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2021.12.05
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「おおーい!ここだ~!!」

二人は必死で砂漠をやって来るサンドローラーという 巨大な トラックに手を振った。

がしかし、果てしない砂漠に現れた天の助けは地獄の悪夢に変わった。

「お前達ちゃんと働かないとかまどの燃料にしてしまうぞ。」

ジャワという小柄ながら意地の悪い種族に拾われたトットさんたち二人は休む間もなく働かされていた。

他にもそんな連中で乗り物の中は満杯だった。

ジャワは砂漠で拾った奴隷たちをこき使いながら、砂漠で水分抽出農場を営む農民たちを回って、この奴隷たちを売りさばく商売をしていた。

やがてボーっとサイレンが鳴ると、乗り物の側面にある巨大な扉が開くと、外から乾いた砂混じりの風と強烈な日差しが一気に車内に充満した。

「降りろ、さっさと降りろ。」

ジャワは武器を構えると奴隷たちを降ろし始めた。

商売の時間だった。

トットさんとジョンピーも皆に続いて、熱い砂の上に降り立った。

「マルーク、マルーク。」

「何だい?ベルおばさん。」

マルークと呼ばれた少年が円形状に深くくぼんだ農場の中庭を覗き込むと、おばさんはまぶしい太陽に光を片手で遮りながらマルークに言った。

「よく働くのにしてね。」

「分かってるよ。みんなヨレヨレで使いものになりそうもないけど。」

マルークはそう言ってジャワたちの店へ向かった。

オーウェンおじさんと見て回り、小柄だが生きのよさそうな奴隷を見つけてマルークは言った。

「おじさん、この見慣れない鳥は良く働きそうだよ。」

指さした先にはジョンピーが立っていた。

「よし、それをくれ。」

おじさんはジョンピーを買うことにしたが、その横にいたトットさんには目もくれず。

「おーい、ジョンピー!!俺も俺も!!」

トットさんの悲痛な叫びにジョンピーはマルークの袖を引っ張って言った。

「あの太った鳥は漬物石くらいにはなりますよ。」

マルークはふだんおばさんが漬物に使う石がないと愚痴を言っているのを思い出しおじさんに言った。

「おじさん、この太った鳥はどうかな?漬物石代わりに。」

そうやってトットさんはジョンピーのおまけで、しかもタダでもらうことが出来た。

ジャワの方も働かないこのデブの鳥を持て余していたのだ。

「俺はお前のおまけか?俺はタダか?ゴミか?俺は漬物石か?」

ブツブツ言うトットさんにジョンピーは言った。

「でも助かって良かったじゃないか?」

そうして二人はこの農場で働くことになった。

働くと言ってもトットさんは漬物桶の上にただ座っているだけだが。

マルークは、ある日ベン ケイノービという男が母親を亡くしたばかりの赤ん坊を伯父のもとへ連れて来て、少年へと成長した姿だった。

名前はマルーク・ウシ―ウォーカー。






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最終更新日  2021.12.05 09:50:32 コメント(3) | コメントを書く


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