名古屋市緑区の加藤厚税理士事務所 相続税 贈与税 相続対策 中京大学非常勤講師

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世代飛び越し相続って得?



【質問】
 いわゆる、世代飛び越し相続は得なの?

【回答】
 財産が多い場合は孫に相続させると得する場合もあります。

【解説】
 財産を相続権の無いお孫さんに相続させれば、世代飛び越しで相続税の課税を1回回避することができます。その時、相続税法には『相続税の2割加算』という制度があり、孫が財産を相続する場合は通常の相続税額に2割加算されてしまいます。

 ただし、多くの場合、直接孫に相続させたほうが得になります。細かい計算は省略しますが、例えば、親の相続財産が4億円、子の財産が1億円のあった場合、そのまま財産が不変の状況で普通に親から子へ、子から孫へというように2度にわたる相続を経たケースは、孫に5億円の財産が移るまでに、なんと合計2億3,500万円の相続税になります。これに対し、親が死亡したときに、4億円の財産をすべて孫に遺贈(法定相続人以外のことをいう)すると、孫に5億円の財産が移るまで2回の相続の合計が1億5,400万円の相続税で済むことになります。

この例ですと、なんと両者の差は8,100万円です。これは大きい効果ですね。つまり、財産が多いケースは、例え1回目の相続で2割多く相続税を取られてもトータルでは得をします。

気をつけなければいけないのが、親の死亡時から子の死亡時までの期間も考慮に入れなければなりません。また、孫に財産を相続させるには、養子組をするか遺言書でその旨を指定する必要があります。お忘れなく! ただ、死亡する時期は人それぞれですので、亡くなる順番が通常の逆になるケースもあります。だから相続の対策は、長期的・戦略的に考えないと難しい。

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