天使の羽根

天使の羽根

Wish(三上×真田)


あいつが、自分以外の奴に笑ってると...

痛い

そんな時期があった。

想いが通じ合って、思ってる胸の内をあるがままに
吐露出来てから、そんな感情は感じなくなった。
お互い同じ気持ちだったのを知ったから。
高校卒業を間近にした俺にあいつは
『卒業したら一緒に暮らそう』
って言った。
だから今は、毎日と言う程必ず同じ時を過ごしてる。
二人共プロになった。チームは残念ながら違うものの、
U-20の代表が昨日二人も洩れる事なく決まった。

翌日、真田一馬は夕方には挨拶や練習が済んだ。
携帯を確認するとメールが届いてた。
『悪い、帰るの夜になりそうだわ。夕飯は一緒に食おう。』
軽く溜息を付いて取りあえず真田は帰る事にした。
家に着き着替えて何となしに窓硝子越しに外を見た。
ちょうど陽も沈んで綺麗なグラデーションになっていた。
何故か自然と不安だらけだった昔の事を思い出していた。

「...だ」
「さーなーだ」


突然振り掛かってきた耳馴染んだ声と静かに頭に置かれた手。
真田は顔を覗き込まれて驚きながら言った。

「あ...み、かみ?お、オカエリ」
「なーに考えてたんだよ?」

そう言いながら三上亮は顔を離し薄く笑いながら聞く。

「べ、別に何も考えてなんか」
「嘘つけ。俺が何回呼んだと思ってんだよ。」

真田が外を見るといつの間にかすっかり暗くなっていて、
街のネオンや車のテールランプが綺麗に灯っていた。
と顎を持たれて唇を塞がれ、真田の思考は途中で止まった。

「んっ...」

突然重ねられた口づけにも真田は素直に反応した。
深く長くした後ゆっくり三上は唇を離した。

「で?何考えてたんだよ?」
「だからっ、別に大した事じゃないって!あっ!み、かみっ!!」

真田が答え終わるより先に三上はいつの間にか
真田のシャツをはだけ鎖骨の辺りに顔を埋めていた。

真田は三上の肩を両手で押しながら抵抗した。

「ちょっ...!やめろって!メシっ!メシ食いに行くんだろっ!」

顔を埋めながらいつの間にか手もうごめいていた三上は
そう言われて動きを止めた。真田の両手を取り唇を合わせて言った。

「俺はお前がたべたい。」
「なっ!んな事言ってねーで早く出掛けるぞっ!
俺はお前を待ってて腹へってんだから!!」

そう言いながら真田は三上を突き離した。

「って~~。まあ腹へったのも待たせたのは事実だし...
しょうがねーな、デザートまで我慢してやるか。着替えてくっからちょっと待ってろよ」

突き離された三上は頭をかきながらそう言って部屋に入って行った。
真田はその後ろ姿をはだけさせられたシャツを直しながら見て、
自分も出掛ける準備をすべく部屋に入った。
コートを羽織って財布や携帯などをポケットに入れ部屋から出た。
三上はまだ出てきておらず、真田はまた窓に近づき外を見た。

派手にも思える街のイルミネーションを見ていると、ウィンドウに影が重なった。

「ふぅん、こうして見るとうざったい街の明かりも綺麗に見えるもんだな~♪」
「っ~~だからっ!止めろってっ!!」

三上は真田のコートの下に手を潜らせながらそう言うと
真田は思いっきり腕を三上の顔に目掛けて振った。
しかしすんなり避けられて憤慨している真田に涼しげに三上は言った。

「で?さっきから何考えてんだよ?」
「......」

三上の問いに答えず真田はさっさと玄関に向かって歩き出した。
溜息を付きながら三上は真田の後を歩きながら言った。

「なぁ、大した事じゃねーんだろ?メシ奢ってやるから教えろよ」

靴を履き掛けてた真田の手が一瞬止まる。
が、立ってさっさと玄関の扉を開け出て行ってしまった。
また溜息を付きながら三上も後を追う。
丁度上がってきたエレベーターに乗り込み三上がボタンを押しながら言った。


「あ、解った」
「?」

突然言った三上の言葉に不思議そうな顔を
真田がしていると三上は続けた。

「お前俺の事ずっと考えてたんじゃねーの?」

真田はバッと顔を三上に向けると、前を向いていると
思っていた三上はニヤニヤと笑いながら真田を見ていた。

「図星?」

と聞く三上の顔を見ながら真田は答えた。

「い・わ・な・い」

扉の開いたエレベーターから真田は先に降り、
マンションの前で通行人にぶつかりそうになるのを
三上が腕を引っ張って支える。三上に寄り掛かるように支えられ、
真っ赤になって離れようとする真田の手を三上は強く握った。
真田は離そうとしたが、三上に見つめられて顔を背けて諦めた。

人混みを避け、人気の少ない穴場の店で、
他愛もない話をして、少量の酒で顔を真っ赤にした真田と
腕を組んで寄り掛からせ気味に帰路に着いた。


部屋に着き、自分の荷物を置きがてら
三上は真田を抱えるようになりつつ、自室の扉を開けた。

「ったく、なんでオチョコ半分で酔えるんだよ...。
オラ、コート脱いでとっとと寝てろ」
「んー...」

殆ど力の入っていない真田をベッドに座らせて、
自分のコートを脱いで片付けて振り返ると
真田は抱きついてきた。

「...んだよ、寝るならちゃんと寝ろよ、おこちゃま」

三上がからかって頭を軽く叩きながらそう言うと、
真田が抱きついた腰に力を入れたのが解った。

(いつもならからかうと酔ってようが怒るのになぁ)

そう思いながら真田の背中をなんとなしに撫でる。

「...ずっと、考えてる事、俺の事もあるんだろ?」
「!!?」

真田は驚いた顔をして三上から顔を上げた。
深く溜息を付いて真田のコートを脱がせベッドに座らせ、
それを片付けて三上も真田の隣に座った。
暫く沈黙が二人を包んだ。

三上は宙を見つめ、真田は俯いていた。
すると真田が三上の膝に頭を乗せ横になった。

「...一人になると、昔の事思い出すんだ...
三上と...出会った頃」
「......」
「で、そっから今迄を思い返すんだ...。
そうすると.....」

真田は三上の膝の上に頭を乗せたままその腰に
両腕を廻し抱きついた。暫くそうしていてもその続きがないので
三上は声を掛ける。

「...一馬?」
「離れたくないって...ずっと...
傍に...居て欲しいって...
お、も...ぅ...」
「おーい?かずまぁ~?」
「.....」
「寝てやがる...そんな事考えてたのかよ、ったく...。
そんなのとうの昔に俺はそう思ってたっつーの。」

三上はそう静かに言って窓を見た。
外は空から真っ白い雪が降り始めていた。




後書き
捧げ物なんですが一応;;それにしてはへたれ過ぎな文になっちゃいました;
しかも終わり方むっちゃ中途半端に
なっちゃってるわありきたりだわだし(>_<)
途中、何度挫折しかけた事か...(甘すぎて;)
私には甘いのが書けないのが証明されました;;
あー!ゴメンナサイ(:_;)蒔月智サマ、
こんなんで良ければかっさらってって良いんで(>_<)


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