すずめ、月へ飛ぶ

すずめ、月へ飛ぶ

「性交渉」


最近、婦人科系の病気が気になり、内診というものをしてみようと思い立った。今まで抵抗があり行きそびれていたのだが、いっちょ清水の舞台から飛び降りたつもりで行ってみようと決心。

ちなみに実際清水の舞台に立ったが、とてもじゃないが飛び降りられない、何故飛び降りなくてはならないのか疑問。

まず近所の婦人科に行ってしまった。自宅から十歩ほどしか離れていないスーパー近所。
これは失敗したと思った。顔見知りのおばさんの前で、赤裸々な話など出来ようか。また脚など開けるか。
しかし無情にもおばさんは(先生なのだが)診察台に上がれと言う。泣く泣く上がろうとしたその時、先生が、
「あなた、彼はいるの?」と言う。
なんのこっちゃと思いながら、「いません」と憮然として答えると、
「でも、前はいたわよね」
と、畳み掛けるように聞いてくる。あ、そうか!
「あなたは処女ですか?」「エッチの経験ありますか」
というのを遠回しに聞いているのだ。

そういえば、友人同士なんかでは、エッチとかあれとかナニ(古い?)とかで済ましている言葉であるが、病院などでまじめに話す場合は何と言えばいいのだろうか。
まさか自分から「初体験は済ませています」とか言うのもおかしいし、それでいいのであろうが「セックス」という言葉を使うのも妙に生々しい。しかも相手は近所のおばさんなのであるから。

おばさんの病院には大きい設備がなかった為、不安だった私は今度は、本にも出ていた大きな病院へ。待合室にはクラシックがかかり、ふかふかのソファ、お洒落なテーブルや絨毯…などとても病院とは思えない雰囲気。なにかいい予感がしてきた。

そして私の番。また内診台へ。ところがこの内診台、最新式らしく、普通のイスに座ると自動的に脚が開くようになっていて、
「脚を開くぞーーー!」
という意気込みがなくても自然に内診が出来るのである。
そしてやっぱり聞かれたエッチ経験。しかし!先生は淡々とした調子で、
「性交渉の経験はありますか?」
と聞くだけ。こちらも淡々と答えられた。そして感心すると共に、心の中の日記帳に「性交渉」という文字を書き加えた。とても使える言葉である。流行らせよう。

昨日は友人と会ったので、この話を熱く語ったが、友人は「余計いやらしい」と非難していた。でもいいんだもん。今年は絶対「性交渉」をポピュラーにする運動をしよう。

だからと言って私の友達。お願いだから何度もメールに「性交渉」だの「seikousyou」だの送るのはやめて下さい。非常に迷惑です。

ところで病気の方は大丈夫でした。内診も問題なし。
全快です。



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