風光る 脳腫瘍闘病記

最悪な1日



GREEN AND BLUEはビルの3階にあったがオーストラリアではエレベーターの表記が1階がグランドフロアの「G」となっており2階が「1」となっているため私にとっては非常にややこしく、エレベーターに乗るたびに

「えっと、1階が「G」で2階が1階だから3階は何階だ?」といつも自分で事をややこしくしていた。

ワーホリのたまり場でもあるGREEN AND BLUEには新旧、いろんな顔ぶれがそろっていた。私は顔見知りの人に引越し先が決まった事を伝えた。

「シェブロン?マジで?」ミッシェルと同じ反応である。他にも何人かに言ってみたがみんな同じ様な反応だった。

GREEN AND BLUEの社長のクマノさんに聞いてみた。

「シェブロンに引っ越そうと思うんだけど?」

「シェブロン?俺的にはお勧めできないけどなぁ・・・違うとこがいいんじゃない?」と返事が返ってきた。

「何で?」

「だって、相当治安悪いよ、シェブロン。」
さらにクマノさんは「治安が悪い分、レントが安くて、住んでるワーホリも多いけどね、でも夜とかホント、危ないよ」と付け加えてきた。

通りでミッシェルが心配する訳だ。でも1week 50ドル。私の決心は変わらなかった。

夕方、ゴールドコーストの町を散歩していた。車道に車が1台停まっていて
助手席に男性がドアを開けて歩道側に足を下ろして座っていた。彼が「にっこり」微笑んできたので私もつられて「にっこり」した。しばらくして何かがオカシイ事に気が付いた。

「アレ?何だろ?さっきの人、何かおかしかった・・」私はすれ違った時の事を頭の中でリプレイしてみた。車が停まっていて男性がこっち向いて座ってて、目が合ってお互い「にっこり」して・・・・・・・私は一瞬、頭の中が真っ白になった。

「げぇぇ~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!最悪ッ」
「今の人、丸裸だったぁ~~」もちろん、下半身露出しまくりだった。

私は変体男と「にっこり」微笑合ってしまったのだ。その日はガックリ肩を落として帰路についた。

いまだに私はあの変体男の「にっこり」が忘れられないでいる。


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