風光る 脳腫瘍闘病記

山桜



本格的に仕事を探す為、事前にレジメ(履歴書)を多数準備しておいたあたしはサーファーズパラダイスのありとあらゆるお店に足を運びレジメを置いて連絡が来るのをただひたすら待っていた。

そんなある日、部屋に戻ったあたし宛に一枚の手紙が机の上に置かれていた。シェアメイトからの伝言だ。「愛ちゃん!山桜から電話があったよ!レッツゴー!」と書かれていたのだ。

山桜とは街中にあるジャパニーズレストランで、あたしはウェイトレスの面接を受けていたのだった。

(やった!仕事ゲットだ!これでオーストラリアに住める!)そう思ったあたしは急いで山桜に足を運んだ。

社長の奥さんと改めて仕事の打ち合わせをする。制服は上は白のブラウス下は黒のスカートに黒の靴。これは自腹で買わなければなからかったのでお金のないあたしにとっては痛い出費だった。

でも仕事が出来る以上、そんなわがままは言ってられなかった。

仕事は夕方の5時から夜の10時までの5時間。こうして当初の目的であるオーストラリアで働く夢が実現したのだった。

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: