どうも、引っかかってならないことがある。それは、ガザで起こったことである。イスラエルは、ガザからのロケット砲による攻撃で死傷者が出た(子ども4人を含む)として空爆を行い、発電施設を含むインフラを破壊し、地上軍を侵攻させて、多数の市民を殺傷した。その中には、子どもの死者200人を含んでいる。
何というこの非対称性。
イスラエルの意図としては、この攻撃によって、ガザの人々の間にハマスに対する「もういい加減にしてくれ、お前たちのおかげでまたこんなに死者が出た。はねっ返りの行動はやめてくれ」という気持ちが出てくることを期待したようだが、そうはいっていない。ガザの人々の中でのイスラエルに対する報復感情はますます高まり、爆弾テロにつながり、その事がイスラエル市民の中に、パレスチナ住民と「イスラム国」とを等しいものとする気持ちを生み出し、負のスパイラルは長期間続きそうである。それだけでイスラエルのガザに対する攻撃は失敗だったとしか言いようがない。
それは、パレスチナ問題の解は、「両者ともにお互いの生存権を認め合う」というオスロ合意の線しかありえないからである。ハマスはそれを認めねばならない。しかし、まず認めねばならないのは、核を含む圧倒的な軍事力を保有しているイスラエルである。今回のような愚挙を続けている限り、永遠にイスラエル市民が安眠できる日は来ない。それは、パレスチナの人々及び周辺のアラブ諸国の人々に対するホロコーストでしか達成できないからだ。
ここからは、時間を巻き戻して無茶な想定をしてみる。
ユダヤ人の中に帰還運動は以前からあった。いわゆるシオニズムである。しかしそれは大勢とはならなかった。シオニズムに道筋をつけたのはイギリスによるバルフォア宣言である。さらにそれを決定的にしたのはナチスによるホロコーストだった。迫害が起こるという事態を察知し、救いの手を差し伸べた国はゼロである。その中にはアメリカも含まれる。
大戦後、欧米各国はイスラエルに対して大きな「借り」を背負うところから出発した。だから彼らは、イスラエルの行動に対して、実効性を伴うような制裁措置を何一つとっていない。核査察も行っていない。
夢想してみよう。戦後、ドイツを二つに分割してその半分の地域に「イスラエル」を建国させたら。イギリスのグレートブリテンを分割して、そこに「イスラエル」を建国させたら。イギリス国民とドイツ国民は、自国の政府の犯した過ちを自らの手で償うという機会を失ってしまった。
自らの政府の犯した過ちを欧米諸国はパレスチナ住民に支払わせている。
太平洋戦争末期、米軍は、重工業施設に対する精密爆撃から都市に対する無差別爆撃に切り替えた。効率が悪いということと、都市を焼き払い、多くの人命と財産とを失わせれば国民の間から政府に対する怨嗟の声が上がり、日本の降伏につながるという観測があったという。しかしそうはならなかった。その結果、広島と長崎への原爆投下というおよそ許されることのない暴挙をアメリカは選択した。
日本が降伏したのは、ソ連の仲介によって停戦を勝ち取ろうとする日本側のシナリオがソ連の参戦によって崩壊したからである。イスラエルは、この事実について学んだことがあるのだろうか?
ガザへの攻撃のような方法でイスラエル市民の安眠は勝ち取れない。
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MoMo太郎009さん
つるひめ2004さんComments