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トットさんとジョンピーをハット族の長ジャバに贈り物と称して差し出したマルークも現れた。
「マルーク アグーア ケア ヴァラ―ラ!」
側近のビブ・フォーチュナがハット語を訳した。
『マルーク、お前は何をしに来たのだ?』
マルークがソロを取り返しに来たことは承知の上だが、そのようなことなど毛頭聞き入れる気がないことを示す、狡猾なジャバの意思の表れだ。
「寛大なる殿下の慈悲に期待して、わが友バン・ソロを迎えに参りました。どうぞ彼をお返しください。」
マルークはそう言って一歩足を踏み出した。
「マルークさん、そこは・・・」
ジョンピーの言葉が終わる前に、ジャバの手が傍のボタンを叩いた途端、マルークの姿は突然足元に開いた穴の中に吸い込まれて行った。
マルークが落下した場所は、岩だらけで生臭い匂いのする薄暗い大きな洞穴のような場所だった。
ジェダイの訓練を受けたマルークは危ういところを受け身で交わし、怪我もなくその地面に立ち上がった。
上を見上げると、自分が落ちた穴からジャバとその手下たちがやんやの喝さいを上げながら見下ろしていた。
トットさんとジョンピーもその片隅で、不安な表情を浮かべて見つめていた。
「マオ べドゥーガ ワングワーダ マーラ。」
『私の可愛いペットが腹を空かせてお前を待っているぞ。』
フォーチュナの通訳が終わるのも待たずに、向かいの壁がドシンと大きな音を立てて、徐々にせり上がり始めた。
そしてその奥に暗闇が広がり、暗闇の高い場所に二つの大きな赤い光が不気味に光っていた。
やがてその光は左右に大きく揺れ、徐々に近づいて来た。
暗闇から突如巨大な足が現れた。
そして大腿部、腹、胸、前足、そして最後に巨岩のようにゴツゴツした頭が薄闇の中にそびえた。
ランカーだ。
ランカーは魔女の住む惑星ダソミアに生息する巨大な爬虫類で、その凶暴さで広い宇宙でも有名だった。
ランカーは洞窟全体が揺れるほどの大きな唸り声をあげると、ノシノシと足を踏み出して来た。
マルークは周りを見回しながら隠れる場所を探したが、そのような場所はどこにもなかった。
それを見回すジャバたちは楽しそうに今や遅しと、マルークがランカーに噛み砕かれながら喉の奥に消えて行くのを待ち構えた。
そのときジャバの警備役を務める猪に似た種族ガモーリアンが誰かに後ろから蹴落とされてランカーの巣穴に転げ落ちてきた。
ランカーは体に似合わない素早い動きで、必死に這い上がろうとするガモーリアンに飛びつき、咥えると不気味な砕ける音を残して、空腹の足しとした。
マルークはランカーが食べ残した餌の動物の丸太のような骨をつかむと、ランカーに向かい合った。
ランカーはマルークをデザートにしようと間を詰めてきた。
マルークは必死にその骨を振り回して攻撃をかわしたが、とうとう追い詰められて大きな手に捕らえられてしまった。
もがくマルークの体は徐々にせり上がり、大きく広げられた、よだれだらけの口に近づいて行った。
マルークはもがきながら今や飲み込まれようとするその瞬間、持っていた骨をつっかえ棒としてランカーの口に縦に差し込んだ。
ランカーは突然塞がらなくなった口に慌ててマルークを取り落とした。
マルークは身軽に地面に降り立つと、開いた壁の奥にある出口へと走ったが、当然扉は固く閉ざされていた。
ランカーはようやく口に引っ掛かった骨をかみ砕くとマルークを追いかけてきた。
マルークは冷静に見回すと、離れた壁にある開閉のスイッチを見つけ、頃合いを見計らって石を投げつけると、壁はどどっ音を立てて落下し、首を挟むように落ちてきてランカーは激しく悶えながらやがて息絶えた。
扉から覗いていた飼育係が我を忘れてドアを開けて飛び込んで来た隙を見て巣穴を飛び出したマルークだが、そこにはたくさんの手下が武器を構えて待ち構えていた。
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