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ミレニアムボロコムが係留されているドックの場所をようやく探り当てたところにグーととタラ、ラーズ夫妻を救い出したトットさんたちがやって来た。
「バン、あんた何かアイデアがあるのかい?」
マルークが期待を込めてバンに尋ねると、期待を裏切るようにバンは肩をすくめた。
「それがな、首尾よくボロコムまでたどり着いてドックを飛び出せたとしても、例のけん引ビームでたちまち引き戻されてしまうだろう。そうなりゃそれでおしまいだ。」
ベンの言うとおりだった。
「それは私がどうにかしよう。」
それまで黙っていたベンが口を開いた。
「この爺さんどうかしてるぞ?フォースとやらでけん引ビームから逃れようというのか?」
そう言ってバンは鼻を鳴らした。
「マルーク、けん引ビームのある場所を探してくれ。脱出する前に装置を停止させればいいのだ。そしてそこに私が行く。」
「そんなことをしたらベン、あなたは宇宙船まで間に合わないかも知れないんだよ。」
マルークの心配顔にベンは優しく微笑んで言った。
「そうかも知れんな。そうなれば私はこの船で命を落とすかも知れん。だが今の私には希望がある、それはマルーク!君だ。もし私が戻れなければ惑星ゴタゴタのヨーダを訪ねるのだ。そして君が新たなジェダイオーダーの創始者となるのだ。」
マルークが言い返そうとしたとき、ベンはそれを制して言った。
「時間がない。マルーク頼む。」
その時基地にけたたましい警報が鳴り響いた。
ようやく脱出に気づかれた。
すぐにベーダ―の手下が廊下に駆けだしてきた。
いきなり銃撃戦が始まった。
緑の高エネルギービームが廊下中を行き交った。
雲の惑星べスピンで採取されるティバナガスの鼻を衝く匂いが辺り一面に充満した。
やがてベンはライトセーバーを片手に前に進み出た。
「ベン!」
マルークは悲痛な叫び声を上げた。
一人の手下がベンめがけてビームを放った。
その途端ベンのライトセーバーが一閃され、ビームは放った者を直撃して彼は倒れた。
それにたじろいだものの、彼らは気を取り直して次々にベンに向けてビームを放ち、はね返されたビームが次々にその者たちを倒していった。
だが新手の援軍が押し寄せて来る。
ベンは肩越しに叫んだ。
「私がここを食い止める。君たちはボロコムに急げ!」
「凄い!あの爺さん。ほんとにジェダイだ。俺のなりたかったジェダイだ!」
トットさんには珍しく真剣な声色だった。
そう、トットさんは一時スター何とかという映画を見て俺はジェダイになると言って飛び出したことがあるのだ。
「そんなことよりトットさん、早く行かないと僕たちベン・ケイノービさんの足手まといになってしまうよ。」
そう言ってジョンピーは重たい、重たい、重たーいトットさんの体を後ろから引っ張った。
「こらマスP!今は緊迫した場面だぞ!『重たい、重たい、重たーい』って3つも繋いで話の腰を折るんだ?」
その時、高エネルギービームがトットさんのすぐ近くをかすめた。
「ひえぇー!待ってー!」
今までの勇ましさはその辺りにかなぐり捨てて、トットさんはみんなの後を追って一目散。
その早い事、早い事。
皆を追い越す勢いだった。
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