すずめ、月へ飛ぶ

すずめ、月へ飛ぶ

無理矢理測る女・M子


9月27日、10月3日の日記に続き。
タコ足配線のM子の話。

M子とは前の会社で一緒だった。
製粉会社のショールームの仕事。

私がショールームの販売員。
彼女はその事務担当。

仕事場が離れているにも拘らず、
M子はヒマを見つけてはショールームに遊びに来ていた。
本当にただ「遊びに」来ていた。

上司からも非常に(ある意味)一目置かれている彼女、
遊んでいても誰も文句は言わない(言えない)のだ。

M子は五人の彼氏のうちの一人に、
「エステ費用係」を設けており、
その彼にエステ代を全て出して貰っていた為、
スタイルに非常に気を遣っていた。

私が「秘書課の○○さん、綺麗ですよね」とか言っても、
「でも足太いじゃん」とか、
「私の方が若く見える」とか、
バリバリ張り合っていて、ちょっと笑えた。

ところが笑えない事態発生。
M子は、ショールームの私の引き出しを勝手に開けて、
メジャーを発見してしまったのだ。

彼女はすぐさまそのメジャーで、
あられもない格好で自分の太腿を測り始めた。

「ちょ・・・、お客さん来たらどうするんですか!」
「朝だから誰も来ないよ。すずめのも測ってあげる」

「ぎゃあああ、やめて下さい!!」

私のスカートをまくり、
勝手に測り始めるM子。

今度は自分のふくらはぎを測り始める。
「あ、やだー、ちょっと太ってきちゃった。もうブクブク」

そして。
「すずめも、ホラ!来なさい」

「うぎゃああああ、やーめーてー」
M子は私の足をつかんで椅子の上に無理矢理上げ、
ふくらはぎを測る。

「あ、私より2センチ位太いだけじゃん。痩せてるんだね、意外と」

・・・オイ!!コラ!!

さっき自分のは「ブクブク」って言ってなかったか??
そんじゃアタシは一体何だい!!

それからというもの、
毎朝毎朝M子はショールームに来て、
私の引き出しを勝手に開けて、
メジャーを取り出し、
二人分測るようになった。

そして私が靴下を履いて会社にくれば、
「ホラ!足が太いと靴下の上に肉が乗るのよね」だの、
お客さんから若く見られれば、
「いいなあ、太ってると若く見られるんだよね。羨ましい」だの、
「あーあ、私もまたエステ行かないと、すずめみたいになっちゃう」だの。

・・・そこに愛はあるのかい(T_T)

いいや、絶対有り得ない・・・。

そのうち、今度は、
ショールームで使っていた大きな体重計(発送する荷物の重さを量るのに必要だった)に目をつけ、
靴のまま乗り出した。

「ちょっと!それ、荷物載せるのに使ってるんですよ!土足で上がらないで下さい!!」

そんな私の必死の注意もお構いなし、
「あーあ、○○キロかあ。まあ靴履いてるし、服も着てるし、そんなもんか」

・・・そしてやっぱり!!
「ハイ!!すずめも乗りなさい」

「いやああああああああ!!」
社内で体重計に乗る。
しかも同僚の前で。
何たる屈辱よ!

「ふうん、私よりも2キロ軽い。どうしてだろう。体重計壊れてんじゃない??ま、でもすずめは服も薄着だし、靴も脱いでるし、同じ位か」

言っておくが、
M子と私は身長が10センチ程違う。
それで張り合う神経が分からない。
ハナから「すずめは太ってる」というのが前提なのだろう。
(私、そ、そんなに太ってるかなあ・・・(-_-;))

それからは毎朝毎朝、
メジャーアンド体重計。
毎日無理矢理身体測定の日々。
その強制的身体測定は半年間毎日続いた。

私にも彼女にも別に変化はなく、
それに何の意味があったのかは疑問。
しかもM子は下っ腹が凄まじくぽっこりしていたのに、
下っ腹を測る事は一切なかった。
自分のいいとこだけ測るのね。


彼女は未だに測っているのだろうか。
そして誰かを測っているのだろうか。

お願いだから、
家でこっそり測って頂戴ね。



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