天使の羽根

天使の羽根

世界で一つの蛍。


この想い どうか永遠に忘れないで・・・・・・・

「ひっじかったさーんデェトしましょう」

黒い綺麗な長い髪を揺らして、沖田総司は土方歳三の背中に抱きついた。

「...暑い、くっつくな。第一俺は仕事中だ。そんな暇ぁねぇんだよ」

言ってからハッとして後ろを振り返る。

「...土方さん...私のお願い聞いてくれないんですか?」

総司は瞳を潤ませながら土方に言う。土方はどうもその総司の泣き脅しに弱い。
深い深い溜息を付いて諦める。

「...体に無理のない程度にだぞ」
「本当ですか!?土方さんっ 大好きです」

総司はそう言いながら土方に再度背中に抱きついた。

「で?どこへ行きたいんだ?」
「はいっ!海が見たいんです」

・・・・・・・・長い長い沈黙。

「......は?」

自分でも言ってから間抜けだったと思う。総司は長い沈黙の間も土方の間抜けな
返事にもニコニコしている。そのまま思い切り良く答える。

「はいっ 海です。」
「海ってーと地名とかじゃねぇよな?魚がいて飲むとショッパイ海、だよな?」「はい そうですね~」

土方が半ば戸惑いながら聞くのに対し総司は相変わらずニコニコしながら返事を
している。再び沈黙の後土方が頭を抱えて言う。

「...お前...海ってどこにあるか知ってるよな?」
「はい 一応大体は。」
「此処からどの位掛かるかも知ってるよな?」
「ん~行った事ないからわかんないです」

アハハ~と笑いながら言う。土方はそんな総司を見て深く溜息をついて改めて
問い掛ける。

「...どうしても行きたいのか?」
「土方さんと海が見たいんです。...今を逃すと貴方といつ一緒に居られ
なくなるか解らないですから」

総司は途中俯き加減になったが、最後には顔を上げ苦笑いをして土方を見ていた。土方はそんな総司を見て、思わず顔を逸らし袖から煙草を出し大きく蒸した。

「お願いです、土方さん・・・。貴方とずっと居たい だけど私は何時までそう
言っていられるか...だから私は...どうしても貴方と行きたいんです」

真っ直ぐに土方を見つめる、総司の瞳は哀しみに満ちていた。土方は蒸していた
煙草を消して総司の腕を自分の懐に引き寄せた。

「...お前の頼みならどこだって連れてってやる。だから、滅多な事言うん
じゃねぇ」
「土方さん...私は貴方の傍にいて良いんですか?私は貴方と並んで歩いて
良いんですか?私の病気は伝染るって言われてるのに、それでも...
此処に居て良いんですか?」
「総司...お前の望むままに俺は存在してやる。だからお前も俺が望むまま
俺の為に生きろ。」
「私は...」

総司は静かに自分に問うかのようにその想いを問う。土方は強く抱き締めて自らの気持ちを打ち明ける。素直な言葉は言わない土方の事を総司は理解し、言わんと
する事を察していた。総司が言葉を発しようとした瞬間、土方はその口を塞いだ。

「だが海はちょっと遠い。日が暮れたら川辺でイイもん見せに連れてってやる。」「土方さんっ!!」

総司は満面の笑顔で土方に抱きついた。

「ちっ」

土方は抱きつかれて少しむっとしながら煙草を蒸した。

「じゃあ夕刻まで子供達と遊んできますねっ」

総司はそう言ってパッと立ち上がって急いで出て行く。

「おいっ!無理すんじゃねぇぞっ!」

土方はそんな総司に声で追う。総司が遠くから返事をするのが辛うじて聞こえた。深く溜息を付いてまた何事もなかったように文机に向かった。

ーーー夕刻。

総司は神社で子供達と遊んで頓所に帰ると、門で土方が既に待っていた。

「遅いんだよ。ったく...。おら行くぞ」

総司が見えるなり、土方は歩みよってきて総司の有無を言わせず、その腕を引き歩きだした。

「ちょっ、土方さん私汗を流したかったんですけど...」
「んなもん後で俺が流してやる。」

総司が腕を引かれながらそう言ったのをあっさり却下された。
総司が腕を引かれて歩いていたのは、いつの間にか並んで腕を組んで歩いていた。

・・・もう大分歩いただろうか。無言の沈黙を破ったのは以外にも土方だった。

「...大丈夫か?もうすぐだからな」
「...はい」

総司を気遣い歩幅を遅くはしていたが、半歩ほど途中から遅れていたのを気付いていた土方は組んでいる腕に力を入れた。総司はそんな土方の優しさが解り返事だけをした。

土方の言った通り、その後はそんなに歩かなかった。

「灯り、消すぞ。」

土方はふと立ち止まりそう言って息を提灯に吹き掛け僅かな明かりだった灯を
消した。
暫くして遠くの方にポツポツと幾つかの明かりが見えた。総司がそれを認識し
感嘆の声を上げた。

「...うわぁ!!これは...蛍、ですよね!私初めて見ました!!」

ほぅっと溜息を付く総司の肩を土方は引き寄せる。その首筋にそっと口づける。

「んっ...」
「海じゃなくてすまねぇな。これで許してくれ」

首に口づけられ微かに反応した総司の様子を確認して土方は耳元で囁いた。

「充分過ぎますよ。一度見たかったんです。でも恐くて今まで見れなかったん
です」
「恐い?蛍がか?」
「だって蛍の命はとても儚いじゃないですか...私のように...。」
「総司、滅多な事言うんじゃねぇっつったろうが。
例えお前が蛍だろうとこの俺が捕まえて一生離さねぇよ」
「土方さん...。」
「籠に入れて俺以外の奴には指一本触れさせねぇ。
覚えておけ、お前は俺だけに光をだす蛍だ」

後ろから抱き締められて、総司は土方の言葉の深層の意味をスグに理解し、
微かに頷いて返事をした。
総司は上を見上げそのまま土方と口づけを交わした。川の流れる静かな音と、
総司の命を長引かせるように蛍が川面いっぱいに咲いていた.....


さてこの話の中でちょっと土方さんがさり気にエッチいセリフを言ってます。
ドコか皆さん気付きましたか??(笑)

はいっ!!やあっと書き終わりました!沙々奈サマ大変お待たせ致しました!!
熱いかどうか不安ですか捧げさせて頂きます;;

スス鉄小説の土沖バージョン。ピスメの喀血後の話だと思って下さい。
すっごい独占欲丸出しな土方さんが書きたかったんです;;熱々じゃないです
かねぇ...;;

やっぱアツアツは苦手でっす;;爆;;


© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: