ピストンリング交換

ピストンリング交換・バルブ手入れ




 ここ数年、ステップで加速すると白煙が多くなって来ていた。
 ピストンリングの経年劣化が一番の原因と判断。
 修理工場に依頼すると日数も掛かるし、作業費用もバカにならない。
 いつもお世話になっているKABAさんに、教えてもらいながらピストンリングの交換を行った。
 エンジンを分解したついでに、バルブのOHも実施。
 合わせて、長年使用している消耗品も交換した。

    <ピストンリング前回交換時期>
     S61年にホンダサービスでエンジンOH時ピストンと共に交換。
     今回交換までの走行距離は、22000km

    <バルブ前回OH時期>
     H13年ヘッドガスケット交換時に、バルブも手入れ実施。

    <作業日>
     H17年7月9日(土)

    <作業時間>
     8時30分~22時30分

    <交換品>
     ・ピストンリング
     ・バルブステムシール
     ・シリンダーヘッドガスケット
     ・オイルパンパッキン
     ・オイルパンドレンプラグ部ワッシャ
     ・ホンダ純正エンジンオイル
     ・クーラント

     ・ポイント
     ・プラグ
     ・タイミングベルト
     ・A・Cジェネレーターベルト(Vベルト)


<作業-1>
ピストンリング交換-1

<左上> 作業開始前。

<右上> グリル,ボンネットを外しジャッキアップ。
          冷却水クーラントのブロー。

<左下> エンジンオイルの抜き取り。
          エキパイをシリンダーヘッド部より取り外す。

<右下> エアークリーナー,キャブの取り外し。




<作業-2>
ピストンリング交換-2

<左上> オイルパンの取り外し。
          オイルポンプ関係の取り外し。(画像では、まだ装着されている)
          メインベアリング軸受け部の取り外し。(画像では、まだ装着されている)
          コンロッド部を分解し、下側の取り外し。(画像では、まだ装着されている)

<右上> 取り外したオイルパン。
          内部はとっても綺麗。

<左下> ヘッドカバーとベルト類の取り外し。

<右下> キャブは、今回何もしない。




<作業-3>
ピストンリング交換-3

<左上> 作業は慎重に実施するが、万が一ボディーに当たってしまうと取り返しが付かなくなる。
          ボロタオルをグルグル巻きにして完全保護。

<右上> 配線,ホース類を外し、ヘッドの切り離し。

<左下> シリンダーヘッド部、取り外し完了。

<右下> 切り離された、シリンダーブロック部。
           ピストン一式を、シリンダーブロック下側から上に押し上げて上側から抜く。




<作業-4>
ピストンリング交換-4

<左上> ヘッド面の手入れ。
          カッターの刃やスクレバーで、ガスケットの除去。

<右上> 灯油にたっぷり浸けたオイルストーンで、ヘッド面ひずみの修正。

<左下> ヘッド面と同様に、シリンダーブロック面の手入れ。
          細かいガスケットかすが、冷却水系統に入ってしまうがしょうがない。

<右下> こちらもヘッド面と同様に、オイルストーンでひずみの修正。




<作業-5>
ピストンリング交換-5

<左上> バルブ,バルブシート面には、カーボンの付着が凄い。

<右上> バルブを抜き取る為、クランクシャフト部をばらし分解。
          バルブリフターでバルブの取り外し。

<左下> 取り外したバルブには、シート面以外カーボンが大量に着いて太っている。
          電気ドリルにバルブを付けて、回転させながらスクレバーでカーボンの除去。
          タコボウ(吸盤が付いた磨き棒)で当たり面を出す。

<右下> 手入れが完了し、バルブの組み込み完了。




<作業-6>
ピストンリング交換-6

<左上> 取り外したピストンは同じシリンダーに戻すので、左右明確にしておく。
          左は手入れ前のピストン。
          灯油で洗ってあげると、右のように綺麗になる。
          問題のピストンリングは、一見大丈夫そうに見えた。
          新品のピストンリングを組み込むと、ピストンリングの広がり方が大幅に違う。
          リング合口の向きは120°または180°間隔ではめる。

<右上> ピストンリングコンプレッサーを付けて、ピストン挿入準備。
          ピストンの取り付けは、INの刻印があるので間違わないようにする。

<左下> ピストン上部をプラスチックハンマーで軽くたたいてあげると、ピストンはすんなりと入って行く。

<右下> ピストン挿入完了。
          片側も同じように挿入する。




<作業-7>
ピストンリング交換-7

<左上> コンロッドベアリングを入れて、コンロッド部下側の取り付け。

<右上> メインベアリング軸受け部の取り付け。
          ベアリングは茶色のノーマルタイプだった。
          ベアリングも問題無いので、モリブデングリスを塗ってそのまま組み込み。

<左下> メインベアリング軸受け部とオイルポンプ関係の取り付け。
          シリンダーブロックの下側面も、パッキンかすをスクレバーで除去しオイルストーンで手入れ。

<右下> オイルパンパッキン面も、パッキンかすをスクレバーで除去しオイルストーンで手入れ。
           オイルパンパッキン両面に液体パッキンを塗布し、オイルパンをシリンダーブロックへ
          1kg・mで締め付けて取り付ける。




<作業-8>
ピストンリング交換-8

<左上> ブレーキ屋さんで購入した「ヘッドガスケット用液状パッキン」。
          ホンダ純正ノーマルの「シリンダーヘッドガスケット」。

<右上> ヘッドガスケット用液状パッキンを付属のハケで全面に塗る。

<左下> 裏側もヘッドガスケット用液状パッキンを塗布。

<右下> シリンダーブロック面に仮乗せ。





<作業-9>
ピストンリング交換-9

<左上> クランクシャフト部を組み込んでから、シリンダーヘッド部をシリンダーブロックに乗せる。

<右上> シリンダーヘッドボルトを均一に締め付け。
          ここは一番重要な箇所。
          マニュアルでは3.5~3.9kg・mと明記されているが、トルクレンチを使い5kg・mで締め付け。

<左下> ヘッドカバー,キャブ,ベルト等の取り付け。
          点火時期の調整。

<右下> エアークリーナー,各配線の取り付け。
          ラジエターには、仮で水道の水を注入。
          エンジンオイルを注入。
          完全にオイルは抜かれているので、4リットル缶ほとんど入ってしまう。

          22時過ぎ、エンジン始動。
          静かにエンジンは掛かってくれた。
          タイミングの調整をし、本日の作業は終了。




<作業-10>
ピストンリング交換-10

<左上><右上> ラジエター内の水洗。
          翌日、水道水をジャバジャバ入れてパッキンかす等の洗浄。

<左下> OHから約2週間後、エンジンオイルとオイルフィルターの交換。

<右下> 組み込んだエンジンから、圧縮漏れ等は無い。
          数キロ走行後、シリンダーヘッドボルトの増し締めを行う。



*今まで発生していた白煙は無くなった。
      暫くこのエンジンを使える。
      今回も、KABAさんありがとうございました。

       このエンジンが元気なうちに、予備のエンジンをボアップしメッキ化して行く予定。




     (H17年7月29日ページ作成)





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