「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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あんず村DX
合同勉強合宿大会御一行2(ウリ総受)
合同勉強合宿大会御一行
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金曜日。
6限目が終わり、皆それぞれ帰途につく。
これから土・日と2連休なわけだが、皆肩を落として足早に教室を出る。
今回の中間考査は土・日の休みの後。週始めである月曜日に配置されている。
まさにこの連休は命がけ。生き地獄。
二日も休みがあるから大丈夫。などとゲームばかりやっていたら確実に追試行きだ。
「一護。皆ピリピリしてる様だがどうしたのだ?」
小声でボソリと問う少女に一護はため息が出た。
「お前、先生の話聞いてなかったのか?テストだよテスト。尸魂界に連れて行かれる前にやっただろ?」
といった瞬間隣の少女はぎくりとした。
以前定期テストを行った時、彼女の順位はそこまで悪くはなかった。
50位以内に入らないものの教養が良いからなのか国語系、数学系は一護でもびっくりするような点数だった。
しかし人間界の歴史なんてものは向こうでは専攻したい者のみの科目、英語なんて使う必要のない科目だ。
しかもそれをいきなり高校レベルからやるのはさすがの英才教育された頭も追いつかなかった。
英語は完璧追試だった。
苦い思い出を思い出したルキアは小声で「教えてくれ」と頼んだ。
可愛い少女のお願いに自分もそんなに自信があるわけではないがふっと口元を緩ませた。
だが今回は自分の出る幕は無い。
「ルキア。心配しなくても今回は合宿で石田が教えてくれるだろうよ。」
「・・・・・・。合宿とは勉強をする合宿だったのか。」
やはりルキアはただのお祭り騒ぎだと思っていたようだ。
「おーい!一護ー!朽木さーん!」
啓吾が呼んでいる。何事かと眉間に力が入るが、どうやら合宿についてのことらしい。
「荷物持ったら空座駅前集合な!6時だぜ!遅れるなよ!!あ、一護。石田にも伝えといてくれよ!じゃあな!!」
準備があるのだろうか、啓吾はどぴゅー!っと急いで帰っていった。
ルキアはニコニコしている。
(楽しみなんだろうな・・・。)
尸魂界でいつ死ぬか分からない・・・。牢屋に入れたまま、感覚もないまま時が経っていた。
そんな彼女を自分たちが助けに行き、そのことがさらに彼女にプレッシャーを与えていた。
すべてに押しつぶされ、「楽しい」という感情はとっくに消えうせて、その感情を思い出すこともできなかった。
そんな彼女がこんなにも喜び、楽しみにしている。
普段ろくな事を考えない啓吾だが、この時ばかりは感謝していた。
「一護。着替えはお前の妹のを拝借して行こうと思う。」
少しシリアスな世界にトリップしていた思考が一気に現実に引き戻された。
「お・・・おう・・・。」
少し早いくらいに家を出る。
遅れて登場して啓吾や水色に文句を言われたくはない。
二人同時に来たりしたら怪しまれそうなので、ルキアには少し後からくるように言った。
駅前に到着したはいいが、まだ10分前。誰も来ていないようだ。
(女どもは準備に時間かかるしなぁ・・・。)
手持ち無沙汰になった一護は、駅に隣接するように立っているコンビニに入った。
雑誌のコーナーをうろうろしていると、ふと目の前に黒髪が見えた。
反射的に腕を掴むと、それはやはり石田雨竜だった。
「わっ。・・・黒崎!何するんだいきなり!」
「あ、いや。わり・・・。」
ぱっと手をはなすと雨竜は眼鏡をくいと持ち上げた。
彼も早く来すぎてしまったようだ。
「なあ、お前。ほんっとに行くのか・・・?」
「・・・?行くからここにいるんじゃないか。君はホントに馬鹿だね。」
「バッ・・・」
「あ、ほら、茶渡君達来たみたいだよ。」
そう言って指差した方向には茶渡と啓吾と水色が居た。
雨竜が「行こう」と言うとしぶしぶと一護も着いてきた。
合流してしばらくすると女性陣も連れ立ってやってきた。
織姫たちが来る途中で迷子寸前のルキアを拾ってきたそうだ。
ぞろぞろと駅に入り啓吾が代表で人数分の切符を購入する。
改札を抜け、新幹線に乗り込むと、一部で論争が始まった。
「僕は朽木さんの隣の席が良い。」
「だ・・・だめだだめだ!!!」
一護が声を荒げると一般の乗客が一斉に注目する。
頭をかきながらもう一度雨竜の方を向く。
「だから、僕は朽木さんの隣が良い。君も朽木さんの隣がいいの?」
「はい?」
一護は前に雨竜に告白したことがある。
つまりこれは自分が雨竜のとなりに座りたいと主張しているはずだが・・・。
当の雨竜はルキアの隣を争っていると勘違いしているようだ。
彼はルキアのことが大好きだ。
恋愛とかそういう感情ではないが、とても大切にしている。
母性本能。と言うのが正しいのか正しくないのか・・・。
たつきと織姫はすでに隣同士に座っている。
啓吾と水色も隣同士に座っている。
茶渡はどうしたら良いのか分からないのでその場に立ち尽くしている。
「君は茶渡君と仲が良いだろ?だったら君は茶渡君と相席するといい。僕はこのメンバーの中では朽木さんが一番仲がいい」
確かに一護と茶渡は中学校からの仲だ。この中で誰よりも親しい仲だ。
(でもルキアとてめぇが一番仲がいいってのはちょっと違う気が・・・)
「おま・・・。」
反論する間もなく「そうだ。そうしよう。」と雨竜はルキアの背中を押した。
仕方なく茶渡の隣に座るが圧迫死しそうだった。
恨みがましそうに隣の席を覗くと雨竜とルキアが楽しそうに話している。
雨竜お手製のクッキーをつまんでルキアは嬉しそうだ。
そのクッキーを前の席のたつきや織姫にも配る。
一護も手を伸ばしてクッキーをつまもうとすると手をぱちんと叩かれた。
(な・・・なんでだよ・・・なんで俺にだけくれないんだ・・・)
落ち込んだ一護を見て雨竜はくすりと笑った。
怒って顔を上げると目の前にラッピングされたチョコチップクッキーが差し出された。
「はい。キミ専用。チョコ好きだろ?」
にこっと今まで見たことも無い綺麗な笑顔を見た一護はその包みを受け取り、顔を赤らめて俯く。
(な・・・こいつ・・・どうしてこんな思わせぶりな態度ばっかり・・・)
しかしやはり雨竜はすぐにルキアの方に向き直った。
お菓子やぬいぐるみや、よほど男子生徒がしないような話で盛り上がっていた。
落ち込んだ一護の肩を茶渡がポン、ポン。と叩いた。
「ついたぜ!浅野s別荘!!っが!!」
拳を突き出し大声で叫ぶ啓吾にたつきの拳が突き刺さった。
「何よこれ。ただの民家じゃん。浅野ー?これのどこが別荘だって??」
少々お怒り気味だ。
織姫がどうどうと抑えると、牙むき出しのたつきが大人しくなった。
((((猛獣使い))))
「えーっと・・・施設内の説明をしたいと思います。」
たつきに睨まれながら説明を始める啓吾。
「風呂・トイレは共同で1Fにある。んで俺たちの部屋は2Fで奥が女子部屋、その一個手前が男子部屋な。」
案内され二階へ上がる浅野ツアー御一行。
奥の部屋に入り必死で織姫が場を盛り上げようとする。
「うっわー。たつきちゃん見て見て!海が綺麗だよー。」
「わぁ、ホント。浅野、なかなかいい部屋じゃない。」
たつきの表情が少し穏やかになった。
奥の部屋の広さはたたみ6畳分。3人なら余裕の広さだ。
窓は腰がかけられそうな出窓で海が一望できる造りになっている。
女子3名は綺麗な部屋に大喜びだ。
続いて男子部屋。
「「「「・・・・・・・・・・・・。」」」」
決して狭くはない。造りは女子部屋と同じ6畳和室。
出窓は無いものの綺麗に掃除された部屋だ。
元々女子4人男子4人で来る予定だったため6畳2室しか用意できなかった。
男5人で寝るにはちと狭い。
畳の上に布団を敷き詰めて、正しくすし詰め状態になるだろう。
「むさ苦しい男4人の中に石田を混ぜるのは少々かわいそうだな。」
ぽろり。
ついルキアが本音をこぼしてしまった。
ルキアの本性を知らない啓吾・水色・たつきがぽかんとしている。
「あ・・・やだわ。わたくしったら。おほほほほ。」
必死に取り繕うルキアに一護はため息を吐いた。
「く・・・朽木さん。いいよ、僕気にしないし。」
なぜか雨竜も焦っていた。
それぞれの部屋に分かれ、荷物を置くと、ひとまず風呂に入ることになった。
風呂に入る順番と時間を決めることになった。
覗き防止、乱入防止のため、女子は最後ということになった。
風呂は意外と広く、女子なら3人同時に入ることも可能だ。
「あー。俺石田と入りてぇ。」
手を上げながら提案する。
「僕は嫌だ。大体見苦しいよ。ひとりづつ入ればいいだろ?」
あっさり断られた。
「なあ一護ー。石田なんかほっといて俺たちと入ろうぜー?」
啓吾に誘われ、仕方ないか。と肩を落とす。
「ねえ、一護って石田君のこと好きなの?」
水色はたまに鋭い質問をしてくる。
「は!?そうなのか一護ーーー!!お前ー!!お前というヤツはーーー!!!」
「うるさいな。ね、どうなの?」
どうなの。と聞かれてもこまる。図星だし。
一護は頭を掻きながら適当にはぐらかせる話題を考える。
二人が興味津々に迫ってくる。
「あー・・・ちょっと二人で話すことあったんだよ。進学のこととか・・・。」
「ぬあにーーー!!同じ大学行ってキャンパスラブライフを送るつもりか一護ーーー!!!」
余計2人は盛り上がってしまった。
「なになに一護どっちなわけ?やるほう?やられるほう??」
「馬鹿やろ!一護がやるほうに決まってんべ!!」
「な・・・お前ら・・・。」
一護にももはや二人は止められない。
呆れて一護は一人、風呂を出た。
部屋に帰ると茶渡しかいなかった。
「あれ?石田は?」
髪をガシガシと拭きながら尋ねると、茶渡は「女子の部屋へ行った。」と答えた。
「はあ?女子の部屋??」
すると付け加えるようにまた茶渡がぼそりと呟いた。
「行った。というよりは朽木と井上に連れて行かれた。といった方が正しいな。」
愛する雨竜の危険を察知し、一護は部屋を飛び出した。
がら!!!
っと勢いよく戸を開けると、案の定困った顔をした雨竜がちょこんと座っていた。
頭には可愛い髪飾り。
そして化粧まで施されていた。
「あ・・・黒崎、いいところに。彼女たちを止めてくれないか・・・うわっ」
助けを求める雨竜の手を引き、すたすたと部屋へ戻る。
「ちょ・・・黒崎・・・。」
困った顔のまま部屋に戻ると啓吾と水色も部屋に帰っていた。
「く・・・黒崎!!はなしてくれ!女子部屋に行かないと・・・」
顔を真っ赤にして訴える雨竜に、一護はなぜか激怒する。
「そんっなにルキアのことが好きかよ!!俺よりもか??」
「は?」
見事カミングアウトしたと同然である。
だが雨竜には何で一護が怒ったのかわからない。
両肩を掴み、力を入れると小さな呻きが聞こえてきた。
「一護。石田を離してやれ・・・。」
察した茶渡が一護の腕を掴む。
睨みつけるとくいと目線で原因である雨竜の顔を示す。
「あ。」
化粧された顔をみんなに見られ俯いて赤面している。
雨竜はぱっと顔を背けると、たたっと無言で部屋を飛び出していった。
戻ってきたときにはすっかり元の『石田雨竜』に戻っていた。
少しもったいない。
「綺麗だったのによ・・・。」
一護がぼそっと呟くとカッと顔を真っ赤にしてすごい形相で睨まれた。
「僕、お風呂入ってくる。」
少し怒った口調で部屋を出て大きな音を立てて戸を閉める。
茶渡もすくっと立ち上がった。
「あ?おい、チャド?どこ行くんだよ。」
「風呂。」
パタン。と戸を閉められ一護は最高に不愉快な気分になった。
「石田。綺麗だったな。」
「うん。僕好みかも。」
不愉快絶好調だ。
お互いが少し動くたびに波紋が広がり、ぶつかり合う。
石造りの広めの風呂。ここも窓から海が見える。
海を眺めるように岩にちょこんと手を乗せる姿を見て、茶渡はもう鼻血物だった。
可愛いものが好き。
石田雨竜も好き。
可愛い石田雨竜はもっと好き。
目の前の雨竜はまさにその大好きな可愛い雨竜だ。
何とかこの欲望を振り払おうと頭をぶんぶん振ってみる。
その大きな仕草に気づいた雨竜は首を傾げて振り返った。
「どうしたの?茶渡君。」
湯が熱いのか頬を高潮させ、首を傾げ、上目遣いで見上げてくる。
さっきとは違う興奮が下半身に集まった。
「鎮まれ・・・鎮まれ・・・。」
小声でそう唱えると、雨竜が「何が?」という目で顔を覗きこんでくる。
次の瞬間、茶渡の硬質な理性は脆くも崩れ、全力で小さな彼を抱きしめていた。
「茶渡君・・・?」
生の肌と肌とが密着する。
雨竜の柔らかい肌が、薄い肩が、細い体が!!
ぶわっと鼻血が飛び散り、茶渡が気を失った。
「!!!さ・・・茶渡君!!茶渡君!!・・・・・・のぼせたのかな・・・?」
よっこらせ。と茶渡の腕を首に回し、立ち上がろうとするが、びくとも動かない。
少しずらしてもろに背中に茶渡の身体を乗せる。
「ふんぬぅぅぅぅ!っはぁ・・・。」
そのままばたりと倒れ身動きが取れなくなってしまった。
(ど・・・どうしよう・・・。)
近くを誰かが通ってくれたら叫べば来てくれるだろう。
「・・・・・!」
茶渡を背に乗せ、腹這いの状態では腹に力が入らない。
仕方なく、時を待つことにした。
(僕達がなかなか帰ってこなかったら黒崎あたりが様子を見に来るだろう・・・。)
「ねえ、石田君達まだ上がってこないの?」
「あたし達早くお風呂は行っちゃいたいんだけど。」
二人が風呂に行ってから女子と男子計6名でトランプをしていた。
あれから40分。実にババ抜き9回目。
「そうですわね。石田君達、何かあったのかしら。」
くすくすっとルキアが面白そうに笑う。
一護は全身に一気に冷や汗を書いた。
愛しの雨竜は巨漢と風呂という密室で2人っきり・・・。
体の小さい雨竜はろくな抵抗もできず・・・。
「ねえ、石田君喰われちゃってたりして・・・。」
水色が不敵な笑みを漏らし一護はさっと青ざめた。
言葉を発する前に身体は立ち上がっていた。
だだだだとすごい音を立てて階段を駆け下りると家の主が「何事だ」という風にふすまから顔を覗かせた。
風呂の戸を勢い良く開けると案の定雨竜の上に茶渡が圧し掛かっていた。
「あ、黒崎・・・いいところに・・・」
重みで苦しそうに息を吐きながら助けを求める。
ばき!!
一護の鉄拳が飛んだ。茶渡は吹っ飛んだ。
下にまだ転がっている雨竜は目をまん丸に見開いた。
そんな雨竜をひょいと抱き上げるとさらに顔を真っ赤にさせた。
(何だよ・・・やっぱ意識してんじゃん・・・。)
雨竜の身体を拭いてやり、服を着せ、また抱き上げようとすると手を払われた。
「自分で歩く。」
耳まで赤くして前をすたすた歩く。
(腰とか痛くねぇのかな・・・。)
勉強会では雨竜は大活躍だった。
あっちやこっちから質問の嵐だ。
啓吾と水色にはとてもありがたい存在だった。
みんなに頼られまんざらでもない顔をしている雨竜が酷く心をイラつかせた。
家主に借りた長机を片し、女子は女子部屋に帰って行った。
布団を敷くと、まさしくすし詰めだった。
布団で埋め尽くされているが、隅に多少の余白があるのでそこに荷物をまとめた。
雨竜がナチュラルに端っこに転げた。
それを見て後の四人は闘志メラメラだ。
隣か真上。そのポジションを手に入れることができるのは4人中2人だ。
50%の確立に皆目を輝かせていた。
沈黙が続く中先に寝た雨竜から小さな寝息が聞こえてきた。
寝息とも呼べない小さな呼吸だが、四人は夢中になって聞き入った。
しかしその沈黙を破ったのは夢中に聞き入っていた水色だった。
「ねえ、石田君の隣、早く決めようよ。」
視線は一気に水色に向けられる。
その時一護はふとある疑問を抱いた。
「なあ、俺とチャドは石田のこと好きなわけだけどさ、おめーらどうでもいいんだろ?辞退しろよ。」
啓吾と水色がきょとんとする。
「僕たちも石田君のこと好きだよ。ねえ啓吾。」
「おう。」
ますます隣を譲るわけには行かなくなった。
第一雨竜もちっとは(ホントにちぃっとは)一護に気があるわけだ。
ここで手放したら雨竜もショック受けるだろう。
お構いなしに雨竜の隣の布団に腰を下ろす水色に「あーーー!!」っと言う大声が出た。
水色が人差し指を口の前で立てると、一護はあわてて自分の口を塞いだ。
ちらりと雨竜を見ると少し寝返りを打ったようだが起きてはない様だ。
「水色・・・。テメーがそうゆうことするなら俺は!!」
ばさっと雨竜の布団をいったん剥ぎ取るとその中に一護も入った。
後から雨竜を抱き込む形で添い寝する。
「あーーー。ずりぃぞイチゴー!」
啓吾の悲痛な叫びが聞こえてくる。
だが一護はぎゅうっと抱き込む、彼らから隔離するように。
後から「明日は俺だからな」とか「覚えてろよ」とか野次が飛んでくる。
全部背に受け止め、雨竜を抱く力を強めた。
第二話です。
続きは近いうちにアップします。
次はもっと争奪戦みたいな、お前ら勉強しろよ。みたいなのを書きます。
ギャグです。えろいシーンはありません。(かけません)
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