青空日記

青空日記

その2


Zoonisisの代表、恒温動物ほとんどに感染しうるウイルス
年間5~6万人が世界で死亡している
メソポタミアの時代から知られていた
日本での発症は1957年(昭和31年)が最後(子供、東京)。ただし1970年に輸入例あり、ネパールに旅行した大学生)
日本には古来には存在していなかった。1700年代から文献上散見されるようになる。おそらく長崎から輸入された病気
昭和初期までは流行があったが、昭和25年の狂犬病予防法により、すべての犬が登録制となり、狂犬病ワクチンの接種が義務付けられた。これにより発症は急速に減少する
最近は未登録の犬が増えており、日本では恐らく半数程度の犬しか登録されていない(ワクチンを接種されていない)本来は総犬数の80%にワクチンが接種されていないと予防は出来ないとされている
1800年代にパスツールが初めて、感染したウサギの脊髄を精製してワクチンを開発した

ラブドウイルスに属する、リッサウイルス (Lyssavirus)が狂犬病の原因
弾丸型(Bullet shape)の一本鎖RVAウイルスでEnvelope virusである
種類は7種類あり、いずれも狂犬病か狂犬病に似た症状を呈する
哺乳動物以外に重要な宿主動物としては、コウモリが大事
経口感染はしない(犬を食べても感染しない)あくまで経皮的に感染する

感染の進行機序
1.咬まれる:ウイルスが咬み傷付近にとどまってそこで増える(?)
神経を通って脳まで行くので、顔に近いところを咬まれた方がより早く発症する
2.感覚や運動神経にウイルスが入り込む
3.15~100mm / dayのペースで上行する
4.脳へ達する:動物に近い古脳で爆発的に増殖する(中脳、橋、延髄など)新皮質(情動を司る)にはあまり行かない(意識レベルが保たれる)
5.神経を伝わって遠心性に広がる:全身にくまなく広がる。唾液腺に特に  よく分泌され、咬んで感染させる

潜伏期間(咬まれてから脳に達するまで)は20日~7年(平均2~3ヶ月)と大きく幅がある

感染した神経細胞を見てみると
細胞内に入り込んだウイルスは、そのRNAを使って増殖するが、その際に作られるタンパク質の中にあまるものがあって(N蛋白)、これが封入体(ネグリ小体)となり、診断的価値がある

疫学
毎年5万5千人位が死亡していると考えられるが、大半は子供である
(顔を咬まれることが多いので)
Asia(56%)Africa(44%)にほとんどの患者がいる。
主に田舎で発生する
AsiaとAfricaでは、ほとんど犬か猫(10%)による
ヨーロッパやアメリカでは、野生動物(コウモリ、狐、アライグマ)が原因であることが多い
狂犬病がないのは、日本・オーストラリア・イギリスなどの孤島と北欧くらい
発症数はかなりアバウトだが、インドやバングラではかなり発生しているようである
中国が今の問題で、最近になって急増(2600人/2004年)している
犬の数が増えている、粗悪なワクチンの蔓延、ワクチン接種された犬はわずか3%

感染経路
咬まれる、唾液を浴びる(噴霧されたウイルスを吸引しても臭神経を介して感染する)
かまれる動物による違い
犬では常にウイルスが唾液中に出ているわけではないので、咬まれても感染しないことがある
しかし、狼・コヨーテなどの肉食獣では常に分泌されているので、より危険性が高い


臨床症状
1.前駆症状と初期症状(prodromal and early symptoms)  2~10日間
  咬み傷が痒くなる、食欲低下
2.急性神経症状    2~10日間
  Furious rabies(劇症型)70%くらい
  Hydrophobia, Aerophobia, Hypersalivation, Feeling of terror,     Hallucination
High grade fever, Paralysis
    水を飲もうとすると喉頭けいれんが起きて吐いてしまう
    風をあえると避けるような動作をする
    過剰に唾液の分泌が起きる
    死への恐怖感がとても強い
    Bone in throat symptom 舌の麻痺、嚥下困難、むせて嘔吐する
Paralytic rabies(麻痺型)
Urinary incontinence(尿失禁)
3.Coma to death (100%) or Recovery(1例のみ)
誤嚥性肺炎、呼吸停止、心停止 
意識レベルはギリギリまで保たれる
脳まで行ったら(つまり症状が出たら)絶対に助からない病気

鑑別診断としては・・・
Guillan-Barre syndromeと混同されやすい(麻痺型)
精神疾患

診断
生前
endemic地域での犬の咬傷歴
Immunofluorescence
FA test using neck biopsy, corneal impression(後頚部を削って毛嚢を採取、信頼性高い)
PCR
死後
ネグリ小体(脳を解剖して)
神経細胞からのウイルス分離
ねずみに接種して発症するかどうか調べる

脳細胞内に大量のウイルスがいる
犬(猫)に咬まれた患者が来たときにどうするか
治療スタッフは、ガウン・ゴーグル・マスク・グラブをはめること
挿管中や吸引の時には要注意
ウイルスは唾液中、リコール、組織の中にいるが、血中にはいない(ウイルス血症にはならない)
治療に当たる前に、全員にワクチン接種をすること(海外では粗悪品が多いので要注意)
Post exposure treatment (PET)  流行地では旅行者を除きこちらが主体
WHOが推奨する犬(猫)咬傷に対する治療プロトコール


カテゴリー接触形式                 推奨治療
1触った、餌をあげた
傷のない皮膚を舐められた           治療の必要なし


2皮膚を直接、軽く咬まれた        すぐにワクチンを接種開始
軽い引っかき傷、表皮脱落  
ただし出血なし
                   もし犬が捕獲されていれば、10日                   間観察して、発症しなければワク                   チン中止。犬を解剖してウイルス                   の有無を調べてもよい
3皮膚を貫通する咬み傷か引っかき傷 ワクチンとグロブリン(72時間以粘膜が唾液に接触。         内)をすぐ投与。あとは一緒   

注意:コウモリにはhealthy carrierがいるので、治療を中断はしない方が いい
    とにかく出来るだけ早く接種すること
    この治療は全世界共通で、変更してはいけない


狂犬病ワクチンについて
以前のワクチンは動物の神経組織から作っていたので、とても副作用が強かった。10人に1人が死亡していたが、最近のワクチンは安全で問題なく接種できる
国際基準では、少なくとも2.5 IU (1ml)が一回の投与に必要である
狂犬病は、正しく予防すれば多くは発症を防げる病気である
1Pre-exposure vaccination
2.5 IU IM Day 0, 7, 21or28 needed periodic booster (every 2~3 years)
2Post-exposure treatment (PET)
傷口の処置(徹底的に、消毒薬も使用して:イソジンかアルコール)閉鎖しない

ワクチンかグロブリン接種
WHO Recommendation (1-1-1-1-1) Essen regimen
5 doses on days 0, 3, 7, 14, 30 (, 90) for TC vaccines
( 2.5 IU 1ml IM )
   大人は腕、小児は大腿(お尻は脂肪組織が吸収を阻害するのでだめ、皮下注より筋注がいい)
最初のワクチン接種が遅れた場合は、初めに2doses接種する
あらかじめワクチンを接種されている人は
0, 3, 7 days vaccination without IG(グロブリンは必要ない)
Alternative schedules(ワクチンが高くて十分にない場合)
ID(Intradermal皮内) Regimen (2-2-2-0-2) Thailand Red Cross method
0.1ml ID 4 doses on days 0, 3, 7, 28 for TC vaccines
    一回に2ヶ所皮下注する。トータル0.8mlで済む
   2-1-1 Regimen (Zagreb method)
2.5 IU 1ml IM 3 doses on days 0, 3, 7, 21 for TC vaccines
Rabies immunoglobulin (For category 3)
Purified HRIG : a few supply restricted in several countries (20 IU/kg…about 10V for adults)
Purified ERIG : fewer serious complications than previously note (40 IU/kg)馬血清
投与する際は、可能な限り傷口周辺に接種して、残りを肩に投与する
必ずワクチンを先に接種してから、IGを投与すること

犬側のコントロールは・・
1野良犬を殺す
2飼い犬は登録制にして、すべてにワクチンを接種する
3ワクチンを混ぜた餌の投与(犬ではうまくいかないが)
4獣医などのトレーニング(診断、ワクチン接種)

ワクチンの値段
Fruenzalida vaccine (suckling mouse brain) 70 cents
VERORAB vaccine 10 US$
Duck diploid cell culture vaccine 30 US$
ERIG 35US$

最近の話題
脳死患者からの移植で、レシピエントが全員死亡(角膜移植でも移る)
ワクチン接種歴のない患者が、有史以来初めて助かった(2004年、アメリカ)低体温療法、ケタラール、ドルミカム、リバビリン、アマンタジン

1本鎖のRNAウイルスで、界面活性剤、有機溶媒、酸化剤などで容易に不活化される
日本には、ヒト免疫グロブリンはない。海外で打つ場合は、馬血清由来のものを打たれないように注意


Tetanus(破傷風)
治療
ATS(抗破傷風血清)12歳で20000IU(IM)+20000IU(IV)
破傷風トキソイド 0.5ml 筋注
Diazepam 持続静注
CTRX
中耳炎や虫歯から発症することがある

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