お隣さんの国：韓国からの手紙

< 新しい記事

新着記事一覧(全6282件)

過去の記事 >

2005/08/29

韓国の小咄　その2

(18)

テーマ：韓国！(17182)

カテゴリ：韓国生活

子供たちはみんな独立し、今のささやかな楽しみは、近くの小山をブラブラすることくらいだった。

その日も、金ハルモニは、ひとり寂しく、山に向かっていた。

と、すぐ前を歩く、ハルモニが目に留まった。

何だか、見たことがあるような気がする。。。

誰だっけ？

金ハルモニには思い出せなかった。

その次の瞬間、金ハルモニは、衝撃で口もきけなくなった。

すぐ前を歩いているハルモニが、歌を口ずさみ始めたからだった。

（＊注　訳は「南山の上のあの松の木～」
知る人ぞ知る、韓国の国家、愛国歌の2番の歌詞である。
実は、韓国人も、2番の歌詞になるとうろ覚えの人も多い。。。）

金ハルモニは、転がるようにして、歌うハルモニの前に出た。

「そ・そ・その歌は。。。
わしが小学生のころ、毎日毎日、学校で歌っていた歌じゃぁ～！！！」

それを聞くと、歌っていたハルモニも、驚愕して目を見開いた。

「わ・わ・わしも、小学校で毎日この歌を歌っていたんじゃが！」

「そ・そ・それじゃあ、この歌は、小学校の校歌だねっ？」

「わしも、今の今まで忘れておったが、そうに違いない！」

「小学校の名前は、きっと、「南山小学校」じゃね？！」

ああ、今まで忘れておった！
それじゃ、おまえさんとわしは、同じ校歌を歌った、同じ小学校の仲間だったんじゃねぇ！」

2人のハルモニの目からは、涙がドッとあふれ出した。
2人は、肩を抱き合って、オイオイ泣きながら、再会（？＾＾；）を喜び合ったのだった。

その日、金ハルモニは、長い時間、そのハルモニと話をして、本当に幸せな気分で帰宅した。

その話の一部始終を聞いたハラボジは、呆れて、金ハルモニにこう言った。

「わしも、南山小学校出身だと言うことを、今の話を聞いて思い出したわい。」

お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう