雑記帖

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優しさと寂しさ



ずっと一緒にいた人に放り出されて

途方に暮れていた

飲めもしないアルコールに酔って

強くもない喧嘩に巻き込まれて

夜だったはずなのに、気がつくと夕方の空を饐えた臭いのする場所で見上げていた。

急に冷静になった頭では、とてつも無い惨めさと寂しさの中で

どこに行けば

と考えていた。

そんな時、その人はオレの前にしゃがんでジッと見つめてきた

「捨て・・・・子?」

不思議そうな目には特に感情は無くて

もっと同情だとか、何かがあればオレも反発したかもしれないけど

その物を見るような目に、逆に心がほぐれた

「そう、かも。。。オレ、捨てられちゃったのかな」

その人は、次の瞬間とても嬉しそうに笑った

不謹慎、と潤む視界で不快に思ったけど

「行くとこ無いの?」

と問う無邪気な声に

「無い、金も無い」

と答えていた。

その人はオレの答えに嬉しそうに頷くと手を差し出して来た

「じゃあ、拾われてみない?」

オレはその言葉に、気がつくと頷いて手をとっていた

汚れていたオレの手をその人は躊躇いも無くとった

「捨て子を拾うのは初めてだ!!あ、人だったら口きけるんだから、一緒に家主を説得するの手伝ってね」

その人は温かい手でオレを導きながら、ちょっと心配そうに口にする

「オレも拾われるの初めてだ」

その人は優しい手で、オレの頭を背伸びして撫でてくれた。

それが今まで一緒にいた人で無いのを、寂しく思いつつ

オレは初めてその人に笑い返していた。



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