青空日記

青空日記

その3



<リンパ管に寄生する糸状の寄生虫>
バンロフト糸状虫、マレー糸状虫、チモールフィラリアがある
寿命は約10年
成虫は4~10cmだが、メスは大量のMicrofilariae(ミクロフィラリア)を出す


バンクロフト・マレー糸状虫
昆虫(蚊)が媒介する、Insect borne disease
親虫はリンパ管にいて、ミクロを生んで、それが血中に入る。それを蚊が吸血して、体内で成熟し、次に刺したときに皮膚に落ちる。感染幼虫は刺し口から出てくる。蚊が刺した傷から体内へ侵入する。(正常な皮膚、他の傷からは侵入しない)
リンパ管炎を起こす(そこが赤く腫れて痛くなる)同時に発熱する(これは多分アレルギー反応)
段々リンパ管が詰まってくる。すると、リンパ液が貯留して腫れてくる
虫がリンパ管の中で死ぬと、どんどん詰まって症状がひどくなる
腫れた部位の皮膚が繊維化を起こして硬くなる(象皮病)
ペニスや陰嚢水腫、クリトリスも腫れる
コラテが発達してリンパ管が尿路にRaputureすると乳び尿になる(白色の尿、脂肪がじゃじゃもれ)

診断
逆行性尿路造影でリンパ管に造影剤が漏れる(逆流現象)

急性期
感染してから数ヶ月して症状が出てくる。
リンパ管炎を伴う繰り返す発熱(Filarial fever)、それぞれの発熱は3~15日で治る。
アレルギー反応なので、その時ミクロは血中からいなくなる。
回復期には皮膚から落屑がある
血中に大量のミクロがいても無症状である例は多く、ミクロの量と臨床症状はリンクしない
この間に一過性にリンパの停留が起きて腫れることもある
流行地では6歳から発症。25歳にピークがある
誰が重症になるか全くわからない

慢性期
長年にわたる感染の繰り返しによって、リンパ管の繊維化が進み、やがては閉塞してしまう
閉塞した部位の周囲が醜く腫れあがり、皮膚が角化して硬くなり、象皮病となる
この症状には、かなり地域差がある。

象皮病
Non-pitting edema(押しても型はつかない)硬い浮腫。10~15年かけて形成される
細菌や真菌の二次感染が硬化の原因で、皮膚を常に清潔にしていればならない
アフリカには象皮病は少ない(アジアに比べて)
マレー糸状虫では、下肢(特に足の甲)に象皮病が起こる

陰嚢水腫:東アフリカとインドの男性に多い。マレー糸状虫では稀。
乳び尿:Chyluria リンパ管のコラテが尿路にRapture。日本に多い。アフリカやインドではほとんどない。マレー糸状虫では報告例がない

マレー糸状虫:上下肢の象皮病  
バンクロフト糸状虫:日本に多く症状が多彩(象皮病、陰嚢水腫、乳び尿)
アフリカでは陰嚢水腫が多い

診断
臨床診断、エコーで見える(?)
末血厚層塗抹標本で、ミクロを探す。ただし、夜間(24時ごろに)採血しないと出てきていない。
ICTという循環抗原を検出する血清診断が可能(何時の採血でもいい)
感染者のおそらく、1/3が無症状、1/3が急性期の症状だけ、10~20%が慢性化する

治療
急性期は、DEC(Diethylcarbamazine)これは、Microも親虫も殺す薬。3週間(10日でもよい)で、72mg/kg。今はシングルドーズで年一回。6mg/kg。Albと併用する。2歳以下、妊婦、体調の悪い人は投与しない。
Ivermectin:Microだけを殺す。2週間隔で400mg/kgを6ヶ月。やめるとまた出てくる。
象皮病(Elephantiasis):形成外科手術
Hydrocele:Drainage
Chyuria:1%のSilver ritrateを患部に流す。外科治療。
疫学:Bancroftian filariasis・1億人いる。半分はインド。アフリカにも
Malayan filariasis:
Timoran filariasis

ヒトだけに寄生する虫なので、Eradicationは可能かもしれない
Pre:Bed nets(蚊なので)
いろいろな国で新しいChemoが発案されている。DEC、Albendazole、IVMを使って
途上国には無料で薬を配ることができる
ヒトの体を醜くする病気
西郷隆盛も罹患していた(だから馬には決して乗らなかった)
Microは肺と血中を循環している。定期的に血中に出現する(夜行性)
最近の話題:エコーでリンパ管内の親虫が見える?(Filarial dance)
それで、治療効果判定ができる?
患部をよく洗って清潔にすれば(2次感染を防止すれば)象皮病にはならない
リケッチアを必ず共存している。リケッチアが死ねばフィラリアも死ぬ(だからテトラサイクリンが効いていた)

Tropical Pulmonary Eosinophilia
インドとシンガポールに特有(要するにインド系の人)
W. Bancrofti、B. malayiの感染に対する、宿主の異常反応
症状
夜間、発作性の乾性咳そう、喘鳴、呼吸困難、発熱、胸痛
35%程度の好酸球増加
高フィラリア抗体価なのに、血中にMicroがいない
好酸球性肺炎。Microは肺にいてTrapされている(生検すればいる)
DECが奏功する。


犬糸状虫(Dirofilaria immitis)
犬の右心室と肺動脈に寄生する。肺に幼虫が侵入して結節となり、しばしば癌と間違われる。
特に症状はなく、好酸球も上がらない。
治療は外科的なものだけ


オンコセルカ(Onchocerciasis、River blindness)
中南米では、Roble’s diseasともいう
親虫は皮下か結節内に住む。これはたいしたことないが、生まれたMicroが全身の皮下を這い回って病気を起こす(血中にはいない)
ブトに刺されてうつる。噛み付いたところから入る
親虫は(メス)50cm位ある。20年生きる。
1日4000のMicroを一匹の親虫が産む
瘤を作るのが特徴的
Microも長ければ2年以上生きる
皮下から角膜を突き破って侵入し失明させる
皮下の血管の豊富な層よりやや外表にいる
瘤:円形か楕円形、圧痛なし、0.5~10cm、可動性良好
Mexcoでは上半身(特に頭)、アフリカでは下半身にできる
Microが皮下を這う症状として、皮疹がある。白斑ができる。
診断
Skin biopsy、瘤、血液や尿のMicro、前眼房のSlit test、血清診断も可能
全身を触診して、瘤を探すこと
層を間違えないようにBiopsy(少し血液が滲む位がちょうどいい)
生食1滴に皮膚を置いて、30分もすると、Microが泳いで出てくる(70%)
肩(肩甲骨の外側)両でん部、ふくらはぎなどから採取
虫がたくさんいれば、尿中にも出てくる
前眼房検査をするときは、しばらく下を向いて虫を集める
DECを使うと、患者がアナフィラキシーを起こす(禁忌!)
TTT:瘤取り、Ivermectin 仔虫をやっつけるが成虫には効かない。
Pre:虫除け(Repellent)、ブユを殺す。Mass chemo
グアテマラで成功したキャンペーンOCP:親虫の寿命より長い間、ブユをその地域からなくす
昔、アフリカでは、砂漠化の原因はオンコセルカだと考えられていた
DECが使えないため難渋していたが、Ivermectinが革命を起こした
幼虫には効かない薬なのだが、定期的に(年2回)飲めば、段々幼虫の数が少なくなってゆく。少なくとも失明の予防は可能なのではないか?
しかも、回虫やしらみなど、他の病気にも効果がある


ロア糸状虫(Loasis)
親虫は皮下にいて、Microが昼間、血中にでる。
アフリカのみに分布
突然の眼痛(何かが目の中にいる!!)
結膜下を這う(激痛)
Calabar swelling(局所の浮腫)痛くない、数日で軽快、移動性
10年生きる
昼に検査すると、Microが血中にいる
DECは効くが副作用強い。IVMはMicroの量は減らす。Albが親虫に効くかもしれない
目に虫がいるときにはとってもいいが、虫を傷つけるとアナフィラキシーを起こすことがある
DECで予防ができる(西アフリカの森の中に入るときは飲んだほうがいい)


<土壌伝播線虫症の対策>
Ascaris:2億5千万人の有症者。毎年6万人が死亡
Trichuris trichiura:4600万人が有症者。1万人が死亡
Hook worm:1億5千万人の有症者。6万5千人が死亡
問題は死亡者数だけではなく、大人が感染すると、疲れやすくなって働けなくなることで、労働力が全体として低下したり、子供に感染すると、低栄養、貧血、成長障害、教育レベルの低下をきたし、問題となる

DALY’s lostでみると、
Malaria 357.3
Intestinal helminthiasis 179.7
Schistosomiasis 45.3
Chagas’ disease 27.4
Lymphatic filariasis 14.9

個人の病気としては、Schistoの方がきついのだが、DALY’s lostでみると、線虫症の方がずっと影響が大きいことがわかる。

Hook wormでいうと、大半が虫の数15以下の感染である。虫が少ないと血液のロスも少ないので、貧血もたいしたことはない。要は、大多数にとってはたいした影響はないのかもしれない。
(診断することではなく)重症例を見つけること(定量すること)が大事なのでは・・Kato-Katz法

WHOは重症感染を集中的に治療し、親虫の数を減らすことで、症状のある患者を減らそう(Eliminateするのではなく)という方向へ傾いている
定期的にMass chemoしたりして、虫の数を少量に抑えていればよいのでは
そこで、学校をTargetにして、教育と絡めて動き始めた(昔の日本のやり方だけど・・)
一番大事なのは、How the eggs reach to the mouth? つまり、感染経路、その地域での生活観をしっかり明らかにし、地元民の生活様式や考え方を考慮した上で、彼らが受け入れるやり方で、その生活観の一番の弱点をつけば、必ずしも薬はなくても駆逐できるかもしれない
WHOのようなMass chemoを続ければ、必ず耐性ができて、将来困ることになる。

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