闡鐓魔界・ヴァルセムス

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5章 本性


出口まではあと数十メートルと近い

「・・・・・?」

何かの気配があったのか周りを見渡す
が何も無い、モンスターだったのだろうか

ふとオゼットでの出来事を思い出す

「あの瞬間マナの流れが変わった・・・なにがあった?

・・・もしや・・・」

ズドッ!!

「!?」

ドサッ

(頭が熱い・・・血・・・?)
「やっと見つけたぜ、オルクス=リィルマクス!」

大男がウォーハンマーを持ちつつ倒れているオルクスを踏みつける
さらにその周りから50人を超える賞金稼ぎが現れた

「これで一生遊べる金額が手に入るぜ!!」
『オオオォ!』

おそらく子分だろう・・・歓喜を上げる

「くくく・・・」

歓声が上がる中オルクスは笑っていた

「あ?」

「ふふ・・・くっくっく・・・」

笑っていた、明らかに重傷のその状態で

賞金稼ぎの頭と思われる男はその場を離れる

「困った奴だ・・・・・・人が考え事をしている時に来るとはなぁ」

ザアァァ
木々が揺れる

立ち上がるとその顔は・・・まるで悪魔
出血多量も構わずに笑う

笑う
わらう笑う
笑うワラら笑ワウウ
笑わワラらワ笑ワラうらう笑ラ
ワラ笑う笑う笑笑う笑笑ワラウ笑うワラウ笑笑う
笑ワラうらう笑ラワラ笑う笑う笑笑
笑ラウラ笑わワワ笑う笑わ笑らうワラうら笑う笑笑ウらうわ……


賞金稼ぎは瞬時に悟った

『狂っている』

「俺がおかしいか?何故だ?笑っているからか?頭から大量の血が出ているからか?
なにを怯える!血が出ているからって体は動く。闘えるんだぜ?死なない奴も居るんだぜぇ!!!」

漆黒のマナがオルクスに集まる!!
賞金稼ぎたちが一斉に襲いかかろうとする

―全能なる破滅の殺戮者 闇において何を語る 何を悟る
  ワレは混沌の怒りを感じる 我が自身が無垢の虚空の流星
   何も恐れることはない祈れ 弱き者よ 称えよ 強き者を!―

これを詠唱するのに何秒かかる?
いやかからない、何故ならこれは「夜」が詠唱したのだから
オルクスは闇を・・・夜を震えさせただけ
夜に意思を持たせたのだから・・・・

襲い掛かる賞金稼ぎ達・・・が砕かれ始める

「サテ・・ライト・・・・ブレイカー・・・」

ひっそりとその言葉を放つと闇が・・・動き出した

光速・・・いや音速か?
何も・・・風も、空間の流れも動かないその中
人が死に始める
粉々に・・・微塵に・・・
そして消滅・・・・
これは本当に「完殺」ということになるのだろうか

一つ歌った

「悪魔の笑顔♪信じなる時、その顔天使なり♪
  ワレを恐れ無き時、その者は祝福に包まれる♪」

なにを示すかは時が来れば分かるような
謎の歌だった

*****
「ちっ・・・何を考えていたか全部忘れちまったな」

頭を布で包み治療系魔法で回復する

「・・・
―異形の猛虎、牙は鋼、爪はルキン、銀のものなり
  天地トワズのその走り我が前ににて見せたまえ―
出でよ、ルネ!」

『お呼びで?』
「疲れた。サイバックに着いたら起こしてくれ」
『承知』

ルネの背中に乗り、寝始める

『・・・(ゆっくり行くか)』

そう思うと歩き出し、オルクスを気遣った



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