越中屋*四十五右衛門*商店

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〈演歌〉は人生の歌か?~プラス+8


なかでも〈人生〉というテーマを歌うシンガーの第一人者と言えば北島三郎でしょう。
彼は原譲二としてほとんどの曲を共作しているのでシンガー・ソングライターと呼んでもよさそうですね。

ところが、「山」「谷」「峠」「道」「年輪」などの〈人生〉を歌った作品からは、じつはあまり〈老い〉が感じられないんです。

現代の日本において中高年層を対象にしたポップスと言えば、まず〈演歌〉ということになるでしょう。客観的に見ればこれに異論は少ないと思います。

〈人生〉〈老い〉がこれまで〈演歌〉のテーマとして歌われてきているのか。じっさいどうなんでしょう。


吉川精一による「哀しみは日本人-演歌民族論」(92)という本を見つけました。著者はNHKのアナウンサーで80年代以降芸能畑を歩んだ方です。

この本の中に、現代(90年代)〈演歌のテーマがどのように変化しているか〉が書かれています。

-昔- 
股旅、港、酒場、マドロス、無法者、
待つ女、耐え忍ぶ女、
諦めざるを得ない恋、望郷


-今-
不倫、耐え忍ぶが 強い女
人生、男の仕事、夫婦、親子


恋愛が大きなテーマに変わりはないんですが、家父長制、ムラ社会から、自由恋愛、核家族などへ社会規範も大きく変わっていく中で、恋愛観、結婚観が大きく変化しました。
こうして悲恋ものを受け継ぐテーマが〈不倫〉になり、現代の主流になっているそうです。

非日常的な銀幕的なものから、リアリティー重視なTVドラマ型へ変化しているようにも見受けられます。



ここで気づいたのは、
昔の演歌のテーマには、〈人生〉を歌ったものが意外に少ない。

JASRAC の「作品データベース検索」でタイトルを〈人生〉で検索すると2800以上出てきます。


春日八郎、島倉千代子、水前寺清子、田端義夫、鶴田浩二、畠山みどり、三橋美智也、三波春夫、村田英雄など大御所に何作かずつありますが、代表作とは言えないようです。


反対に、歌詞検索サイトで
タイトルを〈人生〉で検索すると
当然ですがほとんどが近年の作品です。


このなかから
70年代以前のものをいくつか挙げますと・・・

人生の並木道(37)ディック・ミネ

無法松の一生(58)村田英雄

人生劇場(59)村田英雄

傷だらけの人生(71)鶴田浩二


〈人生〉を歌ってはいます。
ただ、けっして〈老い〉については歌ってないんです。

おそらくシンガーも若いし、リスナーも若い、いや少なくとも老いてはいない、んですよね。

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