[【ＳＤ物語】]の記事一覧 | 寝ても覚めても貴方の事ばかり（mi wa koのドールストーリー日記）

【ＳＤ物語】【記憶は海の彼方】・・・『６』

蓮「・・・・・美羽子さん！？貴方この人をお迎えして直ぐに我慢出来ずにオフ会で撮影したでしょ！？服を着せたままにしておいたら色移りするっていうのは基本中の基本なのに何でこのまま・・・・！！」美羽子「ちちち・・・・違うよ～！！確かに浮かれて我慢出来ずにお迎えした直後に撮影会したけれども、ちゃんと全部外して元通りに戻したもん！！」蓮「じゃぁ何で・・・・」ピチャ・・・ン・　・・・　　・　　　　　・蓮「？・・・・・・濡れてる！？しかもこの香り・・・・海水みたいだけど・・・・まさかこの人を抱っこして泳いだなんて事・・・・？」美羽子「はぁ！？んな訳ないじゃん！ってか・・・何で～～！？絶対絶対元通りにしたもん！セットのアクセが欠品だったから、天すみにも行ってスタッフの人と箱を開けて中を検めたし・・・・・その時はこんな・・・・・・」？？？？？「うっ・・・・・」ゴソ・・・・蓮「し！・・・・気が付いたみたいですよ。あの、だいじょう・・・・」　　　　　バッ！！美羽子「わ！」？？？？？「セシル・・・・！」蓮「えっ・・・・？」？？？？？「セシル、・・・・　　・・・・　・・・・・・・。　　・・・・。」蓮（外国語！？）「あ・・・あの・・・・・・・」？？？？？「・・・・　　・　・・・・。」　　　　　　　　　　　　　　　　　　フ・・・・ドサ・・・・・！蓮「お・・・おい！あんた・・・？・・・・あんた・・・・！！」美羽子「ええええ～～～！？何何何！？どゆ事～～～～～！？」蓮「美羽子さん！パニくってる場合じゃないよ！急いで僕の服を持ってきて着替えさせて！あと・・・・！！」美羽子「ハ・・・・ハイ～～～～～！！」 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ あの後、澪さんがそれまでの自分の記憶が無いって事が解って、最終的に理事長が澪さんの身元が解るまでの身元引受人って事で藤堂邸に引き取ったんだよな・・・・・。（美羽子さんじゃ頼りないから・・・・）今ではすっかり周りに馴染んでいるけれども、もし記憶が戻ったら・・・・どうなるんだろう？記憶を１度失って、また元の記憶が戻ったら、その記憶を失ったまま生活していた期間の記憶を逆に全て忘れてしまうって聞いた事があるけれども・・・・・・本当に記憶が戻ったらここでの生活を・・・・・僕の事も全て・・・・・・忘れてしまうんだろうか・・・・？

【ＳＤ物語】【記憶は海の彼方】・・・『５』

蓮「・・・・・・・・・・ハイ、ハイ、それでは澪さんにその事を伝えておきますね、では失礼します」ピッ蓮「・・・・・・・・フゥ・・・・言いたい事があるなら澪さんに直接言えばいいのに・・・・僕ってばすっかり澪さんへの伝書鳩だな～。そう言えば澪さんって、学園内で用務員のおじさんや生徒達の手伝いとかは進んでやる割には友達と町に出掛けるとかって事無いみたいだもんな～・・・・澪さんも僕意外にももっと親しい人を作って携帯番号を教えたりすればいいのに・・・・・・・人に好かれる割には自分から輪の中には入っていかないんだよな・・・・・・やっぱりそれも記憶喪失の病気の影響なのかな？それにしても、澪さんがここに来て3年か～・・・早いよな、もぅずっと前から澪さんと一緒にいるような気がする・・・・・・・・・・・」 3年前・・・・・・・・・・・・・・・。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ その日は僕のオーナーの美羽子さんが朝からやけに機嫌が良かったんだよなぁ・・・・・・・・。美羽子（わたくし）「蓮～～～！！蓮！！ちょっと来てみ～～～～！？」蓮「何ですか？美羽子さん、僕まだ生徒会の会計終わってないんですけれども・・・・」美羽子「じゃ～～～～～ん！！」！！・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。蓮「こ・・・・・この箱って・・・・・」美羽子「えへへ～～～！とうとうお迎えしちゃったよ～ん」蓮「オークションにはあれ程頼りたくないって言ってたじゃないですか！？いくら掛かったんですか！？今だいたいの落札相場は２０万くらいだから・・・・・原価より６～７万増しでお迎えしたんですか！？」美羽子「ちっが～～～う！！ちゃんと根性出して朝早く秋葉原天すみのアフターに行って並んだんだよぅ！！」蓮(;￢_￢)　すっごい疑いの目・・・・・「　 ┐(;￣ー￣)┌・　・・・・・貴方がそんなくじ運が良い筈無いじゃないですか・・・。聞く所によると、最終的に限定列に並んだ人数は８８０人になったそうですが、用意されたレイズナーは２０～３０体、ありえないでしょ！？」美羽子「チッチッチ！普段の行いが良いので、神様が『 o(^∇^)o美羽チン頑張ったね～♪』って事でミラクルを起こしてくれたんだよ！」蓮「・・・・・普段の貴方を見ると、普段の行いが良いとはどうしても思えないんですけれども。どちらかっていうとお迎え欲が強すぎて呪いに近かったような・・・・？」美羽子～～～～～～～～～！！（う・・・！こんにゃろぅ～～～！！でも、どちらかというと蓮の言っている事の方が正しいので何も反論出来ない・・・・って！また高校２年生にやり込められている私っていったいｗ）蓮「ま、もう意地悪な事を言うのはここまでにしましょう。それにしても今度の新しい住人はいったいどんな人なんですかね？」美羽子（てか、蓮ってば平静を装っているけれども、けっこう本心はウキウキじゃ～ん！ウケケ・・・やっぱり子供だのぅ！ププッ (￣m￣*）カ～ワイイ！）「んじゃ、ご対面しよっか！」パカ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。美羽子「は？」

【ＳＤ物語】【記憶は海の彼方】・・・『４』

ガチャ・・・・・フゥ・・・・・澪（ぼっちゃま・・・か・・・・・）澪（しかし、本当にその瑠衣って奴と俺はそんなに似ているんだろうか・・・？世の中には自分に似ている奴が3人は居るっていうけど、周りの反応を見ると、ただ似てるって範疇を越えているような気がするんだよな～。・・・・・・・まさか・・・・・本当に俺がその瑠衣だったりして・・・・・・・・・・？いくらなんでもまさかな、その瑠衣が８年前に居なくなった時の年齢と今の俺の年齢の計算が合わなくなるだろうし・・・・・記憶が無いっていったってそれはないだろぅ・・・？）チャリ・・・・・澪（・・・・記憶・・・・・か・・・・・・）澪（本当に・・・・・俺はいったい何者なんだろう・・・？何となくこのネックレスは大事な気がして見ていれば記憶が戻るかもしれないと思ってずっと身に付けてはいるけれども・・・・・・それでも、ちっとも思い出せない・・・・・。このカギは・・・・・・・・確かに大事な物のような気はするんだよな。良く見ると、このカギの形はただ単にアクセサリーのカギって感じでもないし・・・・・きっと何か大事な扉や箱かなんかを開ける為に必要な鍵に違いないとは思うんだけど・・・・・・・）澪（・・・・・・・・・いつか、本当に記憶が戻って・・・・・自分が居た場所に戻って行く日が来るんだろうか・・・・？）澪（いつか・・・・・・・・・蓮や、この居心地の良い場所から去る日が来るんだろうか・・・・？）

【ＳＤ物語】【記憶は海の彼方】・・・『３』

パタパタパタ・・・・。お手伝いのタキさん「あら！澪様お帰りなさいませ。車を先に帰らせたと聞いていたので心配していたんですよ？」このニコニコしながら小走りに駆け寄ってきた６０代の小柄な女性は、この藤堂邸で３０年近く家政婦として務めている家政婦さんだ。澪「ごめんごめんちょっと散歩したかったんだよ。と、言うか、タキさん？様付けはよしてくれって前から言ってるのに・・・・・」タキ「澪様は旦那様がお預かりしている大事な方、今ではもうお子様のような方ですもの、そんな事・・・・」澪「様だなんて堅っ苦しくてどうも慣れないんだよな～・・・・・それよりも理事長は・・・？」タキ「旦那様は先程ニューヨークに発たれました。・・・・・それよりも、澪様？昨日の夜のような事はもうお止め下さいませ？」澪「え？何かありましたっけ？」タキ「もぅ！トボケられてもタキはシッカリ覚えていますよ！？夜中に屋根の上に上っていらしたではありませんか！屋上がございますのに何で態々（わざわざ）屋根の上に登るのですか！？タキは本当に心臓が止まるかと思いましたよ！？」澪「はは・・・・悪かったね、どうしても屋上ではなくって一番高い所から星を見たかったんだ・・・・」タキ「・・・・本当に、ぼっちゃまは昔からそうでございましたね～。いつも物静かな方なのに、タキが目を離した隙に木に登ったり、屋根の上に上ったり・・・・・・そうそう、3歳の頃なんか・・・・」ハッタキ「・・・・・・・・・申し訳ありません、澪様。」澪「・・・・・タキさん、気にしなくっていいよ。それにしても、タキさんがウッカリ勘違いする程・・・・・俺と理事長の息子さんはそんなに似ているの？そんな腫れ物を触るように気を使われても逆に居心地悪いしさ、タキさんが良かったら息子さんの事を話してくれないかな？俺もその自分に似ているっていう息子さんの顔を見たいなって思っていたんだけれども、写真も飾られていないようだしさ。」タキ「・・・・・・・・えぇ、本当にソックリでございます。お顔も、身長や体型、言葉（日本語）を覚えられた今では喋るイントネーションさえも本当にソックリで・・・・・・・。澪様を初めてここでお迎えした時には、お亡くなりになった奥様に代わって幼い頃からぼっちゃまのお世話をさせて頂いたわたくしも、ぼっちゃまが生きてもどられたのかと思ったくらいですもの。ただ、一つ違う所はお声だけでしょうか・・・？瑠衣さまは、まるで鈴を転がすかのような女の子のように優しげなお声でしたが、澪様は男性らしい力強さがございますねものね。写真は・・・・・今はこのお屋敷には１枚もございません。坊ちゃま、瑠衣（ルイ）様が８年前、２１歳の時に海に落ちて行方不明になり、死亡扱いになってしまった時に旦那様が顔を見るのが辛いからとビデオや写真を全て貸し金庫へ・・・・・。お子様が欲しいと願って願って、やっと授かったお子様でしたし、奥様も瑠歌様がお生まれになって直ぐに他界されてしまったので、本当に旦那様にとっては瑠衣様が全てだったんです。なので、坊ちゃまのお部屋もずっと鍵を掛けて開ける事も出来ずに・・・・・」澪「・・・・・・それであの部屋を俺に・・・？随分用意が良いなと思って不思議に思ってたんだよね、部屋の住人は居ない様なのに、家具や丁度品もついさっきまで人が使っていたように揃えられているし、クローゼットには俺に丁度良いサイズの服が沢山掛かっていて好きなのを着て良いって言うし・・・・・」（だからタキさんは最初に俺を見た時に俺に駆け寄って泣いたのか・・・・・）タキ「旦那様は瑠衣様が生きて戻って来られたように思って嬉しいのでございますよ。澪さまはぼっちゃまの身代わりのような扱いをされて気分を害されるかもしれませんが、どうか最愛のお子様を亡くされた旦那様のお辛い気持ちをお察しして下さい。」澪「俺は大丈夫だよ、充分過ぎるくらい良くしてもらっているし。・・・・・・・でも、遺体は見付かってないんでしょ？本当にそのまま、その瑠衣君のものを俺が使っていて良いのかな？逆に悪くないかな？」タキ「いいえ、澪様がそのままで良いのでしたらそのままお部屋や身の回りの物を使ってあげて下さいませ。・・・・・・・・瑠衣様の事は・・・・・タキももうお亡くなりになっていると・・・・・・諦めております・・・・。」そう言いながら、タキさんはまるで自分の子を亡くしたかのような悲痛な表情をした。澪「ごめん、タキさん。・・・・・タキさんも自分の子供の様に世話をしていた瑠衣君に先立たれて辛かっただろうに、こんな話をさせちゃって・・・・・・。」タキ「お優しいお言葉、ありがとうございます。でも、タキは瑠衣様の身代わりでという意味ではなく、本当に澪様がこのお屋敷に来てくれて嬉しいのでございますよ？旦那様はお忙しくって殆どこのお屋敷には居られませんし、お料理を澪様に御出しすれば気持いいくらいペロリと平らげて下さいますのでお料理する張り合いがございます。他の使用人達も澪様のお蔭で明るくなったのでございますよ？」澪「え～！？俺そんなに大食らい～！？でも、タキさんの飯は本当に美味いんだよな～！・・・・・・・・でも、そんな風に言ってくれて嬉しいよ、やっぱさ、今まで居候させてもらってるって引け目はあったからさ・・・・・」タキ「何を引け目に思っているのでございますか？旦那様も、わたくしも、使用人達も、澪様の事を居候だなんてちっとも思っていませんよ？このままずっと、ず～っとこのお屋敷に居て下さいませ。」澪「ありがとう、タキさん」タキ「あら！・・・・まぁまぁ！すっかり話し込んでしまいましたね、申し訳ございません。直ぐにお食事のご用意を致しますね、御用ができましたらお呼びしますのでお待ち下さいませ。」良かった、いつものタキさんに戻ったようだ。澪「あぁ、ありがとう。」そう言って俺は自分の部屋に・・・・・・元は瑠衣の部屋だった所に戻った。

【ＳＤ物語】【記憶は海の彼方】・・・『２』

ガサ・・・・・・澪「フゥ・・・・・夏とはいえ流石にこの時間になると辺りは真っ暗だな～！夜風が気持ち良かったからいつもと違う道を散歩しながら帰ろうと思ったけれども・・・・・大の男でも仕事帰りにこの森の小道を歩くのはちょっとキツイな～・・・・・素直に迎えに来た車で送ってもらえば良かったかな・・・？」今俺は、鬱蒼と茂った薄暗い森の中を一人で歩いている。学園での仕事を終えて帰路についてるのだが、俺が今お世話になっている籐堂氏の館は、ちょっとした森の中にある、驚く事にこの森も全て籐堂氏の持ち物だというのだから、いったいどれ程の資産家なのかと改めて驚かされる。藤堂邸・・・・・・・・・・・・。俺（澪）が今世話になっているこの洋館は、小さな森に囲まれた大きなアールヌーヴォー式の白亜の洋館だ、森からそそり立つその洋館の立派な時計塔を見ると、まるでその空間だけ日本から切り離されて、外国の地に瞬間移動をしてしまったのではないかと一瞬疑ってしまう程だ。その洋館は、その藤堂の名と共にこの町では町の象徴として有名であり、タクシーに乗り『白亜邸』と一言言えば、この籐堂邸にすんなり案内してくれる程だ。その『白亜邸』の主（あるじ）である藤堂氏は、蓮や俺の通っている学園の理事長だ。この町をここまで大きくした影の立役者としても有名なのだが、実際の年齢よりも１０も２０も若く見えるこの品の良い、英国紳士風の見事な白髪の男性は、自分の権力を傘に着る事もなく、人々の賞賛にも決して天狗になることのない藤堂氏は、人格者としても周りの人間から尊敬されている。どこをどうやってここに辿り着いたのか、いまだに思い出せないのだが、記憶を失ったままこの町、藤堂氏に保護されて3年。初めは言葉も通じず、自分が何者なのかも解らず、絶望感に打ちひしがれてばかりだったが、藤堂氏から直接この国の言葉を教えてもらい、今ではもうすっかり周りの人間と普通に会話する事も当たり前になった。『君は実に物覚えが良いね、きっと元々頭が良いんだろう』そう言って、優しく微笑み俺の事を褒めてくれたが、きっと俺の言葉をただ一人理解し、忙しい中、自分の殻に閉じこもってしまった俺を根気良く宥め、言葉を教えてくれた籐堂氏の教え方が良かったのだと思う。『非の打ち所の無い人』そんな言葉があるらしいが、俺は籐堂氏の事を正にそんな人なんだろうなと思う。おっと！色々と今までの事を思い出していたら、いつのまにか白亜邸の正門まで辿り着いていたみたいだ。初めは立派過ぎるこの大きな白亜邸の正門さえも飲み込まれそうで少し恐怖を覚えたのだが、今ではこの正門を潜る事にも、もうすっかり慣れたな・・・・。ガチャ澪「ただ今戻りました」

【ＳＤ物語】・・・『記憶は海の彼方』（１）

コンコン・・・蓮「澪（レイ）さん、居る・・・・？」！？澪「あぁ・・・・蓮か？入れよ」ガチャ・・・・・蓮「フゥ・・・・ちょっと避難させてよ」　　　ドサ・・・・・澪「何だ・・・？今日は学園は休みだっていうのにまた女子達に追い回されたのか・・・？」蓮「ハハ・・・追い回すだなんて・・・今日は家庭科部が調理自習でパウンドケーキを作ったからさ、昼休みから引っ切り無しに持って来るもんだから胃がもたれちゃって・・・・１時間後には生徒会で部費の会計会議もあるから、その事でも朝から生徒会委員からも追い回されてるしさ・・・・・・昨日もその会計計算の事やってて眠れなかったし・・・・さすがにシンドイからここでちょっとひと休み・・・・・・・」澪クン・・・「クス・・・・本当だ、バニラの香りがする・・・・モテル男は辛いな～お前もさ、バカ正直に皆に良い顔して全部を受け取らないで、俺みたいにハッキリ断れば良いんだよ。生徒会の仕事もさ、お前の事だから何でもカンでも良い顔して請け負っちゃうんだろ？人脈を広げるのは結構な事だが、もぅちょい周りに任せれば？」蓮「任される内が花・・・てね。それで人脈も広がり、周りが上手く行くんならいいんじゃない？」澪「真面目だな～・・・・適当に力抜かないとその内ぶっ壊れるぞ？」蓮「・・・・良いんだよ、プライベートで適当に息抜きしてるから・・・・あ・・・・僕、邪魔？」澪「イヤ、図書管理だなんてやる事やってしまえば後は暇だからさ。しかし、お前もここが好きだなんて変わってるよな～。ここに来てクソ真面目にお勉強ししたり本を読んでいるのはお前くらいだぞ？・・・・他にこの図書室に立ち寄る奴なんて、昼寝したい奴か、イチャ付きたいカップルくらいしか来ないしな・・・・・・・・ま、そんなもんは俺が追っ払うけどな」蓮「あ～・・・・そうそう、澪さんが来てから、澪さんがおっかないもんだから不埒な奴が近づかなくなって快適快適僕、元々図書室の古い本の匂いが好きなんだ・・・・・落ち着くんだよ。澪さんは・・・・また外国の伝説や伝承の本を見ているの・・・？」澪「ん？あぁ・・・なんとなく・・・な。しかし、この学園の図書の数は凄いよな～。特に各国の歴史や伝承、伝説、お伽話関係の本の数は、ヘタな町の図書館よりあるんじゃねぇの？」蓮「・・・そうだねー、本は元々理事長の趣味だから・・・・・確かに調べ物をするのならば町の図書館に行くよりもここで調べた方が早いかも・・・・」澪「・・・・理事長・・・・良い人だよな。町の中でもかなり地位の高い人みたいなのに気取ってないしさ、こんな正体不明の俺の養父代わりになってくれた上に、学園の図書管理の仕事まで与えてくれて・・・・ま、亡くなった息子さんに似ているって最初にチラっとは言っていたけれどもさ・・・・」蓮「うん・・・・理事長は良い人だよ、僕も好きだな・・・・・澪さん、眼の視力は良い筈なのに何でメガネ掛けてるの・・・？取っちゃいなよ」澪「あ！こら！眼が良すぎるとな、逆にこう本が沢山あってガチャガチャした空間に居ると見え過ぎて頭が痛くなるんだ、だからメガネでワンクッション置いてんの」蓮「ふ～ん・・・・そんなもん？」澪「お前だって本当は視力良い筈だろ？何で掛けてるんだよ？」蓮「う・・・ん・・・・僕の場合は・・・・スイッチ・・・・かな？」澪「学園での自分とプライベートでの自分・・・・か・・・・？確かに、学園でのお前は大人びててシッカリしてるし、（俺意外には『です、ます』調だもんな）何をやらせても完璧にやりこなすって感じで、プライベートのお前は遊びまくってるって感じで別人だよな～。付き合う友達も完全に学園とプライベートでは分かれているし・・・・・広く浅く付き合うのも良いが親友ってやつも積極的に作っていかないと・・・」蓮「・・・・僕には・・・・澪さんが居るからいいよ。・・・・・・・・それに・・・・・・・いくら僕が踏み込んで行こうとしても、学校での皆は周りでキャァキャァ言っているだけで一緒にいても・・・・何て言うんだろ・・・？壁があるんだよ・・・・遠巻きに見て喜んでいるだけって言う？同級生も何故か敬語だし。プライベートではプライベートで皆で集まっても・・・・楽しく遊んでりゃぁいいじゃん？・・・・みたいな・・・・。」（・・・・それでも・・・・昔よりはうんとマシだよ・・・・もうあんな思いは・・・・二度とゴメンだ・・・・・・。）澪「・・・それはさ・・・・やっぱお前が自分で壁を作ってるから・・・・」蓮「・・・・友達と言えばさ・・・・澪さん、半年前の事覚えてる？澪さんと僕が初めて会った時の事・・・・・」澪「え・・・？」蓮「あの時さ、澪さん、びしょ濡れのまま気絶してて、いきなり僕の腕を掴んで『セシル』って言ったじゃん？で、僕の顔を見て安心したみたいな顔をしてまた気絶しちゃって・・・・」澪「・・・・・・・覚えてねぇな」蓮「ここに来る前の事もまだ全然思い出してないの・・・？」澪「・・・・・・残念ながら・・・・な・・・・・」蓮「『セシル』って人・・・・きっと澪さんの恋人なんだよ、だから・・・・・」澪「・・・・・・・・悪いけど・・・・・・・・多分そんなんじゃねぇと思う・・・・・・・・」蓮「そ・・・・う・・・かな・・・？あの時の澪さんの・・・・表情・・・・・・」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。澪「？蓮・・・・?」スゥ・・・・澪「・・・何だよ、自分から質問したまま寝ちまってるし・・・・クス・・・」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。澪（・・・・・・・・・セシル・・・・・・・・か・・・・・・・・・・。）ザザ・・・・・ン・・・・・・・　　・　　・　　　・　・・・・・・・・・最近同じ夢を見る・・・・・・・。塩の香りと・・・・・・・・波の音・・・・・・。嵐の海の船の上・・・・・波がどんどん船の上に被さってきて・・・・・甲板の上で必死に帆を張ろうとするけれども・・・・・ロープがスルリスルリと滑って上手く帆を張れない・・・・・その内他の人影も次々に波に飲み込まれていく・・・・船の帆の柱に、自分の身体をロープで縛って・・・・・必死にしがみついている・・・・・顔の見えないアイツが・・・・俺の名を呼んで俺に手を伸ばすけれども・・・・『・・・・・・・・！！』『・・・・・・・・・！！』俺の名前が聞こえない・・・・・・・。そんな中でも、あいつに貰った大事な帽子を・・・・俺は片手で必死に守りながら・・・俺も必死にそいつの手を掴もうと伸ばして・・・・・・・もう少しで指が触れるという所で・・・・・大きな波が俺を飲み込んだ・・・・・。俺の名を呼んで・・・・・・・・あいつが叫ぶ・・・・・・・・・・『・・・・・・・・・！！！』・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。・・・・・・・・・・・・これは・・・・・・俺の本当の記憶なのか・・・？それとも・・・・・・・・・・。こんにちは。今回はボークス社さんのＳＤドールを使ったお話ですが、このお話はあくまで自分の中で作ったお話ですので、お話の中でセシルの名前を出していますが、ボークス社さんの『銀貨の誓い』シリーズのお話とはまったく関係ございませんのでご了承下さい。