EMBRACE OF LIGHT

EMBRACE OF LIGHT

12th 薄れてた真相



レオン  「貴様も、俺も・・・もともとは馬鹿な人間共の道具だったんだよ。」

刻真   「・・・違う。」

レオン  「何が違う?利用されてただけだぞ?ゲートを行使するため[だけ]に生まれた存在なんだぞ。」

刻真   「黙れ!!」

刻真は二挺の銃をレオンに向ける。その手が怒りで震えていた。

レオン  「・・・・。」

刻真   「隊のみんなは・・・俺を必要としてくれてた。お前とは違う」

レオン  「俺が除隊されたのはなぁ・・・危険すぎたからなんだよ。貴様[以上]にな。」

刻真   「・・・・?」

レオンの言葉の意味が分からなかった。

レオン  「俺たちは・・・いや、俺たちに限った事じゃないが・・・試されてたんだよ、上のやつらにな。」

刻真   「・・・どういう事だ?」

レオン  「上は知っていたんだよ・・・ゲートの事も・・・ゲートと俺たちの事も。」

刻真   「!?」

レオン  「研究に関わってた誰かが情報をリークした・・・そのおかげで俺たちは[監視の対象]になったんだよ。同時に使い物になるかも    試した。それが」

刻真   「渚の・・・・」

レオン  「そうだ。」

レオンの笑みは徐々に邪悪なものになっていった。

レオン  「俺を除隊させ、隠れて俺を殺すつもりだったんだろうが・・・ファナの登場が予想外だったようだ。上は俺の居場所を完全に見失った。」

刻真   「・・・・・だから何だ?」

レオン  「・・・・何?」

銃を握る刻真の手の平から血が流れ始めた。強く握りすぎたのだろう。

刻真   「これは・・・お前の問題だろう?それを・・・次元まで飛んで大きくするな!」

レオン  「・・・・・フ・・・・フフフフ。」

レオンは笑いだした。堪えながらも溢れる笑い・・・

刻真   「何がおかしい!!」

レオン  「まだ分からんのか・・・俺の・・・いや、俺と貴様の目的が。」

刻真   「お前と同じ目的を持った覚えは無い!!」

レオンは呆れた表情を浮かべ、諭すように話す。

レオン  「考えてもみろ。俺たちだけがゲートという大きな力を行使できる。本来は時代をさかのぼるだけだったがな。」

刻真   「・・・・・。」

レオン  「だが、俺たちは今次元を越えてここにいる。何故だと思う?」

刻真   「・・・・・!マス・・・ター。」

レオン  「そう・・・契約者から与えられる力が俺たちを進化させた。次元を越える程にな。」

刻真   「しかし俺がここに来た時にはお前にはマスターなんて・・・・!」

レオン  「居なかったと思ってたか?」

刻真   「・・・・エレン。お前・・・あの時には」

レオン  「よく覚えてたな・・・あの時、エレンが貴様を刺した時には既にヤツは俺のマスターになってたんだよ。」

刻真   「嘘・・・だ。」

レオン  「真実を・・・見せてやろう。」

レオンは腰に忍ばせていた魔剣[ジャスティス]を取り出した。刻真は慌てて銃を構えなおす。

レオン  「攻撃はしない・・・」

ジャスティスは光りだし、刻真とレオンを包み込んでいった。






刻真   「・・・・・うっ」

刻真は意識を取り戻した。

刻真   「・・・・・何だったんだ?」

光に包まれてからの記憶が無い。それに、今居る場所は麻都の部屋ではない。

刻真   「ここは・・・」

見覚えがある古びた部屋。曖昧な記憶は次の瞬間、はっきりと思い出す事になった。

何かから逃げるように部屋に入ってきた男。腕から血を流し、酷く疲れきった表情だった。

刻真   「・・・・俺だ・・・あの時の。」

エレンを置いて来た古びた洋館。そして、エレンに刺される事になったあの洋館に刻真は居た。



刻真は混乱していた。目の前にいる昔の自分・・・。なぜ自分はここにいるのか。わからずに居た。

突如、昔の刻真の背後の壁が崩れ落ちる

刻真   (!!)

刻真はこの後の出来事を思い出す。「彼女が現れる」


ゼロ   「マス・・・ター?」

エレン  「・・・・・・・。」

刻真   (・・・駄目だ。)

エレンが懐からナイフを取り出す動作を刻真は見た。

刻真   (逃げろ!!)

エレンのナイフは昔の刻真[ゼロ]の腹部に突き刺さる。

刻真   (!!)

ゼロ   「!!・・・・・・な・・・・ぜ?」

エレンは顔色一つ変えずに話す。

エレン  「あなたが・・・あなたはレオンと同じ・・・世界を操る事の出来る存在だからよ。」

刻真   (・・・世界を操る?・・・ゲート行使能力の事か?なぜエレンが?)

ゼロはその場に倒れる。状況の一部始終を見ていたある男が現れた。

レオン  「終わったか?」

刻真   (レオン!?)

エレン  「えぇ・・・。これで良かったのね?」

レオン  「あぁ・・・これで邪魔者も居なくなった。」

エレン  「・・・。」

刻真   (・・・何がどうなってる?)

刻真は状況が理解できていなかった。

レオン  (これがお前の意識が途切れた後にあったやりとりだ。)

突然の声に刻真は少し驚いた。

刻真   (レオン!!)

レオン  (聞きたい事もあるだろうが・・・順に説明してやる。)

刻真   (・・・何故エレンが・・・)

レオン  (俺が全て話した。ゲートの事も・・・俺と貴様の出生の事も。)

刻真   (・・・何故だ!?)

レオン  (必要だったからだよ・・・エレンとの契約が。)

刻真   (エレンとの・・・契約?)

不思議に思った。何故エレンとの契約が必要だったのか?

レオン  (いや、正確には貴様との契約破棄が目的だったがな。)

刻真   (契約破棄・・・何のために?)

レオン  (俺の目的に貴様は障害になる可能性があったからだ。だから貴様の力の供給源を断ったんだ。)

刻真   (目的?お前の目的って何だ?)

レオン  (まぁ待て。見てみろ、まだ続きがある。)

レオンの言われるままに過去の出来事をもう一度見る。何故かエレンとレオンが慌てている。

無理もない。倒れていたゼロの身体が淡く光りだしたからだ。

エレン  「何が起きたの!?」

レオン  「チッ、まだ生きてたか!?」

ゼロの身体の光は頂点に達して・・・・その場から消えていった。

刻真   (・・・俺の身体に何があった?)

レオン  (少し遅れて・・・自己防衛能力が働いたのだ。お前はこの時に未来へ・・・しかも別次元に飛ばされたのだ。)

刻真   (飛んだ・・・・)

自分の手のひらを見る刻真。この身体に宿る不可思議な力・・・。刻真は怖くなっていた。

レオン  (ここで過去の出来事は終わりだ。)

レオンの言葉に反応するように、刻真は再び眩い光に包まれた。



気づいた時には既に麻都の部屋だった。レオンも居る。

刻真   「・・・・・。」

レオン  「飛んだ貴様を探すのには苦労したぞ。キメラビーストを使い、貴様の匂いを辿った。そしてここに着いた。」

刻真   「・・・そんな事はどうでもいい。」

レオン  「?」

刻真   「教えろ・・・お前はエレンを巻き込んだのか?」

レオン  「それは違うな・・・エレンは俺の目的に賛同した。だからお前を殺そうとしたのだ。」

刻真   「お前の目的って何だ!?」

レオン  「・・・・・」

レオンは酷く冷たい視線を刻真に送りながら話す。

レオン  「俺と貴様の生みの親が成し得なかった事・・・世界の改ざんによる世界統一だ。」

刻真   「!!世界・・・統一だと?」

レオン  「親思いだろ?」

刻真   「ふざけるな!!」

刻真は再びレオンに銃口を向ける。

刻真   「関係の無い世界を巻き込み・・・何が世界統一だ!!馬鹿馬鹿しい!!」

レオン  「・・・貴様は少し勘違いをしているな。」

刻真   「・・・なんだと?」

レオン  「俺は何もこの世界まで改ざんする気は無い。この世界を巻き込んだのは・・・最初に飛んできたゼロ・・・貴様だ。」

刻真   「!!」

何も言い返せなかった。事実だからだ。自分がここへ来なければ、恐らくこの世界は関係なかったと思った。何事も無く、現マスターの麻都も普通に暮らしていたのかもしれない。

そう考えた一瞬だった。

レオン  「隙あり」

刻真はハッとして飛びのいたが遅かった。レオンの魔剣は刻真の二挺拳銃を横から串刺しした。

刻真   「!!ファントム・・・ゴースト!!」

拳銃から抜け出た二匹の精霊は血を流してぐったりしていた。

レオン  「・・・精神崩壊だな。」

2匹の精霊は刻真の心の象徴。その2匹が傷つく事・・・すなわち刻真への精神的ダメージを意味していた。

刻真はその場に崩れ落ちた。

刻真   「・・・・ファントム・・・ゴースト」

レオン  「貴様も仲間に取り込み、目的を果たそうとしたが・・・気が変わった。そのまま自らの殻に閉じこもるがいい。」

レオンはその場から消えていった。同時に刻真はその場に倒れた・・・。

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