「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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ジャズサックスとウルトラマラソンな日々
5.3 萩往還140km
実況中応援を頂いた皆様まことにありがとうございました。
記録125km 2時間前関門アウト 時間22時間5分
3月から故障が治らずまともに練習が出来ていませんでしたが、
半月前の加茂フルマラソンの出走を期によちよちランで距離を
延ばす作戦で遂に萩往還マラニックを向かえました。
当日は午後3時からレースの説明会があるため少し早めの
新幹線で移動して説明会に参加しました。140kmの部は
エントリーが420名ほどあり説明会会場はごった返してました。
地図を見ながらコースの説明があるのですが、さっぱりピーマン。
ま、地図を持って走れば何とかなるだろうと安易なわたしです。
コースは山口県庁となりの瑠璃光寺から防府へ行き折り返して
日本海側萩一帯をめぐり瑠璃光寺まで帰ってくるという気の遠くなる距離。
出発時刻が夕方6:00で制限時間は24時間。翌日の夕方6:00。
装備はキャメルバック8Lのハイドレーション付きのトレランバック。
ウエア、ウインドブレーカー、アミノ携帯ゼリー3、カメラ、携帯、
キネシオテープ、はさみ、手袋、水500ml(後は自販機)
くすりは胃薬9、鎮痛剤5、正露丸、塩、アミノ顆粒
中間エイドの送品はシューズ、ウエア、アミノ携帯ゼリー3、靴下、
インナパンツ(シューズ、インナパンツは替えなった)
スタート
コースは歩道もしくは路肩を使用するため一度にスタートすると
危険ですから50人づづのウエーブスタート。間隔は3~4分、確か
4番目ぐらいでした。説明会会場で会えた淡路のマラソンクイーン
vinathiさんと並走させて頂くことに。
何やかやと初めていろいろな話をさせて頂きややハイペースに
なっていました。7時を過ぎると夕闇が訪れライトの準備が必要に
なりましたが、まだ周囲にランナーがいるので限界まで我慢。
急にお腹が空いて来た・・・よく考えたら朝から移動に一生懸命で
ころくに食事を取っていないことに気付く(重要な敗因1)
20km付近までvinathiさんの姿は捉えてましたが、遂に遅れる。
21kmにある食事エイドでうどんとおにぎりを頂く。ヘッドライト装着。
約29km。防府のCPポイントチェックカードにパンチしてもらう。
これを忘れるとレースは成立しないのでポーチをリュックに縛る。
喉が渇いたのでコンビニによりコーラを飲んでいるとヤンキー風の
兄ちゃんカップルが声を掛けてきた。「どこまで走るんですか?」
「萩まで行って瑠璃光寺まで帰ってくるんですよ」「あーっん、今から?」
「イカレてるでしょ!」・・・「あはははは・・・頑張ってください。」
人の波が無くなり完全にバラけて走る。夜の知らない道なので
凄く不安で遠く感じる。ランナーは体に発光灯を付けて走るので
はるか前方のランナーを追いかければいいが、それでも見えないと
分岐路面に引かれた白い矢印に従い不安ながら走る。
約50kmのスタート地点に近い山口福祉センターに到着。6時間25分経過。
ここでは仮眠も取れるし、飲み物、おにぎり等ふんだんに用意されていた。
しかし、早くも胃の調子が悪く吐き気がするが我慢しておにぎりと味噌汁を
頂く。胃薬はもちろん。通な方はここで仮眠を取るようだが素人には無理。
往還道
ここからは往還道の入り口まで登りが続くが、深夜を廻りさらに
人がバラケて不安は募る。5kmほど行くと石畳の往還道の入り口。
さてここから標高差400mを一気に歩いて上るが、なぜか足が重い。
登山は得意なので、かなり早足で登るのに全く足が上らない。
後続の人にどんどんと抜いていかれる。板堂峠をやっとクリアする。
下りだが石ころだらけの道を慎重に下りる尖った小石に乗ると
かなり痛い。真っ暗で周囲がどうなっているのか全く分からない。
時々ヘッドライトがこちらに向かって来る。250kmコースの人たちだ。
30時間ぐらいで250kmを走りぬく超人、怪人達だ。
「お疲れです!」と言っても何も返事が無い人もいる。そりゃそうだろう。
約65km。佐々並エイドニ到着。御前3時。9時間経過。寒いので
ウエアを着る。ここからまた登り下りとなるが途中車道も挟んだり複雑で
全く分からない。ただ何故か下りはどんどん走れて前方の人をどんどん
抜いていけた。膝も全く痛くない。足底筋も全く痛くない。不思議だ。
しかし峠越えでは抜いた人全員に抜かれるほど登れない。原因は?
睡魔に襲われる。フラフラと夢遊病者のように揺れながら登る。(敗因2)
峠を越えると前後に人の気配が無い。石ころだらけのダート道を走る。
何回も振り返る。道が違うのじゃないか?冷え込んで息が白い。
空が明けて来ているので鳥たちが騒がしい。お腹が空いている。
やった、食欲がある。山道が終わり民家の中に自動販売機があった。
コーラを買って一気に飲む。10mほど歩いて角を曲がるとエイドだった。
しまった。
約75km。明木エイド。10時間45分経過。空は完全に青く空けた。
お腹がすいたのでまんじゅうを2、3個食べた。行けるかも?と思う。
もうすぐ萩に到着すると思うと眠気も取れ足が軽くなったが、朝なのに
気温がやけに高い。曇りの予報なのに雲が全くない。悪い予感がした。
約86km。萩城跡・石彫公園12時間30分経過。第2チェックポイント。
あらかじめ預けていた荷物を受け取りウエア、靴下を替えた。
股に火傷が出来たのでキネシオテープを貼った。便所でウンコをして
サングラスと日焼け防止のベールかぶってスタート。
朝7:00だというのに気温が高い日差しを遮るものが無い萩の海岸線を
笠山に向かうが足取りが重い!暑すぎる。途中で歩きが入りだした。
次のポイントまでわずか11kmなのに遠い。途中で前の人について
いってたら道を間違えていたので15分はロスしている。
約97km。虎が崎。15時間経過。第3チェックポイント。
ここは食事券はあるのでカレーを頂く。ついでに生ビールを頂く。
生き返った。眠気と酔いでとてもハイな気分になった。
あと43km残り9時間あり時速5kmで歩けば十分ゴール出来る。
約105km。東光寺。第4チェックポイント 時間未記入。
それにしても暑い。暑すぎる!走りたくても走れない。市内入り口の
分岐点に到着。70kmコースのランナーと歩け歩けの選手がうじゃうじゃ
あとは一気に来た道を帰ればいいのだが、もう完全にイってしまっている。
物凄い吐き気が襲いだす。胃薬はすでに8袋は飲んでいるがもう効かない。
空ゲロが辛い。我慢するのはもっと辛いのでオエオエとやる。
もう胃からのエネルギー補給は不可能と思われる。
ゼッケンナンバーのAは250km、Bは140km、Cは70kmで区別が
出来るのですれ違いのランナーから激が飛ぶ「頑張ってください。」
約112km。道の駅「萩往還公園」時間未記入
ここから登り山道に入るが、睡魔と過労で一歩一歩がまるでスロー。
小さい峠の頂上で遂に動けなくなってカビだらけのベンチに横たわる。
目が廻っている。熱中症と同じ症状だ。知らない間に寝ていた。
じかんにして5分ぐらいか?体力が戻っているので必死でくだる。
歩いていると後ろから声を掛けてくれるカップルがいた。わたしの岡山の
ワッペンを見つけた岡山県の70kmランナーだった。いろいろ話を
しながら歩く不思議と疲れが和らいだ。
約116km。明木エイド 時間未記入 トイレに行って洗面で頭から水を
かぶった。太もももかなりヒートしてるのでタイツの上から水を掛けた。
ここからかなりの山道が始まるが、やっぱり全く足が上らない。
再び強烈な睡魔に襲われあろうことか道端にしゃがみ込んで目を
閉じた。数分休んで這うように山を登った。峠をこえて車道に出るが
灼熱地獄で緩やかな舗装道路がまともに歩けなくなっていた。
自問自答が始まる「誰のために、何のために!アホか」・・・
一度くだり再び登りに付く途中でまたもや睡魔が襲う。建設中の建物の
日陰に使用したコンパネがあったので仰向けに寝た。口を明けたままで
股は開き、まるでカエルの日照の死体のような形だったと思う。
後続のランナーは顔色をみて死んでいないと判断して通り過ぎたに
違いない。どれくらい寝たか分からないが、ふと走らなければと思い
山道を登る。以外に回復している。まだ制限時間は2時間半ほどある。
下りを結構なスピードで走っていた。
門限の事が気になったので地図と時刻表の案内を取り出してみると
次のエイドの門限が16:00になっていた。ふと時計をみると16:00を
廻ったところだった。そこから300mほどいくとエイドがあった。没!
わずか5分ほどだが、間に合ったとしてもゴールはもう無理と諦めていた
ので悔しいとは思わずこれで辛い思いはしなくていいと安堵しあた。
約125km。佐々並エイド。残りわずか15kmを残し関門16:00アウトを
宣言されてバスで護送されることに。護送場所にはゾクゾクと人が集まり
初めていた。ゴールに護送されて最終門限まで約1時間ゴールする人を
迎えた。
惜しみの無い拍手と「お帰りなさい」コールが止まない。
津山から参加されている70kmのGBDさんが私に声を掛けてくださった。
9時間で完走されていた。一緒にランナーの到着を待ちながらはなした。
杖を立てて足を引きずりながら250キロ、140キロ、70キロの選手が
帰ってくる。みんな達成感のある喜びの顔をしている。
来年は250キロを走ろうという2年計画だったが、とんでもない話だ。
睡眠との戦いであることを全く理解できていなかった。
レース途中に睡眠時間を組み込んで望む。
ウルトラマラソンはレース前に食べれるだけ食べて走ること。
これほど暑いとは想像していなかった。予想しているだけで
前半の動きが違っていたかもしれない。
失敗したことを悔やんでも仕方ないがいい経験になった。
140キロに出走したらリタイヤでも250kmの出場権が出るらしい。
来年は140キロのリベンジは必ずやりたい。そして今回の教訓を基に
練習次第では250キロも夢では無いかも知れません。
良かったことがひとつある。歩きが多かったかもしれないが、筋肉痛は
あるが足、ひざ、腰の何処にも故障が無いということだ。よく耐えた。
アインシュタインの名言に「失敗のしない人は挑戦しない人である」と
いう言葉があるが、絶対そうなりたくない!来年やります。
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