[お寺] カテゴリの記事
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弘明寺
この間、弘明寺に行く機会があった。とにかく暑い暑い…せっかくなので午後には三崎口まで行き、前々から気になっていた岩堂山を散策してみようという計画ははやばやと放棄した。城ヶ島に行くと、いつも二つに割れたような特異な形状の山が目につく。これが三浦市では最高峰の山であり、神奈川県では最も低い山とされる岩堂山だ。調べてみると特異な形状は、真ん中に道路があり、その脇は切通しになっているためなのだが、なぜこうした地形になったかと言う経緯はネットで調べてもよくわからなかった。かつてこのあたりは軍の要衝であり、それとも関係しているのかもしれない。山頂は国有地として許可なくしては立ち入れないという。まさか今さら軍の機密があるとも思えないが、それでも道路からの景観だけでも素晴らしく、涼しくなったら一度いってみたいものである。そんなわけで岩堂山は諦めたが、せっかく弘明寺まで来たので、名刹弘明寺に詣でることとした。奈良時代にまでさかのぼることのできる古い寺なのだが、明治以降廃仏毀釈の頃はさびれていた時代もあり、その後、復興したのだという。境内には善無畏三蔵法師が渡来の際、当山の霊域を感得し、陀羅尼を書写して結界を立てた霊石である七ツ石もあり、興味深い。善無畏三蔵法師の渡来は奈良時代なので、この石は奈良時代からあったのだろうか。周辺の柵は新しいのだが、結界としての雰囲気があり、どういう方か知らないが、若い男性が座って経を唱えていた。なお、拝観料を出せば、本尊や寺宝を拝めるのだが、ゆっくり見る時間もなかったので、また、次回ということにした。遠くまで旅行に行かなくとも東京近郊にも名刹はある。また、弘明寺には大きな商店街もあり、アーケードのついた昔ながらの雰囲気がよい。お土産によさそうな手ぬぐいや風呂敷、それに安価なカバンや袋類も売っており、見て歩くだけでも楽しい。
2023年08月21日
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松戸の本土寺に行ってきた
東京の近郊にも名刹というものはある。遠方に旅行に行く機会はなくとも、近郊にこんなよいところがあったではないか…そんな名刹に出会うたびにそんなことを思う。この間訪れた松戸の本土寺もそういうメイサうの一つである。春が桜、初夏は紫陽花や菖蒲、秋には紅葉と四季おりおりの花や樹が有名な寺で、今年は桜も早ければ藤も早い、何でも早いので紫陽花も咲いているのではないかと期待して出かけることとした。事前情報では、北小金の駅から10分以上歩くとあったので、地図を見ながら迷い迷い行くのを想像していたが、これは思ったよりもわかりやすかった。駅からいくらも歩かないうちに、本土寺と書いた大きな標石があり、その先は並木に囲まれた道が続いている。それも店の続く参道ではなく、日光杉並木のような大木に挟まれた荘厳な感じの道だ。古めかしい言葉でいえば、「神さびた」というのだろうか。陽ざしの強い今の季節はそんな木陰もうれしい。開山は13世紀ということなので、まさかその時の並木ではないのだろうけど、かなりの年月を経た大木であることには違いない。もっとも、樹は杉ではなく、広葉樹であったが、樹の種類はよくわからなかった。本堂に参拝した後、遊歩道を歩いたが、紫陽花は、まだぽつぽつと咲いている程度だ。ただその先にある池の菖蒲はかなり咲き進んでいて、十分な見ごろとなっていた。よく見ると咲いている花以上に蕾があるのでまだまだ見ごろは続くだろう。菖蒲池を過ぎると睡蓮の池があり、こちらには純白の水連が咲いている。遊歩道脇には楓の樹も多くあり、その重なった葉から陽の光が差し込んでいた。紅葉の頃にもぜひ来てみたいものである。
2023年05月24日
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柴又七福神巡り
散策もかねて柴又七福神巡りをした。京成高砂駅で降りてまず向かったのは観蔵寺（寿老人）である。初詣の頃でもないのでひっそりとした住宅地のお寺である。そしてもときた道を戻り、医王寺（恵比寿）に向かう。この間が1.8キロと長い。最初は京成金町線の小さな線路を越え、さらに歩いて行くと北総鉄道の大きな高架線路があらわれる。この新柴又駅の先に医王寺がある。実はここで少し道に迷い、森のように木に覆われた一角が見えたのでお寺かもしれないと行って見たら空き家となって久しい家であった。東京の中でも空き家が増えているというのだが、近所の人はぶっそうに思うのではないか。空き家でなくとも、あちこちに空き地が目立ち、街全体が縮小傾向にあるような印象を受けた。医王寺は石仏が並び弘法大師の像もある立派なお寺であった。次は線路を越えて宝生院（大黒天）に向かう。あえてそういうふうにしているのかもしれないが、野の花が一面に咲いた中にたたずむひっそりとしたお寺で、何か別世界のような感じである。隣も大きな墓地となっているが、これはお寺の敷地というわけではなさそうである。そこからさらに歩き、遊歩道のような細い道を行くと、万福寺（福禄寿）である。緑濃い閑静な住宅地のなかのお寺である。その後、柴又街道に出て、金町浄水場の脇をすぎると、むかいに良観寺（宝袋尊）が見える。布袋ではなく宝袋尊としているのは由来があるのだろうか。大きな道路沿いのせいか、そこそこ人が集まり賑わっていた。大きな宝袋尊があり、願い事を念じながら、お腹をなでるとご利益があるという。さて、七福神巡りもいよいよ最後の二つ。柴又街道を駅の方に向かい、真勝院（弁財天）に行く。弁財天を祀るところには、必ずといっていいほど池や川があるのだが、みあたらない。窪地になったところがあり、もしかしたらかつてはここが池だったのかもしれない。そして最後は柴又帝釈天で知られる題経寺（毘沙門天）に行く。浅草寺は外国人観光客でにぎわっているが、この帝釈天の参道も外国人にも人気のスポットのようだ。そのうちここでも貸浴衣や人力車のサービスが始まるのかもしれない。歩行距離は5キロ弱で最後は一大観光地である帝釈天でしめる面白いコースである。ただ初詣シーズンでなかったせいか七福神の像そのものは見ることができなかったのが少し残念だが、心の中ではしっかりと御利益を念じて参拝した。
2023年05月14日
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笠森観音を訪れて
コロナの隔離が解除されてからも、家にある検査キットではなかなか陰性にならなかったが、8日目でようやく陰性となった。最初の検査はクリニックでやってくれるが、その後の検査は自分でやるしかない。薬局にいけば、すぐに検査キットを入手できるが、金額は一回分千円以上と痛い金額である。幸いにして、症状は軽く、言われてみれば風邪っぽいというくらいだったので、家族の感染が判明しなければ、検査などしなかったし、クリニックにいくこともなかっただろう。同じような症状で感染を気づかない人は、たぶん相当いる。また感染がはんめいしても、65歳未満で基礎疾患もない人は、自分で保健所に連絡しないかぎりは感染者にカウントされないので、こうした表に出ない感染者も多いのではないか。ところでコロナと言えば気になるニュースがある。米国ではコロナ後遺症により労働能力を喪失した者が400万人いるという推計があるという。米国のような格差の厳しい国でこのような事態が進行しているとしていたら、大変な社会不安になると思うし、にわかに信じがたい話である。https://www.jetro.go.jp/biznews/2022/09/7ac44846f70456a3.html考えてみれば、人間の歴史で感染症は大きな役割を果たしているし、コロナよりも怖ろしい伝染病もいくつもあった。笠森稲荷とか笠森神社と言った笠森のつく寺社は全国に多くみられるが、これは、笠の訓読から瘡蓋平癒の祈願がはじまりだという。そんなわけで、コロナ平癒の願いもかねて、千葉県の笠森観音に行ってきた。パンフレットには記載がなかったのだが、ここもやはり笠森という名から推測するに、疫病退散の願いとも関係するように思う。この笠森観音は、千葉の清水寺ともいわれている。それは、山の上の巨岩のてっぺんに観音堂が建立されており、そこからの絶景がすばらしく、まさに清水寺の舞台を想起させるからだろう。観音山の自然林も国指定の天然記念物になっており、この静寂の雰囲気に満ちた中を石段がずっと続いている。そしてこの石段を登りきると、目の前に長く急な階段を持つ観音堂が見える。こうした建築は日本唯一の四方懸造といって国指定重要文化財となっている。他にない不思議な雰囲気で、パワースポットともいわれているのもうなづける。東京から十分に日帰りできるところにあるのに、なぜ今まで行かなかったのだろうか、なぜ今まで知らなかったのだろうか。
2023年01月15日
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小石川伝通院
小石川伝通院に行ってきた。大河小説「徳川家康」には様々な登場人物が出てくるのだが、主要登場人物の中で徳川家康の生母である於大の方ゆかりの寺ということで行ってみたくなったわけである。なにより於大は登場人物の中でも幸福な形で人生を全うできた数少ないうちの一人であるし、彼女の豊かな世間知や知能が家康にも受け継がれているように思ったからだ…まあ、小説の印象なのだが。しかし、於大が松平を離縁されて生国に戻った時に松平の従者が危害を受けるのを恐れて国境で戻したことなどは史実だったのではないか。於大はその後久松家に嫁ぐが、その再嫁先で生まれた子供も、後年家康に重用される。そして、家康が征夷大将軍となったのを見届けたのちに天寿を全うしている。地下鉄の春日駅を降り、こんにゃく閻魔のある通りに出て、そこから善光寺坂をのぼる。高台にある寺でかつては見晴らしもかなりよかったのではないか。そういえば敷地も今よりも広かったようだ。寺を参拝した後は、於大の墓に参詣した。立派な石塔がたっており、背景の秋空やゆったりと流れる雲をみながら、何百年も前の女人の生涯に思いをはせてみる。小石川のそのあたりは他にも由緒ある寺があり、すぐそばには坂の名の由来となった善光寺もある。伝通院には三つ葉葵の徳川家の紋があったのに対し、こちらは立葵の紋である。由来をみると、善光寺となったのは明治以降であり、もともとは於大の持仏を祀る寺で縁受院といったという。ただ、立葵といえば本多氏、本多といえば徳川の譜代の中でも重きをなした臣。なぜ立葵の紋があったのかはよくわからない。さらに坂には樹齢400年もの椋の樹があり、これも空襲で生き残ったという巨木である。この樹もまた歴史の生き証人である。
2021年10月30日
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宝寿院を訪ねて
東京のど真ん中、芝公園に隣接して宝寿院という小さなお寺がある。開運出世弁才天と閻魔大王を祀っているのだが、弁天は港七福神の一つ、閻魔大王像は港区の重要文化財となっている。傍らには小さな池まであり、ここが本当に東京のど真ん中かと思うほどの静かな一角である。怖いというよりもどことなく素朴な印象を与える閻魔像もさることながら、薬師如来像と阿弥陀如来像が印象に残る。特に仏像についての解説はなく、文化財指定ではないのかもしれないが、霊気がただよっていて、素直に「ありがたさ」を感じさせるものであった。病気平癒祈願の薬師如来は古来より熱烈に崇拝されてきたし、阿弥陀如来は、このお寺が浄土宗であることから、ご本尊なのだろう。お寺の仏像というのは本堂の奥にあってあまり姿の見えないことが多いのだが、ここではまじかに拝むことができる。特に阿弥陀如来像は、光を存分に当てた一角で、まさにそこが阿弥陀浄土という世界を演出しているようにもみえた。仏像というと博物館でなければ、薄暗い中にたたずんでいるお姿を拝むというイメージなのだが、本来はこういうふうに安置するものなのかもしれない。東京にもまだまだ見るべきところはある。
2020年11月13日
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飛不動尊正宝院
台東区三ノ輪の飛不動尊正宝院に行ってきた。何年か前、「はやぶさ」という小惑星探査機の打ち上げを基にした映画をみたことがあったが、渡辺謙演じる主任研究員が飛不動尊での護摩焚きの中で神妙に正座しているところが印象的だった。飛行機など「飛ぶもの」についてご利益があるという飛不動尊をそのときはじめて知った。「はやぶさの成功のためだったらなんでもやる。神だのみもその一つだ」という主任研究員の言葉があり、日本人の宗教観というのはそんなものなんだろうな…と思った。こうしたファジーな宗教観だから科学と宗教も対立するものではない。そういえば、最近ではニホニウムの発見についても、研究者が原子番号にちなんだ金額のお賽銭をあげて成功祈願をしていたという話がある。池袋東口から浅草行のバスにのり、竜泉という停留所で降りると、600メートルほどだ。もっとも地理不案内故に大通りから逆に最初曲がってしまい、余計に歩くことになったが運動もご利益だと思って…。赤い幟が目につくのだが意外にごじんまりとした境内で、一角にある恵比寿堂が目立っている。下谷七福神の恵比寿ということで七福神めぐりで訪れる人も多いという。飛不動というから航空会社とかそういったところの寄進があるのかと思っていたがどうもそうではなさそうだ。以前、京都に行ったとき、御金神社という小さな神社があったのだが、そこは祭神が金山彦命ということで、柱などに多くの会社からの寄付が記されていた。もともとは金属の神であるのだが、金つながりで大型機械、造船、さらに利殖にも御利益があるということなのだろう。これに比べると、飛不動は航空や飛行にかぎらず、願い一般を対象としているようである。学業成就で飛躍を願うのもよし、キューピッドの矢で恋愛成就を願ってもよい。
2017年09月26日
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