6L6シングルアンプ製作記

6L6シングルアンプの製作






この6L6シングルアンプはだいぶ前に知り合いの方が生前一度真空管のアンプを作ってみたいとシャーシーを及び小物部品を除いて収集されたものの製作されることなくお亡くなりになり新品部品のまま残っていたものです、その後私が譲り受けましたがなにかと忙しく放置されたままでした、しかし昨年より自分が昔楽しんでいた真空管アンプ製作再開したことを機に06年5月に故人の意志を実現させるためにこのアンプも製作してみました。









6L6という真空管

オーディオ用真空管では最もポピュラーな球ですね、ナス型ではなく俵型のモダンな形をしていますが実は歴史が古く1936年頃の開発当初はメタルでした、この黒光りするメタルはアマチュアのアンプマニア・ハムマニアに人気となり一度はこのメタル6L6で作ってみたいという望みを押さえきれなかったそうです。中にはこのメタル管を逆さまにしてコップにいれ水冷にして86Wも入力させた送信マニアがいたとか!ま、とにかく伝説の多い球です。その後6L6Gが出現さらに送信用の頭にプレートを出した807、そして日本で超短波用に改良された807Aが登場 これを逆にアメリカに真似されたのが807W!!どうやら戦前から日本の技術は優秀だったのではないでしょうか。807はナス型ですがこれを俵型に、そしてプレートキャップをソケットピンに変更し オーディオ用にしたものが6L6GCです。構造的にはなにも珍しくないビーム管ですが丈夫で30~50クラスのアンプ製作には手ごろで使い易く、頑張るとシングルでも10Wは出せることとご機嫌な音が期待できます。尚相当管に350Bがあり回路によっては差し替え可能です。
(実用真空管ハンドブックを参考)


エレキバンドに人気の6L6は真空管存続に繋がる
トランジスターの出現により主要生産国であったアメリカではすでに生産されておらず中古市場で高額な取引がされ一部のマニアしか真空管アンプを使わなくなりました。一見ぶち壊した音を出すエレキバンドには関係ないように思えます、以前昔の音楽仲間にエレキなんかトランジスターでいいじゃないか・・・!と言ったところ「バカモン」とこっぴどく怒られてしまいました 彼ら曰く トランジスターではこの破壊したなりの音が出ない為不満なのだそうです、なるほど伝導率の悪いトランジストーでの増幅では歪・雑音特性に差が出るでしょうねしかし最近になって中国・ロシア等で生産されています これはもともと真空管の方がトランジスターよりも信頼性が高いことで昔から軍需産業として生産されていたのですが再びエレキで使われだした所に目をつけて生産するようになったのでしょう。2A3・300Bなども手に入るようになりオーディオファンにはありがたいことです。

手持ち部品

OPT     タンゴ U808 ペア
電源トランス  ST230
チョークコイル CH 5-250
真空管     GE  6L6GC
12AU7
ご覧の通り 高額部品は全て揃っていました、ここまで揃えていて残念だったでしょうね。尚シャーシーは写真のものではなく以前三栄秋葉原店が閉店される折に買い置きしておいたマッキンスタイルのステンレスを使用ししました。














なぜ真空管のアンプが良いのか?
 音の良し悪しは歪や雑音をいかに少なくするかにかかっています、この歪・雑音の一つに伝導率の良否が関係しています、伝導率の逆数が電気抵抗となりこれが歪・雑音の原因になりなりますが、真空管は電気抵抗が少なく半導体に多い為に比較すると真空管の方が透明度の高い音になります。


配線の様子



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