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2022.08.28
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トットさんとジョンピーを乗せた宇宙船は静かに扉を閉じると浮き上がり、やがて宇宙に飛び立ち、ハイパースペースルートに飛び込んだ。

35万後年先の地球に向けて。

と、その時、宇宙船の赤いランプが点滅し。警報が鳴り響いた。

「マスピー!今度は俺をどんな目に遭わせるつもりだ!!」

悲痛な叫びの末にトットさんはまたもや暗闇の中にいた。

しかし、今度は暗闇の中に、

2つ、また2つ、少し遅れて2つ、6つの光が現れた。

「おーい千代坊、見ろよこれなんだ?まさかハトじゃないよなあ~?」

「おい連馬鹿言うな。こんなデブのハトなんかいるもんか!」

「そうだよなあ。ブヨブヨのでかい蹴鞠みたいだなあ。」

「おれこんなの見たことがあるぞ。」

「えっ?雷兄さんどこで見たんだ?」

「俺が播磨国を通ったときだ。そこの奴ら確かデブリンバトって呼んでたな。」

その時、いつもの様にトットさんの怒鳴り声が闇に響いた。

「何度言ったら分かるんだ~!!俺はデブリンバトじゃねえ。ドバトのトットさんだ。」

トットさんは怒りついでに矢継ぎ早に疑問を投げかけた。

「播磨国ってどこだ?東京じゃないのか?母ちゃん何処だ?ソーセージあるか?」

「ちょっとトットさん、播磨国って昔の兵庫県の呼び名だよ。」

物知り博士のジョンピーはそう言ってトットさんをたしなめた。

「昔の名前?何で兵庫県って言わないんだ?こいつらおかしいんじゃないのか?」

喚いている二人を見つめる三対の目はお互いを見つめ合った。

この光る目は猫の目だ。

ちょっと待て。

三人の猫。

名前は雷、連、千代。

三人の猫。しかもこの名前どこかで聞いた名前。

遠い過去を振り返ると一つの物語が思い浮かぶ。

『ニャン騒、シャーとミー八犬伝』に出演した「三猫珍道中」の面々だ。

室町時代晩期、つまり六百年前から現代もまだ彼らは旅をしているのか?

そんなわけはない!!

という事は、ここは正しく六百年前の日本。武蔵の国という事になる。

ということは・・・

「えーっ!!!」

トットさんとジョンピーは叫んだ。

「ということは僕たち、ワームホールでハイパースペースジャンプして過去にタイムスリップしちゃったの?」

「マス P

またもやトットさんの喚き声が闇夜にこだます。






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最終更新日  2022.08.28 21:05:52 コメント(6) | コメントを書く


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