恋涙 ~ renrui ~

恋涙 ~ renrui ~

前世の追憶六



『ごめんなさい…私…んっ』

視界に彼の顔が近付き唇を塞がれ私は驚きに声を漏らす

遠ざかる彼の顔と同時に
『貴方は汚れてなどいない』
優しく語りかけるように私に囁く

私は嫌悪よりも愛しい気持ちが込み上げ自分から唇を重ねる

彼は応じるように一度唇を離すともう一度求めるように唇を重ね唇を割り舌を割り込ませいやらしい音が耳に届く

変な感覚に囚われ流れそうになる自分を引き留める…フワリと躰が浮いた感覚に目を開けると彼の腕に抱かれベットに沈むように置かれる

無言で唇を何度も角度を変え絡ませる太股に彼の手がなぞるように添えられあっという間に奥へとその手が動き繊細に指を動かされた
私はピクリと躰をのけぞるようになり唇が離された瞬間銀の糸がポトリと落ちる上気するように躰が熱くなり呼吸さえも苦しくなる

しなる躰を力強い腕が支えるのが分かり下の指の動きに声が漏れる

『あっ…ふっ…名前…』
私は快楽に溺れそうになりかけるも知りたかった事を呟く

彼は私の首筋から唇をはなすと耳元で囁くように

『…若月夜兎…』
荒い息とともに放たれた名前

─夜兎─私の頭で何度も繰り返される

『夜兎…私は梓…桜花梓…んっふっ』

水音と共に指が抜かれると腰を引き付けられ夜兎自身が私の中に入り込んでくる
私は既に何も考えられなくなっていた…ただ夜兎が与える快楽に堕ちていった…お互いが果てるまで…。



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