しているようにも、独り言を言っているようにも聞こえました。
「おじいちゃんが倒れて、入院して、お見舞いに行ったらね、私の手をぎゅって握ったの。それから、2日して夢を見たの。おじいちゃんが河の向こうにいる夢。私にはその河は渡れないの。その朝におじいちゃんは亡くなったのよ。それから2ヶ月くらいして、また夢を見たの。おじいちゃんは幸せなんだよってそう言ってる夢。」
瞳ちゃんはにっこりと笑いました。
「塚田さ…。」
丸尾くんが話かけようとした時でした。
「でも私は違う。私は幸せなんかじゃない。おじいちゃんがいなくなってからずっと1人だもの。」
まるちゃんには瞳ちゃんが泣いているのか怒っているのかわかりませんでした。
「おじいちゃんは何処にいるの?死んだら何処へ行くの?私も同じ所へ行けるの?誰も教えてくれない。お墓に話し掛けたっておじいちゃんは何も答えてくれない。みんな嘘つきよ。」
本当に何を言っていいのか3人にはわかりませんでした。
死と言うものがどう言うものか、わかってもいないのです。
「塚田さん。」
丸尾くんが優しく言いました。
「あなたのおじいさんは、もう2度とあなたに語りかけてはくれないでしょう。」
まるちゃんもたまちゃんも驚きました。
2人は、どうやって瞳ちゃんを慰めようか考えていたのです。
「でも、おじいさんの残してくれたものは沢山ありますよね。あなたの胸の中に。」
「私の胸の中に?」
「そうです。想い出ですよ、かけがえのない。」
「想い出…。」
瞳ちゃんが確かめるように胸を押さえました。
「死んだらどうなるのか、何処へ行くのか私にはわかりません。でも、生きていた時に残せるものはありますよね。お金は使えば無くなります。物も使ったり古くなったりすればなくなって行きますよね。でも、想い出は、その人が亡くなってからも残って行くんじゃないんですか?」
瞳ちゃんは本当に泣いていました。
「たとえ、もう何も語りかけてくれなくても。」
「おじいちゃん…。」
瞳ちゃんはくるみの木を見上げました。
「丸尾くんってすごいよね。」
まるちゃんが言いました。
「うん、あんなこと、私には言えないもん。」
たまちゃんも言いました。
「ですけどね。」
丸尾は照れもせず、得意にもならずに言いました。
「結局のところ、あんな風に偉そうに言った私にも、何もわからないんですよ。」
そうして、まるちゃんとたまちゃんに振り返り、
「生きてる者にとっては、永遠の捜しものでしょうね。」
微かに笑って、丸尾くんは言いました。
もうすぐ、夏休みも終わりです。
【あとがき】~由記~
これはフリーページの最初の方にある「だれかおしえて」「おしえてあげる」の「丸尾くんがゆく!!!」バージョンです。
「おしえてあげる」で夢の中でおじいちゃんが赤か緑かを選ばせて「私は幸せです」とメッセージを残すのは由記が実際に体験したコトです。
夢でみたコトなので体験と言うのもおかしいですが、おじいちゃんは幸せなんだって今でも信じてます。
キーワード「飲み師匠&いつでも飲み隊長」
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