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2013年01月06日
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カテゴリ: 二人の王子の母
昨年11月から12月にかけて、子どもたちがとあるギャラリーにて


「させて頂いた」と書いたのはまさにその通りで、「個展をやりませんか」と言われて、
それに「こんなのでよろしければ」と乗ったという経緯があるからだ。
自分たちで「個展をやりたい!」などと思ったことはもちろん無かったので。

子どもたちだけの個展??そんなの聞いたことも見たこともない。
「どうしてそういうことになったの?」という質問も多々受けるので、
備忘録兼ねて書き記しておくことにする。

ウチの子達(男二人)、いたって普通の小学生で、絵を描くことが

ない、というくらい。
ただ、二人とも小さい頃から絵を描いたり、ブロックだの工作だの粘土だの
モノを作ることは大好きだった。
家のおもちゃの棚には、いつでもそういう作業が出来るために、画材や
工作の材料やさまざまな道具を子どもたちの手の届くところに置いておいた。
もちろん、カッターなどの危険な道具もその使い方を教えた上で。
不思議なもので、子どもたちは何かを作り始めると、静かにとても集中するし、
喧嘩もしない。
何かを「作る」ということは小さい頃(それこそ一歳くらい)
から慣れ親しんだ室内でやる遊びの一つだった。

当然家のなかには次々「作品」たちが生まれるので、それらを

子どもたちが作る、たどたどしいながらも、自由な作品たちが私は好きで、
お家の中はさながら自己満足なギャラリーのようになっていた。
ただ、これが直接個展に繋がるというわけではない。

で、ここからは、ほとんどが偶然に次ぐ偶然が重なっていく。

長男が3年生のとき、学校で授業に書いた遠足の絵がMOA美術館の

この絵は学校の授業で描いたものを、学校から学年全員分出展したもので、
本人も出展されていることさえ知らなかった。
入賞の知らせを聞いて、表彰式に向かって初めてその絵画展のことも
知ったくらい。
恥ずかしながらそれまで、私は長男の絵について、何か光るものがある
などとは、全く気づいていなかった。

その後、夫がその絵の写真をパソコンに入れていたところ、
仕事で知り合った写真家の先生がたまたまその絵を見ることになる。

その先生は元府立高校の教諭をされていて、現在は写真家と
とあるギャラリーの館長をされていた。
そのギャラリーがかなり特殊で、いわゆる普通のギャラリーではなく、
NPOとして運営しているフリー(完全に無料ではないが、限りなく無料に近い)
ギャラリーだった。
芸術家の卵や、芸大の学生さん、小学校や幼稚園の卒業展など、
発表の機会が欲しいがお金はない人たち(つまりは普通のギャラリーは借りるの
が相当高いということ)に発表の場をというコンセプトらしい。
そんなギャラリーは極めて珍しく、そのためギャラリーは大人気で
いつも30組近い方が待っているという状態だという。

そこの館長さんが、たまたまウチの子のその絵をみて「ビビビっ」と
来てしまったというのだ。

「子どもたち二人で個展をしませんか?」と言われて正直私は
「こんなのでいいの??」と思った。
特に絵を習ったこともなく、本当に子どもたちそのままの表現だったので。
そのギャラリーでも小学生兄弟二人の個展は初めてだという。
でも、私の不安をよそに、館長さんは子どもたち二人の力を
とても「信じて」くださって居るようだった。
ということで、かなり迷ったけど、こんな機会もないだろうと思って
お受けすることにした。

展示したのはウチ飾ってあった絵や学校、幼稚園で描いた絵、旅行のときに作った
作品たちをかき集めたもの。なんだかんだと数だけはあって、新たに個展のために
描く必要はなかった。

さらには館長さんが写真家だったので、写真の指導も
していただいて、長男は初の白黒フィルム写真を撮影、現像までした。
普段からちょこちょこ子どもたちにカメラを触らせていたので、今までに
撮っていた写真もあり、それらも展示した。

館長さんの考えが、個展の運営自体を「なるべく子どもたちの力で」ということだったので、
全ての過程に子どもたちが携わった。
DMのデザインをし、どの作品をどんな風に展示するかを自分たちで決め、
来られたお客さんには作品の説明をして応対、見終わったお客さんに
どの作品が印象に残ったか取材。
クリスマスイベントに何をするかを考え(長男のマジックショーをした)、
個展最終日には子どもたち二人でお客さんお礼の挨拶をした(内容も考えて)。
終了後は作品の撤収から、最後の掃除そして HPの展示レポート まで。
特に長男はそれらすべてにフル回転で関わっていた。
もちろん経験も知識もないので、館長さんや私が最低限の説明、指示はするものの
色んなことの最終決定は本人がした。

私はとにかく裏方というか、見守りに徹することにした。
ただ、それが実はとても大変だった。正直に言っていろんなことは
「私がやったほうが早い」。
やきもきする気持ちを抑えて、じっと見守る時間は私にとって忍耐が必要だった。
ただ、館長さんがとにかく「子どもを信じてじっと待ってやる」という
姿勢の方だったので、私もそれに賛同してその姿勢を貫いた。

個展が終了して数日間はまさに「抜け殻」のようになった長男。
それだけ、全力を尽くしたということだと思う。
こんな経験本当になかなかできない。

というわけで、作品も個展の運営も子どもたちの力を中心に
すべてが回っていった。
今回ギャラリーという場所にかなりの時間居たのだが、
そこはとても不思議な空間だった。
家族親戚、知人友人、それだけでなく、いわゆる通りすがりの人、
新聞(今回新聞に告知をしてもらった)を見て足を運んでくださった方、
色んな方がこの空間で交差する。
子どもたちの自由奔放な絵に囲まれていると
なんとういか、楽しい気分になるもので絵を見た後もそのまま
そこで寛いでいく人もいた。
折り紙教室をされている人が見に来た子どもたちに折り紙を
教えてくださったり、
絵を見たサッカー選手がウチの子どもたちにサッカーを教えてくださったり、
画商のおばあさんが子どもたちの絵を見て「サインをして」と言ってくれたり、
通りすがりのカップルが館長さんに乗せられてキスをしたり、
写真家の方が個展のフォトブックを作ってくださったり、
ピアノの先生が子どもたちの絵に音楽をつけてくださったり・・・。
思いもかけないようなことが次々と起こった。
子どもたちの絵が、不思議な力を持っていることは、
ギャラリーの空気を見ていたら納得できた。
館長さんが信じていた「子どもたちの実力」をまざまざと見せ付けられた
ような気がする。

今まで子育てをしていた中で、自分自身が一番大切だと思っていたこと。
それは「子どもは自ら育つ」ということ。
子どもたちはエネルギーに満ちていて、自ら成りたいという方向へ枝を伸ばし、
葉をつけ、どんどん花を咲かせ、実をつけていく。
親として出来ることは、水と栄養と、太陽の光(愛情)を与え続けて応援してやるだけ。
今回は館長さんとの出会いという新しい刺激も加わって、ますます自由に子どもたちは
枝を伸ばしていた。
今回の個展は、自ら育つ子どもたちを信じてやろう、と改めて思った貴重な経験だった。

ここ から展示された作品が見られます。(サムネイルをクリックすると拡大されます)






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最終更新日  2013年01月15日 22時20分28秒
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