ANTENCHIchan

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=慢性心不全について=

=僧帽弁閉鎖不全による慢性心不全=

 慢性心不全の原因はいくつかありますが、今回はあんずに発症した僧帽弁閉鎖不全による
慢性心不全について記述したいと思います。
この病気は高齢のわんちゃんに多い病気の一つなので覚えておいて損はないと思います。


 僧帽弁とは心臓の左側にある左心房と左心室の間にある弁であり、
僧帽弁が十分に閉まらなくなると血液が逆流し全身のすみずみまで十分な血液が送れなくなります。
そのため症状としては運動時の息切れ、発咳から始まり安静時の呼吸困難
湿った呼吸音、チアノーゼ、失神へと進行していきます。


 だいたい10歳ごろから症状が出始めますが、7歳をすぎたら元気そうにみえても
生活態度の変化を見逃さないように気をつけてみてあげてください。
初期の頃はあまり症状が出ないことが多く、また少し疲れやすくなっていても
「歳のせい」にして見過ごしてしまうことがあります。
動物病院に連れて行った際に、心音を聴いてもらうと早期発見に役立ちます。


 残念ながら現在のところ心不全にかかってしまうと完治させる方法がなく、
投薬により病状の改善を図りながら心不全の進行を遅らせることを目的とします。
また日常の生活では塩分の取りすぎに注意をして、標準体重の維持を心がける、
心臓に負担がかからないように過度の運動を控える、ストレスのない生活を送り
薬を毎日決められた時間に飲ませてあげてください。
薬を飲むようになると症状が軽くなりわんこも気分がよくなり元気になってきます。
投薬を中止するとまたすぐに心臓に負担がかかり、元に戻るかもっと症状を悪化させてしまいます。
決して心臓病が治ったわけではないのでわんちゃんの負担になるような自己判断で投薬を止めないよう
お願いします。


 実はうちのあんずちゃんも1年くらい前から散歩も途中で歩き方が遅くなっていたり
時々咳をしているなとは感じていました。でもまだ8歳だし歯もきれいだからまさか心不全
には早いよなーなんてちょっと楽観的に考えていました。
しかしどうも心臓の悪い子と同じような咳の仕方が気になり心音を聴いてもらうと
雑音が聴こえるそうです。僧帽弁閉鎖不全の心不全の時は心臓の弁がしっかり閉じないので
血液の逆流が起こりそれが雑音として聴こえてくるのです。
「進行度としたら6段階中3段階のステージまでになってるよ」
と言われ頭の中が真っ白になりました。「やっぱりあの時にちゃんと診てもらえばよかった」と
後悔が先に立ちしばらく落ち込みました。
しかし後悔しても病気が治るわけでもないので今は毎日の投薬と少しでも体が楽になるようにと
‘CoQ10’と‘抗酸化サプリメント’を飲ませて体重減量にがんばっています。
咳は完全には治まりませんがお散歩に行きたがるようになったり階段の上り下りもできるようになりました。


 わんこは飼い主の気持ちを敏感に読み取りますので、悲観的にわんを見ているとわんこの気持ちも
落ち込んで病気の進行がすすむと思うので、いつも楽しく病気を忘れさせるように心がけています。
結構これ大事な事なんですよ。「病は気から」って信じています。


 わんちゃんは病気を理解できません。胸が苦しくても、自ら病状を訴えることができません。
症状がはっきりと認識できた時は病気が進行していることが多いので、どんなちいさなことでも見逃さず
私達飼い主が少しでも愛犬の苦痛を和らげて、長生きできるよう努力してあげましょう。
また来るべき時に備えてしっかり病気の知識、愛犬の症状を把握し後悔のないよう毎日をおくりましょう。


 なんだかとっても堅苦しいお話になってしまいましたが、備えあれば・・・っていうことで
心の片隅に覚えておいていただければ幸いです。。。



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