あい・らぶ・いんそん

再会9



「いいか、俺がいない間はあまり出かけるな」

出発寸前まで、ジェミンは同じ事を繰り返し、一緒に見送りに来た
リジュンに帰りは必ず送ってくれるように頼んでいた。

いつになく、スジョンのことが気がかりでならなかった。

「本当にミスター・チョンはあなたを愛しているのね」

半ばあきれ顔でリジュンが笑った。

「さぁ、約束どおり送るわ。でも食事をしましょうね。私は久々に
羽を伸ばせて嬉しいのよ。」

二人はリジュンの行きつけのレストランで食事を楽しんだ。

「それじゃ帰りましょう・・送るわ」

「いいえ、ここからならタクシーで帰れますから。」

スジョンは遠慮がちに言った。

「だめよ。ミスター・チョンに怒られるわ。」

そのときリジュンの携帯が鳴った。

「ええ・・そう。じゃぁ今から行くわ。」

「どうかしましたか?」

「ええ、秘書からの電話で渡したいものがあるそうなの。」

「そうですか。それなら早く行ってください。もうここまで来たら、
ちゃんと帰れますから」

リジュンは、少し迷いながら

「それじゃあ、ごめんなさい。でも、ミスター・チョンには内緒よ」

と笑って先を急いだ。

スジョンがタクシーを止めようと大通りに出ると、一台の車がスジョン
の前で止まった。

「イ・スジョン様ですか?リジュン様のご依頼です。」

運転手が外に出てきてドアを開けた。

今別れたリジュンが何故?少し迷っていると

「どうぞ、会社からの連絡でスジョン様もご一緒にとのことでした。」

と言って、スジョンを車に乗せようと背中を押した。

(何かあったのかしら?)

不安になったスジョンは、急いで車に乗り込んだ。



「こちらです」

案内されたのは、先日のパーティーが行われたホテルのラウンジの
VIPルームだった。

「あの・・リジュンさんは?」

と聞くと

「もう暫くお待ちください」

と言って出ていった。

コーナーの窓からはニューヨークの街が、輝いて見えた。

スジョンは夜空を見ながら、今頃ジェミンはどのあたりを飛んでいる
のだろうかと考えていると、さっきまで一緒にいたジェミンの笑顔が
懐かしく浮かんだ。

「元気そうだな・・」

そのとき、突然スジョンの背後から声がした。驚いて振り返ると、そこ
にはなんとイヌクが立っていた。

言葉を失ったスジョンは、ただじっと立ちつくしイヌクを見つめた。

何が起きているのか、夢なのか現実なのか・・・理解できずに呆然とイヌ
クを見つめていた。

イヌクもただ黙って、スジョンを愛しそうに見つめた。

静寂が輝く夜景にととけ込んでいく・・・。

いつしかスジョンの頬に幾筋も涙が流れ、それを見たイヌクはゆっくり
スジョンに近づき、そして抱きしめた。

(このままではいけない・・・)

スジョンは心でそう思いながら、身動きすることができなかった。

「会いたかった・・」イヌクが静かにスジョンの耳元でつぶやいた。

なつかしい・・イヌクの匂いがした。

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