B-00




「星が綺麗だねぇ」

・・誰が聞いても当たり前の事を、裕司くんがつぶやく・・
だけど確かに今、私たちの上に輝いている星々はいつになく綺麗に見えました

「単に晴れてるからじゃないんですかぁ?☆」
「それより早く帰ろうよ、もう真っ暗だよ~?」
「・・つくづくマイペースだよね、二人とも・・」

時刻は7:00過ぎ、すでに周囲は真っ暗だ
歩いているのは景と「裕司(ゆうじ)」と呼ばれた気の弱そうな少年、そしてその友人である「雫(しずく)」「明(あき)」の四人。
商店街からはやや離れて、先述のように「星」がよく見える暗い道を歩いている

「卒業したら中学校かぁ・・・・・ねぇ、中学入っても友達だよね?」
「そりゃ当然ですよぅ♪」
「友達でいいんじゃない?別にどこかの学校行くわけじゃないんだし~」
「ま、そうだけど・・(汗)」
「どうせなら、クラスもご一緒だと良いですね」

・・気弱そうで実は言うことを言う裕司、独特のアクセントで物を言う雫、のほほんとした楽天家の明・・
景は正直、四人組の中で一番浮いている存在だった
会話は普通にできるし、生活態度や何かが悪いワケでもない
・・ただ、お嬢様育ちという事が影響した性格と、彼女特有の癖があるためだ。

興味を持った事にとことん突っ込んでいってしまう癖
よく言えば子供らしい好奇心旺盛な所で、悪く言ってしまえば集中しすぎて周りを振り回してしまう所
・・そんな景だが、それをカバーしてあまりある程のおおらかさ、人格の柔らかさで友人関係は比較的良好だった

談笑する三人をよそに、景は空を見上げていた
空の星は裕司の言葉以上に綺麗で、ぼ~っとした表情で思わず魅入ってしまう

「じゃ、景!また明日~」
「え?あ、それじゃあ・・」

景は裕司達三人とは違う方向・・街の中心からちょっと外れた辺りに住んでいる
ここで別れて路地を歩けば、数分で到着するのだが・・

景は三人が行ってしまった後も空を見上げて、その場にとどまっていた
・・というより、動けなかった

「ながれぼし・・」

・・「流れ星」「シューティングスター」「METEOR」・・色々な単語があるが表現する意味は同じ・・
結局それは隕石が燃え尽きる、その一瞬を捉えられたに過ぎない
きらり、と一瞬輝いては消えていく、瞬間の光景だ

だが、景の目にはその輝きがいつまでも見えていた
・・ずっと、ずっと・・段々大きくなってくる「流れ星」が・・

「っ!?」

瞬間的に目を閉じる景・・
流れ星は景の目前まで迫ってくる!

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・・目を開けた時、その輝きはどこにもなかった
空にはさっきまでと同じ星が輝いていて、瞬間、流れ星が見えたが・・やはり瞬間、で消えてしまう

・・一体、今のは何だったのか?・・

怖くなった景は歩みを少し駆け足にして、帰宅した

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とどのつまり、犯罪者というものはどこにでもいるものである
盗み、誘拐、殺人、ひいては国家間でのテロ活動など凶悪なものまで・・
それは、地球の中だけに限った話ではない
・・地球の人間だけでなく、宇宙にも数々の知的生命体がいる

宇宙の犯罪者・・他の知的生命体を食い物にして己の欲を満たす存在
それらの集合体の一つが、今地球を目指していた


それに対して「宇宙警察機構」という組織も同時に存在する
正義感と勇気、自らの信念と共に戦う彼らは、そういった者達を決して逃すまいとした。

だからこそ地球に、何名かの「勇気ある者」を送り込んだのだ
犯罪者が起こす数々の災厄から地球を守るため、ただ一つの使命のために戦う者を

・・ 「宇宙警察機構」 に所属し、最高権限者である 「超武将軍・アルタリオン」 に認められた者達・・

これまでにも数々の惑星を救ってきた彼らを、皆は敬意を込めて 「勇者」 と呼んだ



西暦2025年・春・・
中学生となった景、そして学友達。

しかしその誰一人として知る由もなかった。
・・・災厄は、地球のすぐそこまでやってきている事に・・・




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